第7幕:無職究極形態
無職といふモノは、無敵の職業を指す言葉だというのは皆がご存じだろう。
何せ、縛るモノが何もない。
失うものがあんまりない。
その性質により、危険区域へ赴く事が皆無……ゆえに危険に晒される事が殆どない。
名声がない、アイテムがない、プライドがない、お金もない。
まさしく、無敵の人。
持て余した時間を、この世の心理を読み解く事に充て。
生きることは何かという己なりの解答を導き出す事が出来る、素晴らしき職業。
そんな無職を生業……生業? とする私が、―――このたび遂に。
―――――――――――――――
【Name】 ルミエール
【種族】 人間種
【一次職】 無職(Lv.20)
【二次職】 道化師(Lv.13)
【職業履歴】
一次:無職(1st)
二次:道化師(Lv.13)
【基礎能力(経験値0P)】
体力:16 筋力:10 魔力:28(+20)
防御:10 魔防:0(+6) 俊敏:32(+12)
【能力適正】
白兵:E 射撃:E 器用:E
攻魔:E 支魔:E 特魔:E
―――――――――――――――
「あぁ……。とうとう―――……遂に、この時が来てしまったんだね」
無職は、最弱の名声を欲しいままにするほか、成長が非常に速い事でも有名だ。
成長という言葉が何を指すかによるし。
コレを成長と呼べるのかは諸説あるけど。
レベルの上りが早いのは、唯一にして最大の特徴スキルたる【自堕落促進】によるモノ。
レベルアップ時に固定で貰える基礎能力ポイント以外、進歩はまるでなく。
個にして完結した職業。
無職に就いている私は、皆が使うような強力なスキルなんてモノを持ち合わせてはおらず。
本来一次職のレベル上昇で得られるスキルも、結局何も得なかったわけで。
戦闘関連職である筈の一次がこれでは、強くなろう筈もなく。
皆が貸してくれたゲーム漫画の様な裏技……意味の分からないスーパーパワー、管理者すら気付かぬ抜け穴で最強になる事もない。
レベルは20が上限。
当然、9999レベルの無職などにはなりようがなく。
そもそも、この職業には上位職や派生なんてモノがないので、失われた未来だ。
キャラ作成時の謳い文句にあった、「無職は、きっと貴方が満足するまで付き合うでしょう」の言葉は伊達ではなかったね。
……………。
……………。
「―――とまぁ、私を取り巻く現状はそんな感じなんだけど」
「転職だよッッ!!!」
「就職、してください……。いや、本当に」
「それは困る。私の大好きな道化師が消えてしまうじゃないか。私の大切なスキルたちが。これは、私のアイデンティティだよ?」
「積み上げたものを壊すのは覚悟がいる、な。だから早めに転職しろと」
皆が勇んで高さも分からぬ山に登っている間。
私は、山に通ずると思い込んで入った洞穴の中で迷子になっていたわけで。
成程。
確かに、一次職を書き換えれば、私も新たなる高みを目指せる。
けど、それこそ無職の落とし穴。
通常、一次職は【斡旋所】を通して別種の1stからやり直せる気の遠い仕組みがあるけど。
無職を別の職業に上書きした場合。
修得していたスキルやレベルは勿論、二次職までも。
その全てがリセットされてしまうという固有の仕組みもまた存在する。
これは、他の職にはない特徴。
オンリーワン、というやつだ。
知らずに面白半分で就いてしまった人は、後々本当に後悔しただろう。
「ふふ。必要とあらば、このくらいの砂山程度切り崩すさ。決断の時にはまだ早いとして……もぐっ」
「早い、っすかね?」
「何事も、早い方が良いと思うんです」
「……もぐ……、んん~~美味しい」
「―――まるで聞いてないな」
もし無職を辞めたら、次は何をしよう。
山を切り崩した跡地でリンゴ農家とか、どうだろう。
私も店主君の店に果物を卸すんだ。
アリかな。
「ルミ姉さん、私達にもソレください」
「なに、皆にはそのうちおやつが来るよ。我慢できなければ、そこの棚ので良ければ食べて良いけど」
私が指差すは、棚に並んだ果物型トロフィーの数々。
ピート型トロフィー。
ウイユ型、ブードゥ型。
シークレットのビッグロートストロフィー。
新顔の原寸大ピートレプリカ。
見ての通り、どれも食べられはしない。
大体は木製。
食べるのは白アリさんとかで……。
「―――無理。歯ぁ折れそう」
「てか増えてね? 黄金の―――……黄色の?」
「「ピート」」
「そう、私の夢さ。この世界の何処かに存在するっていう、黄金の果実……アレはレプリカのレプリカだけどね。金の染料て未だないみたいだし、黄色で代用さ。無論、中身も偽物」
「結局食えるもんないじゃん!」
「……増えてるのも怪しいよな。なぁ、あれ爆発しないか?」
黄金ピートの贋作である手作り黄金ピートの贋作である黄色のピート。
私が作ったんだよ?
今回のは出来が良いから飾ったんだ。
で、皆に来てもらったは良いけど。
私の話ばかりしていたね。
「さぁ、次はそちらの番だ。皆の調子はどんな感じかな」
「……んまぁ、ぼちぼちっすかね」
私の問いに、置物から視線を戻したショウタ君が答える。
彼、以前は何処か野暮ったいローブを纏っていたけど、艶の無い革製のマントを身に着けた彼はスマートに見えて、中々似合ってるね。
火炎の術師というよりは、怪盗紳士っていで立ちだ。
「皇都を探索した結果、首尾よくクエスト受注できまして。今は進行中なんですけど、ちょっと前までは入れなかったエリアに出入りできるようになったんです。青街っつうんですか?」
「皇都は外側から四区画に分かれてるみたいで。中央に近いNPC専用区画だったんですけど、つい最近行き来できるようになりました」
「……ほう?」
「とはいっても、ウチらの他にも結構そういう人いるみたいだけどねぇ~~。他のPL達、結構いたし」
「何らかの手段で敵方に一枚かんでたり、貴族と行動してる、なんて事も普通にあり得そうだ」
「古代都市の時と同じですね」
どうやら、彼等も青街に行ったらしい。
やはり、あのエリアに入る条件はそこまで厳しくないと。
……ふーーむ。
「ルミねぇも新天地楽しんでる?」
「―――あ、うん。以前、クエストでご一緒したNPCさん達と再会してね。彼等、帝国の所属なんだけど、皇国に居たからうれしくて。その縁で、一緒にお茶したよ」
「何か楽しそう!」
「そういう事、私達も何度かありましたね」
「やっぱりNPCとの関りって重要なんだよな。問題は、その帝国の知り合いに現地で会ったとして、同一人物が同時に帝国にもいる可能性は……どうだ?」
「ゲームでよくある、同一NPCが別の場所に同時に居るってヤツな」
偏在するNPCさん?
怖いよ?
それ、かなり怖いね。
「じゃあ、そろっそろ。ルミねぇ分補給のために、今日は一緒に行動とか―――」
「七海、ステイだ」
「何でさ?」
「僕達、いまクエスト受けてるし。途中で辞めるのもアレだよ? 危ない所にルミさん連れて行けないし、時間決まってる短期クエストだから保留とかできないし」
「保留不可……成程、リミテッドクエストだね?」
そもそもクエストとは、現地NPCとの関りを以ってPLの影響力を広げるもの。
多くの任務をこなせばこなす程名声は広まり。
結果、ポイントとしてギルドランキングなどに現れ。
また、NPCの世界にも名が知られる。
クエスト進行とは、大なり小なりオルトゥス正史に影響を与える行為であり、クエストの規模や難易度は、その影響力が大きいか小さいかなんだ。
で、クエストにも種類があるというのは、私も知るところ。
最も大規模な影響力があり、オルトゥス正史へ密接に関わる【クロニクル】
季節ごとに行われる大規模な【イベント】
無数に用意され、トリガーによって突発的に発生する【オリジナル】
最も一般的なのはオリジナルクエストだけど。
無数にある故、それ一つとっても種類は様々。
単体で完結し、好きな時に進行できる【フリー】
進行すべき期間が定められた【リミテッド】
これら二つが基本にあり。
その中でも、無制限に何度も受けられる【リミットレス】
一回きりだけど、誰でも一度は挑戦できる【メジャー】
最も希少かつ、一回きり、一人きりが挑戦できる【ユニーク】
……本当に、様々あって。
実は私自身、今迄のクエストが上記どの区分なのかを正確には把握していないんだ。
他の人と一緒に受けてないし。
で、後はフリー、リミテッドなどの区分を超え。
前提クエストをクリアした者のみが挑戦できる【キャンペーン】なんていうのも存在しているね。
もしかしたら。
私がこの前受けたのも、その区分なのかな。
「でも、私が一緒だと危ないとなると。戦闘系なのかな? 都市内、それも比較的治安が良いだろう内側で?」
「実は、以前言ったクロニクルと関連のあるクエストみたいで……」
「―――ほぅ?」
「こりゃあしめたと思って、先んじて何か分かるかと進行させてたんですけど。ネット見たら、同じようなクエスト受けてる人が沢山いるみたいで。これ、ひょっとしたら皇国のクエ全部がクロニクルに繋がってくる感じかもです」
全てが前提の、壮大な一幕という訳だね。
その推測は面白い。
そう来ると、第一次とは全く異なる展開になりそうだ。
「青街のPLの数が、そのままクエストを受けているPLの数かもな。今この瞬間にも増えているかもしれないし……まぁ、何だ。俺達が受けたのは、皇国に乗り込んできてる刺客を返り討ちにするって感じらしい。荒事確定だ」
「―――刺客。そんなのもあるのか」
それって、アレだろう?
ナイフをぺろぺろしながらヒャッハーって……そんな人たち。
怖いね、怖いよ。
……震える私を尻目に。
彼等はいつからかソワソワし始め、ゆすった足などから伝播するその震えが床から私へも伝わって。
どうしたのかな。
「……話す事も話した。そろそろ、本題だな」
「んう? 本題……?」
「もう、焦らしちゃって。言わなくても分かるでしょ。こっちに私達を呼んだって事はぁーーー?」
「もしかして、新ネタですか?」
「新ネタっすよね?」
いい加減、近況報告にも痺れを切らしてきたと見る。
呼んだのは私だから、分かりもするか。
―――あぁ、良いとも。
今や拍手で迎える彼等を前に。
ベッドから立ち上がった私が、部屋をぐるりと回って閉ざされたドア際に立ち。
逆にベッド前に移動した皆は、その下を覗いたり布団を探ったりと既に見破りモードに入る。
「―――では、お待ちかね。皆が珍獣披露会扱いしている見世物……、もとい、私の新ネタ披露会と行こうじゃないか」
「よっ」
「待ってました~~!」
「珍獣、珍獣、珍獣」
無職のレベルが上がるのと同じく。
むしろ、無職のスキルの影響もあり、呼吸のように常用している道化師もレベルは上がっている訳で。
コチラこそが我が本領。
私の新たなる力に刮目すると良いよ。
「さぁ、まずは掴みだ。いつもの出番だよ? “小鳩召喚”」
「「……………」」
皆が私の一挙手一投足に焦点を合わせる中。
呼び出された幾匹かのハト君。
彼等は狭い室内を華麗に羽ばたき羽ばたいてお客を冷かしたのち、いつしか部屋の端にあるトロフィー棚の上へ着地。
小さな衝撃にグラリと揺れる勲章たち。
やがて、彼等の視線が先の黄金ピート(偽物)に留まり。
「ホ」
「ホ」
「ホ」
「「クルッポッポーー」」
一二三と、さながら大玉転がしのように。
小さな嘴で協力してソレを台座から外し、前へ……落下。
ハト君たちは、退避するように五人の後ろのベッドへ。
「「!」」
皆、この瞬間理解しただろう。
これは、使い古された手―――私特製ピート玉(黄色)が、例に漏れず今日も火を吹く。
ビクリと。
衝撃を受けたのもすぐ、彼等は一瞬で立ち直り。
「やっ! その手は前に見たぞ……!?」
「あの時のタネは」
「一瞬でログアウト、その後リスポーン地点のベッドにログイン―――居ない!!」
以前、似たような事をやったからね。
同じ手は使わないさ。
否、同じような手順を辿るからこそ、一度見た彼等はあっさりと私の術中に嵌るんだけどね。
「代わりに何かいる!」
「照明係じゃん!」
あぁ、皆の声が聞こえる。
けど、皆からは私の姿は見えていない……ふふふ。
この優越、この愉悦。
「ベッドの下も居ない」
「収納の中も居ません」
「絨毯の下も居ない」
「トロフィーの陰も居ないよ」
「―――探す気あるか? ……これが照明係のガワを被ってるルミねぇの可能性はどうだ? 変化とか」
探索と考察を交えた賑やかな声がこだまして。
場が温まって来た頃。
息を潜めて入場の機会を伺っていた私は扉を開け、再び彼等の前に姿を現す。
「―――やぁ、皆」
「……部屋の外はズルくないか? 透明化でもしたのか……いや扉の開く音がない。……となると」
「分かった! 盗人派生のヤツみたいな音を消すスキルだ!」
「そうか! 音を消してドアの外に逃げて……」
「いや、でもさ? それだと煙も外に漏れだして姿見えちゃわない?」
「「……………?」」
変化、透明化、消音……中々良い推理だけど。
残念。
もっと良いものさ。
この技たちが、手品に見せかけた「魔法」だという事を教えてあげないと。
「どうだい。私の新能力―――“脱出転移”は」
「「転移!」」
「……脱出、だと?」
奇術師の手品、その中でもあまりに有名かつ大規模なものとして語られるうちの一つに、脱出マジックがある。
分かり易さと見た目の派手さ。
印象の残りやすさから、クライマックスにも多く使われるけど。
「まさしくそう。これは、その手品を手軽に再現できるあり得ざる魔法なんだ。使い方は簡単。自分の能力で生み出した眷属、或いはテイムモンスターとかと、自身の位置を入れ替える。ただそれだけさ。当然、効果範囲はハト君達が消えないラインまで。あまり遠くまではいけないけど、ね」
「―――だから代わりに照明係が……照明係が」
「あの、やっぱり名前変えません?」
「そう……。照明係君は元々部屋の前……の死角に待機してもらっててね。入れ替わったんだ。そして……」
何故、呼び出したハト君達を送還しなかったと思う?
一度魔力回復薬を飲み。
力をチャージした私は、再び能力発動。
「―――こーーんな風に」
「「!」」
「君たちの背後にも、回り込める。神出鬼没の大道化。それが私、道化師ルミエールさ」
耳元で囁きかけると、ぞわぞわブルリと震える子供たち。
私の居た位置には転移したハト君Aが。
代わりに、一仕事終えた彼が居たベッドの上にはハト君達と寝転ぶ私が。
世界中のマジシャンが目を剥くよ、これ。
……と、振り返って口をあんぐりしていたお客さん達は、何やらヒソヒソ話を始める。
ご丁寧に口元も隠してるよ。
私に読み取らせない気だね。
仲間外れにされた私は、座るままにハト君Aを呼び戻し、撫でまわし、首周りを揉み……。
「―――あの、ルミさん。ソレ、かなりぶっ壊れ能力なんじゃ……」
「ぶっこわれ?」
欠陥じゃないよ?
何度も試したけど、ちゃんと機能してたよ?
「あの―――なんていうか。戦闘で滅茶苦茶使えそうじゃないですか。極めれば、凄く……」
「ヤバいくらい応用ききそうだよな」
「そういうの、「ぶっこわれ」って言うんだ……?」
なんて過激な。
あ、でも。
確かに、偶にトワの話の中にそういう単語混じってたっけ。
あのきゃらぶっ壊れとか、サーバーぶっ壊れとか、機材がぶっ壊れとか、お陰で有給ぶっこわれとか……。
「勿論欠点はあるよ。魔力消費、凄く多いんだ。で、後―――ちょっと休憩にしようか。今、店主君と私の共同開発の新作が来るから」
「「?」」
「三、二、いち……はい、ご来場」
私がドアを開くと同時に、ぬるりと姿を見せる強面エプロンの店主君。
彼は両手で大きな鍋の乗ったトレーを持ち。
鍋の脇には小皿も人数分ある。
両手塞がってるし。
どうやってドアを開けるつもりだったのかな。
「おー、相変わらず賑やかだな、お前等。ちょっぴり下にまで聞こえてたぞ……よく分かったな? ルミエ」
「分かるよ。開けられないかもって」
「ホントに来たし」
「来ましたね」
「……俺が来ちゃマズかったのか?」
「あ、いや、その……」
失言だったかと、ワタル君達の視線がこちらへ向く。
「私のアシスタントだからね。分かるさ」
「誰がだ、誰が。なった覚えねェぞ」
「全部把握しているんだ。お客さん来ないからって、商品を齧りながら何がいけないのかって首を捻って。お店の軒先で新規っぽい異訪者さんに声を掛けようとして、顔の怖さに逃げられて……」
「……なぁ、ルミエ。何でさっきまでの俺の行動全部知ってんだ?」
「わたしのアシスタントだから」
無論、“視界生成”の能力だ。
詐欺の手口さ。
只同意してもらうだけで良いというんだから、視覚共有は凄いよ。
一定期間のご利用で魔力3消費と効率もいいし。
―――で、店主君が持ってきてくれたのは。
「さぁ、お客様方。コチラ、マデラソースで彩った狼肉の煮込み。食べてみないかい?」
「おい、俺が持ってきた―――」
「デザートになるかは分からないけど、すぐそこの森で私が狩ったんだよ。苦労したんだよ」
「ねぇ、転職して?」
「ヘロワ行ってください」
「いつまで始まりの森で狩りしてるんだ?」
「マデラソースってなんなんですか?」
「あー、あー。聞こえない、聞こえなーい。……あぁ、マデラソースっていうのは―――」
「「聞こえてんじゃん」」
……………。
……………。
沢山お話もして、一席披露して、お肉なデザートに舌鼓を打ち。
色々と満足したらしく。
そろそろクエストの時間だと、風な一団は皇国へ向かって。
店主君もお店に戻り。
残された私は、果物を齧り叡智の窓を弄る。
――――――――――――――――――――
【original Quest】やんごとなき客人
帝国貴族「ララシア家」に脅威が迫っている。
貴女はそれを第六感で感じ取りました。
放たれた刺客を叩いて砕く。
頭脳を使って脅威を避ける。
方法は様々。
友誼を結んだものとして、彼等の助けとなる
べく行動する事を心掛けましょう。
このクエストはクロニクル【No.2:未曾有皇演】
の下位クエストです。
【達成条件】
・クロニクルNo.2終了時点
「ステラ・クライト・ララシア」の生存
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彼等の推測は、まず当たっているだろう。
実際、私のもクロニクル関連イベントだ。
ならば、ユウトたちと私……話が交わる事もある?
……けど。
彼等のクエストで言う「皇国に乗り込んできてる刺客」とやらが指している相手が、もしもこちらの話と繋がって来るというなら。
もしかしたら、私とユウトたちとは。
「―――言った方が良かったのかな? ……うーーん?」




