追憶(下):ずっと一緒に
姿勢が良すぎる。
身じろぎすらしない。
寝息は規則的で、断続的に上下する胸はメトロノームを思わせる程に一定のリズム。
二人……いや、三人だって並んで、広々と寝られるだろうベッドの上で横になる女。
身長、体重と代謝から割り出した時間からして、薬の効き目もそろそろ切れる。
あと少しもすれば、瞼が開かれあの宝石のような瞳が伺えるだろう。
髪色も……。
生まれてこの方、私はコイツ以上に美しい髪色というのを見た事がない。
更に更に、今となっては身体つきさえも……だ。
元々発育の良いやつだとは思っていたが、身長でも女性らしさでも随分と置いて行かれた。
サクヤもそうだ。
二人は―――やはり二人は、どうせ私の事を置いて行ってしまうんだろう。
いや……ダメだ。
許さない。
そんな事、絶対に許さない。
置いて行かれるくらいなら……だからこそ、私は。
「―――ん……、んぅ」
「!」
時間通りだ。
やはり、遅刻はなし。
そういう奴なんだ、昔から。
朝に弱いとか自分で公言しておきながら、眠そうな顔なんて一度たりとも……さて。
「起きたか、ルミ」
「ぉ……お?」
パチリと目が開き、次瞬には既に左右を一回ずつ確認。
ネジ巻きのように腰だけで上体を起こすままに私をじっと伺うルミ。
コイツの状況判断力は埒外だ。
この数瞬の内に、状況を大方は飲み込み、理解しているのだろう。
「―――んーー……、うん。やぁ、トワ。……ん、なんだか頭が、重いんだ」
「……………」
丁度、中学生になって一年目の夏休みだった。
私は、親友を拉致した。
文字通りの誘拐……犯罪行為。
行方が知れなくなってもまぁ納得できるであろう時、タイミングを狙ったんだ。
去っていくのを見ているくらいなら。
それなら、私のものにする。
幸いな事に……或いは、不幸な事に。
私にはそれを可能とするだけの頭脳と金と権力があった。
それが、彼女にとっての不運だった。
「すまないな。知らない天井で大方察していると思うが、誘拐させてもらった」
「あ、そういう……。たんこぶできてない? なにで殴ったの?」
「殴ってない。変に後遺症なんか残したくないからな。これ以上おかしくなられても困る」
「酷いね。じゃあ―――よくあるクロロホルムとか? ああいうのって誘拐には向かないって聞くけど?」
単純に、一呼吸で失神させるなんて無理があるからな。
それが出来るのなんて余程の劇毒。
ああいうのは推理小説をにぎやかす為のスパイスの一つに過ぎない。
私の手はもっと単純だ。
「ほら、ゼリー食べただろう?」
「……美味しかったね、アレは。ジューシーで、弾けるようで。ほほう……。さては―――オクスリ飲みやすくしてくれたんだね?」
そうとも。
ゼリーなどで覆う事で薬を飲みやすくするのはよく行われる手法。
オブラートも元はその手の発明だ。
単純に、コイツに与えた餌に睡眠薬を盛った……ただそれだけ。
あとは運搬するだけの簡単な仕事。
「少し効くのが遅れて怖かったが、流石のお前も人間だってことが分かって……何だ?」
「……………」
じっと……ずっと、私の顔を伺うルミ。
何かを測っているのか、或いは感情を抑えようとしているのか。
……。
正直、この時点で私はとても気分が良かった。
ここには、私とルミだけがいて……彼女が見ているのは私だけなんだって。
そう考えるだけで暗い感情が濁流のようにとめどなく溢れた。
何かを抑える様子の彼女を前に、醜悪な笑みすら漏らしていたかもしれない。
部屋は何処もが強固な鉄筋コンクリートで構成されており、調度品の類は敷かれた絨毯とベッド……、そしてそこそこの書籍が収納された本棚のみ、と。
とても日常生活を行うために構成された空間ではない。
窓の類がなく……光が差し込まない閉鎖的空間、コイツを逃がさない為だけに作った密室。
部屋から続く扉は、二つ。
一方は手洗いと浴場へ続く扉で、鍵などは無し。
もう一方は、地上へ続く階段への扉で、内側からは決して開けられない鍵付き。
流石の彼女でも逃げおおせる筈がない。
「―――良い部屋だね。防音も良さそう」
「お前を閉じ込めるには、この位しないとと思ってな。まぁ……、何だ。―――この程度でお前がうろたえるわけないのは分かってたけどな」
「?」
「もう、お前はどこにも行けない。何処にも飛べない」
「高飛びする程困窮してないよ?」
………。
やっぱり調子狂うなぁ。
………いや、ダメだ。
私は最低のクズだ。
嫌われるなら、早い方が良いんだ。
その方がお互いに受け入れるのも早いだろう。
「ふんッ、分かってたけどな。分かってはいたけどな」
「うん」
………。
「……なぁ、少しは動揺して?」
「……んう?」
独占欲に心から満たされたあと、理解してしまった。
ルミが私をじっと見ていたのは、怯えや不安なんかじゃ断じてない。
興味だ。
次は何を見せてくれるのか、何をしてくれるのか、それしか考えてない。
俗に―――ワクワクしていたんだ。
ヤメロ。
全部受け入れますよ? みたいな顔でこっち見るな。
「ねぇ、トワ……」
だが、名前を呼ばれた瞬間―――。
全てを見通すあの目に見据えられ、どうせ見つかるならと、やはり今まで抑えていたものがどっと溢れた。
そう、その……、その顔だ。
その顔―――その声だッ!!
お前の全てが私の全てを狂わせるんだ。
「―――ッ! ルミ! 私はお前を……!!」
そこからは何を喚いたか覚えてもいない。
取り敢えずコール代わりにずっと一緒だの絶対に逃げられないだの、ヤンデレメンヘラ何でもござれなことを息が切れるまで喚いたのは確かで。
声量も大きく、がなりたてるように。
少しでも嫌われようとしていたのだろう。
「お前は、私の―――ッ」
「いいよ?」
そうだ。
拒絶されるのなんてわかり切っている。
私とて、そんな事を捲し立てるように言われれば……まぁまずあり得ない事だろうが……例え誰かに言われたとて鳥肌が立つだろうが。
如何に彼女でも、拒絶の言葉が来るのなんて、分かり切っていた。
それを無理やりにでも組み敷くのが犯罪者だ。
今この瞬間、私はコイツの友達から最低の人間になり替わろうと……ん?
………。
……………。
「……は?」
今なんて?
「要するに。私を大切だと思ってくれているんだろう?」
「―――……………は?」
「友達だって。親友だって思ってるのに。かけがえのない存在だと思えるのに、心の奥底からは信用できないなんて。凄く、悲しいだろう? 辛いだろう?」
「じゃあ―――良いよ。トワが安心できるまで。私を信頼できるようになるまで、一緒に居てあげる。君だけの私さ」
「……………」
「ほら。夏休みだし、ね?」
………。
誤算だったのは―――否。
周到な計画、長考した台本……そんなモノ、相手がコイツな時点で成立する筈なんてなかったのに。
一番間近で見続けていた私なら分かっていた筈なのに。
そんな事も見えなくなる位、必死で、怖くて、辛くて……一杯一杯で。
「―――ぁ……、ぅ」
「ほら、一緒。一緒にいるよ?」
一瞬で誘拐犯と誘拐された者の力関係が変わる。
ルミが両手を広げて堂と構える。
広げた右手、嵌められている拘束具が小さく音を鳴らす。
「だから……ね? 閉じこもっちゃおうか。巣ごもりって言うんだろう? ……時に、ちょっと暑くないかな」
「………節約だ」
「床に寝ても? 気持ちよさそう―――の前にこの手錠外してもらえるかな。ダメ?」
「…………お前」
「ね、トワ。一緒に寝てみない? いつもは出来ない事だろう? 床に寝るなんて。しかもコンクリー」
長い、長いアラミド繊維の紐で伸びる手錠。
絶対に外さない、と―――そう考えていた筈のソレを私が外すのに、数分と掛かることはなかった。
………。
……………。
この空間に、時計なんてなかった。
思い出したように配給される食事。
まるで、実験動物にでもなったかのような、そんな時間が延々続く。
「ご飯を食べて、ゴロゴロして、ゲームして、本読んで、ご飯食べて……良いのかな。こんなぐーたらで」
「夏休みだからな。まだか?」
「もうちょっと……いま最後の行」
二人で同時に本を読む。
二人で遊んでを、ずっと繰り返す……夏休みのような日々。
「ごちそう様―――トワ? 何でパン毟ってるの?」
「お前が何か隠してないとも限らないからな。ほら、あっただろう? 残飯に手紙を隠して外部と連絡を取るってのが」
「推理小説の読み過ぎだよ。本って言えば……外の光も差さない。時間も分からない。トワなら知ってるだろう? 昔、洞窟で数百日過ごしたって人の話」
洞窟隔離実験。
五百日間を世界と隔絶された洞窟の中で、一人で生活した記録だ。
……張本人が最も外界と切り離されたのは、時間間隔。
全ての期間が過ぎ、地上へ戻ったその人物にとっては五百という途方もない日数が、体感では未だ三分の一程度しか経っていなかったのだと。
「―――同じか?」
「かもね。遊んで、遊んで……一生分遊ぶくらいの気持ちで。どれだけ経ったのか分からないんだ」
明日は読書をしよう、明日はボードゲームをしよう。
私達は一緒に寝る前に予定を立てるが……果たして、寝て起きた時に本当に一日経っているのか? という話で。
遊んで、遊んで、遊んで……。
けれど、私は、忘れない。
どんな出来事も、どんな過去であっても、一日を絶対に忘れることはない。
そういう風に生まれたから。
私が生きた十三年と少し……4778日。
全て詳細に覚えたその記憶の中に……二人の思い出が増える程に。
押し上げられた他の記憶が噴出するように、それが度々会話に出てくるようになった。
二人だけの世界なのに、やがて私は世界の外の事ばかりを話すようになって。
「なぁ―――ルミ」
「うん」
「……知ってるんだ」
「え?」
ある日の、ゲーム中。
私は、遂にソレを打ち明けた。
「知って、るんだ。ルミとサクヤが企んでる事。二人で―――やるつもりなんだろう? アレを」
ずっと、彼女は言っていた。
いつか、その時が来たら……世界中を見て廻りたいのだと。
いつか、自分が何処まで行けるのかを確かめたいのだと。
きっと、彼女は世界そのものを騙しに掛かるだろう。
そして、完全となるだろう。
今より遥か高みへ駆けのぼり―――やがて世界中が彼女を知る事になる。
彼女という光を、直視する。
「思ったんだ。そこに、私の居場所はないんだって。二人の行く場所に、私は付いていけないからな」
犯罪者である私だが、それでも責任くらいは知っている。
今まであぐらをかいてきた一族の上で、これからは責任を取らなければいけない。
権利から、義務へ切り替えていかなければならない。
導かなければ、いけない。
付いていけないんだ、私は。
……幼い時分、一か所に。
一クラス、一組と集められた子供たち。
その道先が分岐しているなんて、ずっと前から理解して―――だからこそ、人を避けていた私が、今は別れることに恐怖し続けている。
「怖くて……怖くて、たまらないんだ。……寒いんだ、ルミ」
「……私のおやつもいる? かき氷」
「寒いって言ってるだろ」
気遣いのレベル園児か。
もっと気のきいたセリフ期待してたんだが―――。
「もう少し。もう少しでね、気付きそうなんだ」
「……え?」
「私ね? トワ。どうして、生涯現役を公言していたお爺様が、ある時を境にして引退したのか。私、ずっと考えていたんだ」
月見里光義。
私の祖父とは親友の間柄である、伝説の男。
現状、ルミにとっての唯一の肉親。
複数の王室の象徴たる錫杖や王冠などを一夜のうちに同時にを盗んだ。
国一つをまるっと地図から消した。
ヤスリ一本でエッフェル塔を手に入れた……。
世界一のマジシャンであると共に、歴史上にも類を見ない本当の「怪盗」であると評された伝説の手品師。
今は隠居の身である……ルミをして大悪党と言わしめる存在。
「お爺様、言ってたんだ。私なら、多分すぐ……そう遠くない未来に、分かるだろうって」
「……………」
「トワ。ね、トワ……、私、知りたいんだ。お爺様の見た景色を」
……。
それ。
「お前……欲求あったんだな」
「わたし欲しがりさんだよ? 昔から」
「……くだらないものにしか興味示さないと思ってたんだ」
例えば、有象無象。
目を賭けてやる必要なんてないものにさえ積極的にかかわりに行く。
例えば……。
「私の興味は下らない事にしか向いてないって? 酷い勘違いだ。トワは最高だよ? 私の、たった二人の親友なんだ。家族みたいなものだよ?」
「………!!」
「キーンと来た? 頬張り過ぎだね。……だから―――ね? 私ね。トワには、帰ってくる場所になって欲しいんだ。待っててほしいんだ」
「行く事には、行くんだな」
「自分で確かめたい性分だからね。何でも」
「けど―――戻ってくるよ、すぐに。何か、そんな気がするんだ」
「―――……」
「さ。そろそろ行こ? 久しぶりに空が見たいんだ。太陽でも、月でも。星でも良い。空の光が、みたいんだ」
……分かってた。
本当は分かっていたんだ、最初から。
どれだけ手を尽くして計画しようが、ルミがこんな単純な計画にあっさり嵌ってくれたこと自体がおかしかったって。
ならば、いつまでもおとなしくしている筈がないって。
でも、そうしていたのは。
「なぁ……。一つだけ、良いか?」
「うん」
「一緒に居れなくなる分、前払いで遊ぼうって考えだったのか?」
「違うよ。私が、トワと一緒に遊びたかったんだ。ふたりきりで、昔みたいに」
昔みたいに。
今まで通りに。
私の手を引いて歩くルミ。
最初期だったら、私はそれで満足していたのに……どうして、今はそれじゃ物足りないと思ってしまうのか。
「さて……。―――あーけーて?」
………。
………………。
「はーあーい」
その理由は、すぐに分かった。
……返事は、聞こえてきた。
本来聞こえない筈の……圧倒的防音性を誇る扉が、ルミの一声で動く。
そんな芸当が出来る超人は、私の知る限り一人……少し前までは数日と置かず聞き慣れた声と共に、重厚な扉が開かれる。
「―――――サクヤ……」
「やぁ」
「久しぶりね、二人共」
開かずの扉がアッサリ飽く所までは予想も出来た。
だが。
「……聞かせてもらおうか、ルミ。今回はどういう事だ?」
「拉致されるかもって、前々から聞いてたんだ。ほら、家が私一人になっちゃったとき、皆さんに暇を出したって話、しただろう?」
「……私の家に裏切り者がいたわけか?」
「人聞きの悪い。親切心だよ? 元雇い主の娘さんに情報を流してくれる良い人さ」
「犯人探しに時間がかかりそうねー」
だな。
帰りの会が遅くなるやつだ。
……だが、やっぱりこの方が会話が盛り上がって良い。
サクヤの合いの手がないと物足りなく―――。
「むぎゃーー!!?」
「ふふふふふ……。そう、そう。そうなのよぉ。親切心で二人が私を置いて夏休みをエンジョイしてるって、教えて、くれたの」
顔面がぁぁぁ―――!!
アイアンクローはマズいサクヤのアイアンクローは本当にマズい頭蓋骨が継ぎ目の通りにバラバラのパズルになってしまう……!
人間の頭蓋は15種22個の骨で構成されていてあがががが……ッ!?
「宿題。どうするの? 二人共。親友の私に土下座でお願いするのなら手伝ってあげても良いわよ? つめたーい床に頭を擦りつけて」
「ぐわぁぁぁ……!!」
「私は被害者だよ?」
「いつでも逃げられたでしょう!? 良いの? 課題写させてあげないわよ!」
……これは根に持ってるな。
だが、この天才がなめられたものだ。
「ふふん、私には秘密兵器トワが付いているんだよ? サクヤ」
「ぐッ……ぅ。アイアンクローが……。フ、フン。日記は思い出して書けばいいし、英数国なんて数時間もあれば終わる。自由研究? 油絵でも拵えてやろうか―――」
「観察日記」
「「……………」」
「今から朝顔でも育てる? ルミ? 種を一瞬で花にしても意味ないのよ? トワ? 植物に食育でもするのかしら? 生物学に基づいて。そ、れ、と、も……ウソ、書くのかしら?」
「「……………」」
「ルミの」
「トワの」
「「観察日記じゃダメ?」」
「良いわけないでしょう」
「「むぎゃーー」」
私とルミがキンキンの床に頭を擦りつけるのに三秒と掛かることはなかった。
◇
音を吸収する重厚な壁。
埃が積もっている床。
全てがあの当時のままの一室は、ずっとそこにあって。
夏にルミたちがこの館を利用したと聞いて思い出し、久々に部屋の封を解いたわけだが……。
「懐かしいね。10年ぶりってところ? やっぱり良い部屋だよ、ここ」
「……はぁ」
「今からでも私の別宅にならない?」
「ふざけろ」
私にとっては特大の黒歴史だ。
今思い出しても顔から火が出る。
「有休消化しないといけないんだろう? 泊まろうよ」
「良いのか? ゲームできんぞ」
「む? それは困るね」
……世界一の奇術師がゲーム廃人か。
最も、廃人の方向性が致命的にコイツらしいが。
「聞いたぞ、何だ紅茶ポーションって」
「美味しいのさ。爽やかフレーバーティーだよ? こっちもアップデート情報、見たよ。凄いね、色々とビッグイベントだ」
「ふふん。環境がまた大きく塗り替わるのは確かだな」
そして、もう一つ。
環境が塗り替わると言えば、私達の国士無双。
「ビッグイベント、と言えば。驚け、ルミ」
「んう?」
「アメリカから連絡が来てな。―――サクヤが帰ってくるぞ。ゲームしに」
「おぉ、ゲームやりに」
いつまでいるつもりかと思ったら、戻ってくる第一声が「そのゲームやってみたい」だからな。
もっと早く勧誘するべきだった。
長かった……が。
ようやく、三人揃うんだ。
……。
ようやく、二人の旅が終わったんだ。
「―――なあ、ルミ。見つかって、良かったな」
「え?」
「知りたかった、コト」
「……あぁ」
「だから、隠居したんだし、ね。あとは静かに余生を過ごすのみさ」
「……………」
無論、私だってルーキスのファンだ。
時々、本当にそれで良かったのかと思う時もある。
だって、私の親友は歴史上で最も偉大で、最高で、世界一格好良いマジシャンだから。
けど。
「ま、お前が決めた事にとやかく言うつもりはない。精々楽しんでくれよ、私の創った箱庭で」
「わーーい」
「ところでやっぱりここで一泊―――」
「却下だ」
けど、私はどんなことでも受け入れるつもりだ。
だって―――私は、コイツの。
このどうしようもなく自由で、どうしようもなく眩しい女の幼馴染で、一番の大親友なんだから……、な。




