第15幕:髑髏な騒乱
東より、続々と空に現れる黒影。
その総数は、百に届くかといった所で。
最早嫌でも目に付く彼等を見上げる人界PLらは、何かトラウマでも刺激されたか。
次々に矢を射かけ、銃弾を撃ち出し、魔術を放つけど。
高度は、魔術が届くか届かないかのラインらしく。
……いや、降りて来てる?
魔族側のPLも……彼等も、一枚岩でもないのか。
挑発染みた攻撃が運悪く身体を掠め、悪態をつきながら降りて来て戦いを始める者、未だ旋回をしつつ様子を見るような挙動を取る者、様々で。
そうだよね。
未だ正体不明な彼等と言えども、やはりPL……根っこは私達と同じ。
個人個人の自由意思とゲームを楽しむという目的がある訳で。
「おぉ。捻り潰してやらぁ……、この***がぁ……」
「―――ルミ姉さん?」
私じゃないよ?
今降りてきた人がそう言ってたんだよ?
「マジで、いきなり何言い出すのかと思いました。無表情毒舌系お姉さん、アリだと思います。わぁ、新たな扉が」
「開けなくて良いからね」
と。前が閊えた事で、後ろの馬車に乗っていたワタル君達も降りてきたみたいだ。
「この距離じゃ聞こえんが、ルミねぇは別だな。……どうするか。ある意味、チャンスでもある。今回に至っては、敵方も魔物の物量でゴリ押しは出来んだろうし、前回の雪辱を晴らす機会になり得るぞ?」
「確かに、レベル的にも大差ない筈だよね。今なら……」
「竜も戦ってみたかったしな」
「―――でも、何でこのタイミング? もしかして、私たちの所為なのコレ?」
各々、想定外の来訪者に驚きつつも。
私達―――ステラちゃんが教皇庁の前まで来たから、それがトリガーに? ……と。
ナナミが、誰に聞くでもなく恐る恐る述べるけど。
いや。多分、これは。
「うーーん。僕たちの方も、主軸に沿って行動させられてるんじゃないかな」
「おうよ。やっぱ、連動してんだろうなーー」
「あの。連動、とは?」
「俺たちだって、呼ばれた口って事よ」
説明しながら、自らのステータス欄を展開して何かを確認していたらしいレイド君。
彼は、答えを示すようにそれを口ずさむ。
「59分56秒、57秒、58秒……告知はなかったが……。ほれ、クロニクル開始から、これで丁度半分」
「「開始時刻!」」
そう―――たった今だ。
たった今。
丁度、時刻はクロニクルの開始と終了の境界線。
私達がステラちゃん達に導かれたのも。
魔族領域からの来訪者が此処に存在するのも。
全て、巨大な力に付随するオマケに過ぎないという事で。
『―――確認。現時点でのイベント参加プレイヤー死亡者総計―――12713人』
「「!」」
今に、それが始まった。
今回のクエストでは。
かつてのクロニクルなどや一般クエストなどには存在しなかった、プレイヤーの「総死亡回数」という表示が存在していて。
その表示の意味、存在理由など。
私たちの疑問でもあったけど。
『プレイヤーの死亡数に応じた遺骸の大軍勢が出現します』
今に理解した。
これこそが、メーンイベントの一つであるのだと。
地形破壊不可のお陰で、丁寧に舗装されていた筈の道路が歪む。
歪みが、卵の様な球体のモヤとなり。
あちこちでモヤが膨らみ、弾ける。
現れたのは、白く、細く。
瞳に光どころか、瞳すら、肉すら存在しない―――全身骨格。
理科室でお馴染み、骨格標本君達……スケルトンだ。
「スケリタル……スケルトン?」
「骸骨……?」
「野生は初めて見たな。むしろレアじゃねえか?」
ゴブリン、オーク、スケルトン、オーガ、スライム……。
オルトゥスの世界感は、現代版西洋ファンタジーが主なのに。
小説などで語られるような、メジャーもメジャーな敵たちが未だ殆ど出てこない事で知られていたけど。
ここで?
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【World Quest】 未曾有皇演(phaseⅡ)
【概要】
現在、皇都内部に不死者の軍勢が出現しています。
複数の勢力で協力して軍勢を掃討し、期間内に多くの戦果ポイントを獲得しましょう。
クエストの達成に応じて【ギルドポイント】及び【戦果ポイント】を獲得可能。
【戦果ポイント】引き換え対象賞品は、クエス
ト終了後に公開されます。
【仕様】
本クエストでは、皇都全域を戦闘可能域に指定。
全域を破壊不可構造物に指定。
【備考】
・開催:9/23日~9/30終日
・再参加可能/デスペナルティは特殊戦闘の規約に準拠
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「まーーた戦争かよ!!」
「何で宗教都市で骸骨軍団なんだよ! 聖地のオーラ的なサムシングで即浄化しろよ!」
「せめてなんか着ろ! 着飾れ! 宝石とか、宝石とか!」
「剥ぎ取るモンなんもねえじゃん、肉すらねーーじゃん!」
周囲から聞こえる声。
どうやら、まわりの人たち―――おおよそ盗賊だけど―――周りの人たちも、同じような事を考えていたらしい。
僅か数十秒の間に、色々な事が起こり過ぎだね。
「再参加可能って、そういう……バカやん」
「何なの、これ。どうすればいいの?」
「簡単だろ。予定通りか、骸骨か、魔族か……」
そうとも。
私達PLが取れる選択は、いつだって自由。
予定通り教皇庁へ侵入出来るかを試すか、第一次の雪辱を望むか、切り分けて第二次を重視するか。
最悪、手ぶらで帰っても良い。
全て、自由。
それが、このゲームだ。
「ほら、ほら。考えてみ? クエスト文では上の人たちの事大して触れてないみたいだしぃ? 今回に至ってはあんまり考量する必要ないって事だろ? 後、「複数の勢力で協力」って、案外あっちと手組んでも良いって事じゃね?」
チャラオ君。
やっぱり、軽いようで頭回るよね。
「―――そういう考えですか」
「流石に、無いんじゃ」
「アリアリ。第一次の時と、第二次のクエスト発令画面の、決定的な違い。気付かない?」
……あ、そうだ。
第一次の時って、確か「本クエストは【人界領域】【秘匿領域】開始のプレイヤー専用」って。
じゃあ―――と。
魔族領域からの来訪者へ視線をやれば。
彼等も、何かに戸惑っている様子で。
「―――アッチも同じ画面が出てるっぽいか?」
「……かも」
「まぁ、選択的には自由だが、死にたくねえなら時間はねェ。―――来るぞ」
「「!」」
そうだった。
現在進行で、周囲には溢れかえる程のカルシウムが……。
今に、骸骨が。
地面から溢れ出る不死者が、地を埋め尽くす濁流のように襲い来る。
けど、そこは流石に歴戦の戦士たち。
この皇都に集まった異訪者は、その大半が精鋭揃いゆえ。
「死角を作るな、ファランクスだ!」
「確実に減らしてけェ!!」
家屋を破壊できないのをこれ幸いと逆手に取り、壁を蹴ったり飛び上がったりと跳ねまわり、次々に殲滅していく。
骨っこが単体ではあまり強くないらしいのもそうだけど。
やはり、TPは違う―――んう?
「―――あれは……?」
圧倒的戦力差をものともせず敵を殲滅していく者たちの中でも、特に目立つ一団は。
ぼろきれの様な灰色の布を纏った数十の影。
彼等―――否。それらは、どう見ても人間の挙動ではあり得ぬ動きを取りながら、恐ろしい正確さで敵を蹂躙する。
動きの中で、布が捲れ。
腕や足から、白い骨が覗く。
―――何と、骸骨だ。
軍勢たる、無手無装備の骨っこたちとは異なり。
武器を持った灰布の骨っこたちは、壁を蹴り、見事な太刀筋で同じ骨っこを破砕していき……。
同士討ち?
「ねぇ。あの骨っこたち、凄く良い動きしてるけど……。敵なのかな、味方なのかな」
「……おーーっと」
私の疑問に。
同じ方向へ視線を向けたユウトが、目を細めながら呟く。
「GR3位、【亡者の千年王国】だな。死霊系ばっか使っている連中だ」
「入団条件が死霊種のあそこね」
「多分、召喚スキルで生み出したアンデットを使役しているんだと思います。使い魔の動きが良いのも、レベルと学習練度から考えれば自然かと」
「召喚スキルだって?」
サーバー第三位。
所謂最強ギルドの一角と聞いて、ちょっと身構えたけど。
急に親近感が沸くじゃないか。
「……興味あるね。わたし、ちょっとお話聞いてくるから―――」
「捕獲」
「「アイアイサー」」
「ちょっとだけ。ちょっとお話して来るだけだから」
数歩踏み出す間もなく、手取り足取りで捕獲されてしまう。
だって、召喚仲間なんだよ?
ペット連れの井戸端会議みたいなものなんだよ?
「ダメ?」
「「ダメ」」
そんなーー。
……でも、確かに今はその時じゃないのかも。
井戸端会議だって、高速道路のド真ん中ではやりようもない。
色々と驚きが重なって、ちょっと冷静さを欠いていたかも。
「そうだったね。ステラちゃんもニャニャさんも待たせてるんだった。先を急ごうか?」
「……急に冷静になるじゃん」
「誰が進行妨げてたと……ウチの無職がスマンな、盗賊さんたち」
「いえ、いえ」
「それでこそルミちゃんよ。さ、ダンちょも―――大将?」
「……ふへっ」
まるで、それが当然のように。
今度は、レイド君が吸い寄せられるようにフラフラと、舌なめずりと歩いて行く。
勿論、あのスゴクツヨイほねっこたちの所へ。
―――わんわん?
「はーい、狂犬捕獲。ダンちょはすーぐこれだもんなぁ」
「油断も隙もないですなぁ……」
今度は、彼の両翼が素早く動き。
羽交い絞めにして、私たちの元へと引っ張り戻してくる。
流石に良い連携だ。
その対象が自分たちの頭目なのはどうかと思うけど。
「いやはや……。スミマセンな、某たちの親分が」
「こちらこそ、うちの無職が……なぁ、マジで話もクエストも進まないから、いい加減に―――というか、何処行く気だった? 怒らないから言ってみろ、戦闘狂」
「三位……、三位ッ!」
「話にならん。コイツ、ルミねぇと一緒に縛って馬車ぶち込んどけ」
「どっちも普通に逃げていきそう」
相変わらず、生粋のTPキラーだね。
何かを訴えるように「サンイ」と連呼する彼を、呆れるように監視する両翼。
彼等、案外苦労してるんだ。
「じゃあ、予定通り。全員で先に進むって事で―――」
「あ、ゴメンなさいついでにもう一ついい?」
「同じ要件だと思うのですが、某からも」
再び、申し訳なさそうに。
チャラオ君とタカモリ君が、大きく手をあげ。
「んじゃ、タカちゃんから」
「えぇ。某とチャラオは問題ないのですが―――……あれ」
その手を、そのまま横へ向ける彼等。
その先には……。
「「三位! 三位ッ!!」」
……………。
……………。
ダメそう。
よく考えたら、PK大好きなのはレイド君だけじゃなくて、彼ら全員なわけで。
この場にいる数人の盗賊団員さん達も、狂犬状態に。
余程、ジャイアントキリングをお望みのようだ。
「うーーん、ダメそう。……やっぱ、俺たちゃこっちで楽しませてもらうか? 後から来る奴ら……徒歩組、教皇庁の中だとどうせ合流できねえし。ダンちょ、それで良い?」
「サンイ、サン……あ? あーー。ま、良いんじゃね?」
「長はどうされます?」
「俺は、当然―――……まぁ、ちょっくら中の見てくるわ。……タカモリ、お前はこっち」
「承知」
そのままの勢いで三位を狩りに行くのかと思ったけど、案外冷静な彼。
どうやら、教皇庁入場をお望みのようだ。
じゃあ、盗賊さん達の方針は決まったね。
「私は……まあ、クエスト受けてるし。ユウトたちも、当然こっちだろう?」
「もちもち」
「当然です」
「よし来た。じゃあ、ハクロちゃんは―――」
「ルミと一緒が良い」
彼女も彼女で、戦闘狂の気があるから。
案外、暗黒騎士と戦いたいとか、骨骨の軍勢相手に無双したいとか言うかとも思ったけど。
それならそれで、無問題。
むしろ心強い。
リドルさん達が居るのは勿論だし。
「ハクロちゃんに、レイド君まで来てくれるなんて。案外行けそうじゃない?」
「……ガルルル」
「弓が鳴りますね」
「俺。ちょっと、本気出しちゃおうかな~~」
意図せず、ナナミたちの対抗心に火もつけられたし。
これは完璧な布陣だ。
さあ、行こうか。
「ニャニャさん。私達、此処からどうすればいいか分からないんだ。先導お願いできる?」
「はーーい」
馬車の扉を開き、中へ声を掛け。
途中下車のチャラオ君らを除き、再び搭乗した私達。
どういう訳か、先から、何故か骨っこたちは私達の方へ来る気配がなかったけど。
恐らく、その原因は……。
改めて向き直るは。
邸宅の鉄柵すら、及びもつかないような巨大な正門。
守衛の人たちの数も、通常の領主館などとは比にならない、石造りの構造物―――皇国教皇庁。
直立不動の守衛さん達は。
馬車に乗った私達が近付くと、手に持った長槍の柄を床とでカツンカツンと鳴らす。
「―――止まられい。固有名と役職を」
「教皇庁シャレム所属。第五位司祭ニャニャ・セイファート」
車窓から顔を出す私たちの前で。
ニャニャさんと彼等との間で、やり取りが始まった。
「これさ? 強行突破とか、出来ないのかな」
「多分無理」
「あの門番共、皇国の最高戦力、【神使】だ。他には、黒鉄機兵とかいうのも居るらしいが。下弦騎士より強いうえ、倒したら倒したで奥からもわらわら出てくる。ちな、経験談な」
「某たち、一度ボコボコに叩き出されてますゆえ」
「「……………」」
「エリア自体は、強行突破でも解放されたんだけどなぁーー、そっからがなぁーー」
オルトゥスは、各国の軍隊が凄く強い世界感らしいからね。
レイド君達でも無理となると。
無理やり押し通るのは、至難だろう。
「お客様もご一緒なのですよーー?」
さりげないカミングアウトの中でも、あちらの話は続くけど。
どうやら、雲行きは怪しく。
また、カツンと柄が鳴る。
「―――客人? 否、此処を何処と心得るか」
「恐れ多くも、四光神様の祝福が宿りし聖域、教皇庁。只でさえ、既に神使ならざる者達に穢されておるのだ。これ以上、得体の知れぬ存在の影と穢す事は許されぬ。我らの槍が伸びぬうちに、異訪者たちを連れ、早々に立ち去る―――」
「お待ちなさい」
しかし、そんな中。
満を持して、その声が響く。
カツカツと……確かな、しかし不快でない足音と共に、開け放たれた馬車のステップから彼女が降りていく。
「「………!」」
「―――これは、よもや……!」
成程、確かにこれは正規の侵入方法なのだろう。
天上の神々である四光神を信仰しているのが、皇国のブライト教で。
彼等は、その使徒。
ならば、彼等がステラちゃんに傅かない道理はない。
だって、彼女は……。
「私は、左を歩む者。星神アリステラが御子―――ステラ・クライト・ララシアです」
「「……ッ!!」」
「代行者として。皇国に、夜明けを齎すために参りました。その門を開きなさい」
今の彼女は、美麗な中にも幼さの残る貴族令嬢ではない。
神の意を伝える御子。
古来の原始的な宗教儀礼に始まり。
世界各地に存在した彼等、彼女等。
人々に畏怖と崇拝を以って崇め奉られてきた、真に神の意思を伝える巫女だ。
「……粋な演出だねェ」
「その言葉がもう無粋だぞ、盗賊野郎」
「時代劇、最近見てないね「目に入らぬか」、「ははぁーー」って」
「ルミねぇ……」
「流石に古すぎじゃないっすか?」
小声に雑談を交えて目を見張る中。
ずっと閉ざされていたであろう、重厚な巨門の両扉が開かれる。
車窓から覗く、三色。
水路の青。
彫像の白。
煉瓦の赤
馬車に乗るまま、広大な庭園を抜ければ。
「さぁ、此処からは徒歩です!」
「てくてくしましょう~~」
バッキンガム宮殿もかくや。
まるで大広間化と錯覚するような回廊が、何処までも続き。
全長は五十メートルを優に超え、部屋だけで何百とありそうだ。
途轍もないデータ量。
……これが、教皇庁なのかと。
普段なら値打ち物がどうとか、あの壺は幾らかとか。
そういう言葉の一つも飛ばす仲間たちすら、呆けたように前へと足を動かし続ける。
そして。
ニャニャさん案内の元、絢爛豪華な広間に到着した瞬間だった。
「―――――やぁ。本当に来る人達が居たんだね。異訪者さんたちの言った通りでビックリ……!」
動きやすそうな半袖に長ズボンの恰好は、ボーイスカウトを彷彿とさせ。
ハクロちゃんよりやや高いくらいの背丈。
紫の髪色を持つ彼は……子供?
可愛らしい顔立ちの、小学生程の少年が、私達を出迎えるように現れる。
しかし。
その子供を確認した瞬間、ユウトとナナミ、レイド君が一斉に前へ飛び出る。
私やステラちゃんを護るように塞がる。
……三人の共通点は。
皆、二次職が【鑑定家】であるという事。
「―――何か見えた? よくない物」
「「見えた」」
「というか、見えない。……能力値が全然見えない。私、かなりレベル高いのに」
共有しても意味がないって事だね。
つまり、この子は只者じゃないって事かな。
「ちょっと待ってね? プトレマイオス……、トレミー……、シュンタクシス。地を穿て、アトラスの大斧よ」
底の見えない存在と聞き、つい私も身構える中。
男の子は、成長途中である事が伺える中性的な声でソレを謳い上げ。
迷宮の雄牛さんが持っていそうな、巨大な斧が地面から生えてくる。
色々言いたい事はあるけど。
本当に。大きい。
多分、二メートルは優に超えていて……ハクロちゃんと大剣の差といい勝負だ。
こんな特徴的な装備。
象徴ですと言っているようなもので。
しかも。
「今の。天文学者さんの名前……、トレミーの48星座から来てるかな?」
「星座……となると」
「やっぱ……、アレか?」
そうなっちゃうよね。
あの子、すっごくその気みたいだし。
さても、さても……これはちょっと、此処で脱落する覚悟の準備をしておかないと。
「イッチニ、イッチニ……」
「―――ルミねぇ?」
「何のアップしてるんですか?」
「退場」
ほら。教皇庁に入れたのなら、私って用済みじゃないかな。
各自、此処からは自由行動でさ。
私、ちょっとこのすんばらしい建物を観光してくるから、此処は皆に任せて―――あ、来る。
「紫紺の斧槍トール。侵入者排除任務、いっくよぉーー!」




