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ルーキスinオルトゥス ~奇術師の隠居生活~  作者: ブロンズ
第八章:フォール編

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第14幕:大会の本音




 会場内のPL達が、一斉に。

 皆が戸惑いと興奮に震えていた。

 仮にそれが戦いに対するものだったのなら、およそその当事者……舞台上に立つ者達は感無量だったのだろうけど。


 その実、戦いは既に終了済み。

 準決勝の対戦カードである妖精公子VS騎士王は前者が戦うことなく敗北宣言、続く試合も戦いは剣聖の独壇場というべきもので。

 


「……ん?」



 本当にタイミングが悪かったんだ。

 勇気を出し、遂に観客アピールをしようとしたハクロちゃんを含め、彼等は皆その情報へと注意を切り替えてしまった。

 無論、私も。



――――――――――――――――――――

【Original Quest】 創世の妖塊



 (所要:不定)

 緊急クエストが【鉱山都市】にて発生中です。


 大迷宮深層にて【不定神アスラ・シャムバラ】の封印が決壊。

 終末イベントへ繋がる恐れがあります。


 PL、NPC間で協力して週末イベントの到来を防ぎましょう。

 貢献度によって【大迷宮】のランキングポイントを取得できます。


【勝利条件】

 不定神****・*****の再封印(main)

 黒幕の討伐(sub)

 

【敗北条件】

 鉱山都市の壊滅

 鉱山都市領主の死亡

――――――――――――――――――――




 ―――終末イベントに繋がる恐れ。


 私はこれを知っている。

 この状況に近い……非常に酷似したクエスト文面を以前経験した事がある。

 あれは忘れもしない、海岸都市での素敵なコンテスト―――の後の緊急クエストで……。


 ただし、あの時とは違う。

 当時のソレはあくまで封印の「弱体化」であって、今回は。



「封印が決壊……。それって―――“ 光華耿々・初灯り”」

「「……!!」」

「ルミエール? 其方、突然何を……む」

「殿下! アリステラ様も! 一体、これは……!?」



 PLだけじゃなかった。

 私がソレを言うか言わないかという時点で、ステラちゃんは呆然自失と固まり、リアさまは身体を掻き抱くようにして震えていた。


 この世界では恐怖も恐慌もバッドステータス。

 それを和らげてあげられるのが私の数少ない取り柄であり、唯一の働き口。

 


「チョコ食べて、二人共。元気出るよ」

「……ぁ………ぁ、ぅ」

「有り難う……ございます、ルミエールさま」



「―――御子らだけではないな。異訪者らも。一体何が起きている、爺や。知っていることがあるなら今すぐ申せ」

「わらわも是非伺いたいの、フォディーナ候ビスマルク。そこな聖女を始め、会場中の異訪者らが何らかの異変を感じ取っている様子ではないか。アルバウス。説明せよ」

「いえ。儂は……」

「……………」



 当然かもだけど、御子さまたち以外は気付いてないのかな。

 12聖の皆さんも違和感はあっても気付きではないみたいだし。 


 鉄血候様喋らないし。



「―――鉄血候様? 件の、お話。既に大神が復活してしまったみたいなのですけれど。策がおありなんですよね?」

「「……なッッ!?」」



 ちょっと他人事に過ぎる感じだったかな。

 でも、大多数のPLからすれば実際他人事というか、あんまり実感がわかないと思うんだよね、終末とか滅亡とかいきなり言われても。



「意味が分からぬぞ、ルミエール! そなた知っていることがあるなら……えぇい! 御子らの様子はどういう事じゃ、大神の復活とは……」



「その御話」

「私達が説明いたしましょうッ!!」



 行動力の塊みたいなプシュケ様の事。

 自分が蚊帳の外であるという事実が気に入らなかったのか、語気も強く私に詰め寄って来た彼女だけど……距離が完全に詰まるより早く貴賓席の入口に現れた二つの影。


 まさしく、今大会の発起人。

 これまた行動力マシマシギラギラスペシャルなギルドO&Tを牽引する二人の編集長の姿がそこにはあり。


 ―――いつの間に実況席から……。

 混乱に乗じて、どさくさにまぎれ……シンプルかつ効果的で、いつの時代も親しまれてるこれら手段だけど、これ程早く行動できるのは、最早。



「やあやあ。予定調和の領域だね、ヨハネスさん、ホッピーさん。始めからこうなる事が分かってたとでも言うのかい?」

「ふふ……。良い質問ですね、ルミエールさま」

「名前を憶えていただけて光栄です、聖女さま」



「……えぇ、えぇ。説明させて頂きますとも。まずは順をおって―――」

「先んじてお答えするなら、確かに予定調和とも称する事が出来ますね。我々が大会を主催したこと自体、このクエストに向けた準備だったのですから」

「そうだったんだ……」

「―――ってなにぉぉ!?」



 同じ立場と言っても性格は違う。

 悪く言えば回りくどいヨハネスさんと異なり、ホッピーさんは早い話が好きみたいだ。 



「ギルドと、クラウス閣下の間で行われた、計画とでも言うべきでしょう。実行は我々ですが、主導はほぼクラウス閣下が」

「―――成程。帝国の古狸が出てきたという事ですか」

「老いたとて健在であると。……フン、只の助平爺ではないか、やはり」



 私も聞いたことがある。

 彼、鉄血候様は帝国の金庫番であり、皇帝が最も信を置く相談役の立ち位置。

 豪快な性格に似合わない策士だって。


 けど、当の侯爵様はやっぱりだんまり。



「―――ステラさま」

「え?」

「こういうのはね、相場が決まってるんだ。―――ごにょごにょ」



 頑固おじいさんは孫に弱い。

 女好きの助平おじいさんでも将来有望な幼子には弱い。

 元々親しい関係の彼女からの頼みなら、黒も白だろうさ。


 ビッグな板チョコを食んでいた彼女は今に指を組んでお願いのポーズを取り、目を潤ませる。

 


「おじ様」

「……………」

「―――おじ様……」

「分かった、分かったッ。説明しよう。そのような目で我を見るな、血圧が上がるわッ!」

「「……………」」

「最低じゃな、この助平爺」



 ステラちゃんもその辺は分かってるみたいで。

 縋るようなつぶらな瞳……これは将来有望だ。


 

「だが、まずは……主催。異訪者らを鎮めよ。話はそれからだ」

「―――おっと。これはしたり」

「主要ギルドに先立たれても困りますね、確かに。ではヨハネス、いつもの口八丁でお願いします」

「……ふむ」



 ご指名を受け、礼服のネクタイを整えた彼は堂々と歩み。



「―――混乱している方、状況の理解できていない方……何より、一報により今この瞬間にも闘技場を跡にしているそこのあなたッ!! えーぇ、貴方ですッ!!」



 貴賓席の手すりから身を乗り出……手すりに飛び乗りバランスを取りつつ。

 軽業師ヨハネスさんは言葉を続ける。



「おかしいとは思いませんか、作為的だとは思いませんか。懐疑的になってはいませんか!! 大会中にこのようなクエストの発生、強き者たちは此処に居る……そして何より、鉄血候は此処に居る!! そう、皆様が穴が空くほどにごーらんになっている、クエストの、護衛対象その人が、です!」



「まずは大会運営部よりお話を! それからでも遅くはありませんよ、ね!? だからいかないで?」



「あれ命乞いでは?」

「命乞いだね」



「まず、皆様には告げねばならないでしょう。この大会の、本当の目的を!! そして伝えねばならぬでしょう。我らが今どうすべきかを」



「我々が目指すのはまさしく、えぇ。皆様がお便り受けた通り! かつて滅されし地底五大神が一柱―――不定神アスラ・シャムバラ!! 大いなる神を再び討滅するのに、ギルド一つ二つでは困るでしょう? だから皆様が此処に居るんですよ!」



 おどけながら、ふざけながら……でも、誰にでも分かりやすいように説明できている。

 難しい言葉なんか使わず、彼が言った通りの事がまさしくこの大会の真なる目的だったのだろう。


 ―――凄く良い作戦だと思う。

 そういう体なら、普段なら絶対に集まらないような名のあるPLさん達を一気に集められるし。

 してやったりって感じだね。



「え? 死ぬのが怖い? 今から入れる保険? えぇ、えぇ! ありますとも、心配には及びませんとも皆様ッ! この場に集いし最強の精鋭に加え、こと今回に関しては彼等がいる! 人界が誇る世界の守護者12聖天!」



「そして何より、夜明けを齎す者、シャヘルッ!! 無色の聖女さまがいらっしゃるのですから!!」



 夜明けを齎す者……シャヘル。

 何度か聞いたような言葉だけど……へぇ、そんな大層な肩書を持った人が。


 無色の聖女。

 何処かで聞いた名前だけど……誰だっけ、それ。



 ……およ?



「さぁ。ルミエール殿。皆様へお言葉を頂戴したく」



 にっこにこだよ、ヨハネスさん。

 普通なら止めそうな感じだと思ったのに、満面の笑みで期待してるよ、ホッピーさん。

 どうしてステラちゃんとリアさまは私の背中を押すの? どうしてオルド枢機卿は私の事を無職って呼ぶの?


 皆さんは一体私の何なんだろうね。

 これは、アレだね。

 


 ―――してやられたりって感じだね。




   ◇




「うま、うま」

「ポップコーンうめぇ」

「ドロドロバター最高です」

「バターマシマシ油マシマシのこの感じは現実だとまず味わえないからねーー。ね、クオンちゃん!」

「う、うん……ちょっとかけすぎ、かな?」



 どれだけ食べるつもりだ。

 脳科学の進歩によって発展したフルダイブ技術と、それに付随する技術。

 特に、食事……味覚という点では生まれながらのアレルギーなど、本来食べられないものを味だけでもという善意から始まったであろう技術も、今や飽食の時代。


 これ等機能は今現在も使用者の味覚を効率的に刺激しまくっている訳で。

 もしこの感覚に慣れてしまえば、現実の食事への関心が低下するというのはよく言われている話。


 ルミねぇも普段から言っている筈だが……育ちざかりは止められない。

 ゲーム内でいくら食べても栄養にはならんが、寝る子は育つって事で。



「よ。程々にな、ジャンクは」

「お。こっちと向こうでやるべき事真逆の奴が来たぞ」

「現実で無双するタイプの脇役さんじゃん」

「真っ平御免だ主人公様がさん!?」

「―――おい、どうして会話の内容知ってる」

「ルミさんがフレンドメールで解説してくれたんだよ、優斗の戦闘中に」



 ……。

 本当にあの人は。



「てか遅かったな。油売ってたん?」

「向かってる最中で例の告知が来たからな。あと、会場から出ようともつれ合ってる奴らにディフェンスされた」


 

 まだ出て行かないでという司会者の声は俺にも届いていたが、やはり我先にと考え……否、考えもせず行動するああいう輩は一定数存在するわけで。



「余程自分の実力に自信があるんだろうな、あの手合いは」

「皮肉ぅ!」

「実際、最上位のギルド連中は全く動いてないからなァ、あそことか」

「……動かざること山の如し……ってロランドさんの為にある言葉だと思うんだ」


 

 今回の大会でトップランカーたちが刻んだのは、まさにそれ。

 決勝進出を決めた騎士王は当然、ハクロに敗れたロランドも、早々に降参を宣言したティリネルや青騎士、出場を棄権したチズル……敗者であっても、彼等はその実力をまざまざと見せつけた。


 凡百のPLが彼等に抱いたのは、「自分達でも勝てるかも」では断じてなくなく。

 今の戦力差では絶対に勝てないと思わせただけ。



「心理学的な側面もあるかもな。出てった連中は、その差に目を向けたくなかった。詐欺と同じで、埋める要素が少しでもあるなら嘘であっても縋りたい、そんな感じ」

「難しい言葉使わないで貰えます?」

「てかPL相手に勝てないのに神様に勝てる訳……」



『混乱している方、状況の理解できていない方……何より、一報により今この瞬間にも闘技場を後にしているそこのあなたッ!! えーぇ、貴方ですッ!!』



「……始まったな」

「始まったね」



 いずれ来るだろうとは思っていたが。

 やはり、クエストが大会の最中……決勝直前なのは流石に偶然だろうが、今この瞬間に発生したのはやはり作為的な物があるらしく。


 語る、語る。

 得意の口八丁でPL達の注意を引き、その場にとどまらせようとするヨハネスさん。

 軽い口調でも話の要点は外さず簡潔に述べることで、確実に彼は台風の目となり。

 



『え? 死ぬのが怖い? 今から入れる保険? えぇ、えぇ! ありますとも、心配には及びませんとも皆様ッ! この場に集いし最強の精鋭に加え、こと今回に関しては彼等がいる! 人界が誇る世界の守護者12聖天!』




「実際凄いよな。本当なら」

「実際勝てそうだよね」

「一人一人がレイドボスみたいなものだし……」



 紅蓮の戦鎚、白刃の剣聖、銀閃の刀姫、金壁の天盾……。

 現役12聖の三分の一が今この場にいるのは事実。

 もし仮に彼等全員がクエストに協力してくれるなら、確かに相手が神様だって勝てそうな気もしてくるが。



『そして何より、夜明けを齎す者、シャヘルッ!! 無色の聖女さまがいらっしゃるのですから!!』

「「……………」」



 勝てる気も。

 多分勝てる……いや、言う程勝てるか?



「聖女……、無職? これもう世界ぐるみの虐めなん?」

「色の方のだろ、多分。色を持たず、武器の名を冠してもいない……無色の聖女……言い得て妙だな。武の体現者みたいな12聖とは対極にあるような感じだ」

「あ、そういう事ですか」

「それ、確かに戦闘力皆無なルミエールさんにはピッタリかも―――え、誰?」



『ごきげんよう、皆様。私は、ルミエール。只のルミエールです』



 ……既に役に入ってるな。

 いつもの鉄仮面とは違い、まさしく聖女といった様子の穏やかな微笑を浮かべた女性が。

 容姿だけは俺たちが普段から知ってるPLだが、中身はまるで別人が入っているかのように、物腰も柔らかに。


 

『ヨハネスさまのお言葉通り、この日の為、我々は準備をしてきました。海岸都市を巡った鋼鉄の神の復活阻止、皇国での御子と死刻の神を巡る攻防。……不定なる神は、我々の力及ばず再び戻ってきてしまいましたが』



『重ねて、ご安心を』



『O&Tの人脈を用いた鉄血候閣下のご助力も、12聖天の招集も。帝国有する星の御子ステラさま、皇国有する陽の御子リア殿下へ助力の締結も。全て、全てはこの日この時の為。遮られた光明を取り戻さんがため。全ては綿密に練られた計画なのです』



 もし他人だったなら、アレがPLだという事すら意識しなかっただろう。

 自然な所作、スラスラと出てくるそれっぽい言葉……どう見てもNPCのソレ。



「ルミエールさん、裏でそんなに頑張ってたんだ……!!」



 実際、多くの者は既に騙されていそうだ。

 お人よしほど馬鹿を見る。



「騙されないでください、クオンさん」

「嘘だよ」

「絶対嘘だな」

「だよな。何も分かってない顔じゃないか? アレ」

「分かってない顔だね」



 あまり関わりのない者には分からないだろうが、俺たちは分かる。

 アレ、いきなり指名されて何も分かってないけど、取り敢えず口から出まかせ言ってる時の顔だぞ。

 この時点で彼女は企画内容を知りませんって顔だぞ。


 何であんなに自信満々なのか、本当に意味が分からないくらいで……しかし、例え一瞬で命がなくなる場面、酷く苦痛の伴う局面、冷静ではいられない状況―――そんな中ですら決して動じないからこそ、彼女は世界に名を轟かせたわけで。



「……え。でも、あれ……」

「驚くほど口から出まかせだよ、多分」

「嘘で固めた身体。やわらかなお肉の半分は冗談と誇張で出来てて、かつライブ感で生きてるんです、ルミ姉さんは。生まれながらの嘘つきです。嘘をつくために生まれてきたんです」

「えぇ……」

「僕達もようやくこの領域に来たんだね……!」

「おう。私は口先から生まれたって自分で言ってたからな、あの人」



 アドリブの申し子だから問題ないのだろう。

 矛盾が出てもボロが出ても口八丁でどうにかするのがあの人の話術。




『熱き焔で鉄を討ち、輝く威光で不定を融かせ……御伽歌の一節ですが。神をも融かし、封ずる最後の要石。それは、皆様です。あなた方異訪者は世界を救える、神を討ち倒すのです! 共に参りましょう、皆様。我らと共に地の底へ!』



『我らの想いは神へ届くでしょう。歌は地の底に届くでしょう。不定の神へ、安らかなる眠りを。かつての、優しい、優しい、ねむりの歌を。全ては世界を救わんがため……』




「……あれ出まかせ?」

「「うん」」



 速やかに、早急に。

 彼女はクライアントである主催者側の心理を容易く読み取り、それに沿って発言を組み立てている。

 噛まず、迷わず、逸脱せず。

 おおよそ綿密な台本とリハーサルを経て立つような舞台を、単なる即興で完遂してしまう。


 モノを掴むかのような呆気なさで……実際、今の彼女は掴んだ。

 今のルミねぇは一つの偶像。

 その時その時に求められる役割のまま、劇中の聖女という人々が思い描く人格をいとも容易く出力し、掴んでしまった―――彼等の意識を。



「結局大会の目的、ってさ? この場にいるトッププレイヤーによる、かつてない規模のレイドパーティーの実現……って事だよね?」

「ん。クエストを達成する最も手っ取り早い方法だ。まぁ、当然そうなるよな」



 これでも大迷宮攻略に関してはそこそこ覚えがあるし、勝ち馬ならば乗らない手もなく。

 俺らも後ろからコソコソついて行かせてもらうとして……。



『つきましては、諸々の案内は迷宮攻略ランキング上位層の方々にお願い致しましょう。えぇ、そう致しましょう。本大会で活躍していた……。先の戦いの参加者の方も、そうだった筈なので』

「「……………」」



 ―――してやられたり。

 してやられたりの輪が何処までも広がっていく。



「あの人はッ……!」

「有無を言わさず巻き込みに来てるじゃん……」

「こーれは後ろでコソコソさせてもらえない雰囲気」

「矢避け弾避け特攻隊ルートだな」

 


 流石過ぎて開いた口が塞がらない。

 聖女ロールで油断してたが、訳が分からない中でも自分の愉悦と趣味を最大限楽しむ……そういう人だったわ、そう言えば。

 

 

「まぁ一つ言いたい事として―――……アレは断じて聖女なんかじゃない」 

「同意だけど、どうする? とりま逃げとく?」

「ソレも良いけどな……神様がどんな顔をしているのか、見たくないか?」

「「見たい」」



 ―――……行くか、神様狩り。

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