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【73】Red Stalker-6




 大きく輝く玉葱の近くと言われ、僕は寄り道をしながら予想を立てた場所へと向かった。約束の18時の1時間前、つまり17時に辿り着いてスマートフォンを見ながら時間を潰していた。


 周りはそこそこの人通りと、たまにサンタクロースやトナカイを模した人々が歩いている。そんな中に僕は一人で誘拐犯のRed Stalkerの指示を待っている。クリスマスまで事件に巻き込まれる自分の運命に半分呆れながらも、日付けとイベントとの事を考え


(ポルカドット611...... 。もし、あの名前が個人アカウント名では無く。イベント名だとしたら僕達の考えは根本から違うかも知れない。)


そんな事を思った。僕は時間が近づくと立ち上り武道館の上に飾られた大きな擬宝珠を眺めて立っていた。するとスマートフォンのアラームが鳴り約束の時間となった。



 その時に背中にチクリとする感触に僕は振り向こうとすると


「動くな。」


そう変声機を使った男の声で続けて


「そのまま前に進め。」


そう言うと、背中に当たる尖った感触に力が入っている。僕は大きく息を吸い


「その前に僕の推理を話しても良いかい? 」


その返事に、後ろの人物の手が緩み声は止まった。そして僕は続けて後ろの人物に



「この僕の背中に当たる尖った物も本物のナイフや包丁では無いでしょ? ね。マリア。」



そう言うと僕は振り返り。プレゼントの箱を差し出すとそこには赤い布を頭から纏って顔を隠した小さい人物が立ち止まっていた。そして布を剥ぐと中からマリアが不貞腐れて現れた。


「この計画の発案者は千香子さんでしょ? 恋愛そっちのけで事件ばかり追う水谷さんの興味を向ける為に。ほらメリークリスマス。」


そう言って差し出したプレゼントをマリアに持たせ、マリアは包みを開けると中からは以前から欲しがっていたドクターマーチンのブーツが入っていた。マリアはそれを見ながら


「タケ! 10ホールが良かったのに8ホールじゃん! 」


「お前ちっちゃいから8ホールの方がバランスが良いだろ。ちゃんとお前の事を考えて選んだんだよ。」


その僕の言葉にマリアはニンマリとして腕にしがみついて


「ありがとう...... 。」


と言い。そしてマリアは千香子と、エミとの待ち合わせ場所へと案内してくれた。



 そこはU公園と、電波タワーと、武道館の真ん中辺り。僕達の住んでいる町の千香子が経営しているレストランの一室であった。辿り着くと中で千香子とエミがマリアと僕を見て口に人差し指を当てて『シーッ。』としている。そして奥に目をやると、そこでは水谷と尚吾が目隠しをされて椅子に縛られている。そして両脇に協力者の零士と和美も立っている。


(この人達は本当に解らなかったんだ...... 。女心が...... 。)


水谷は縛られたまま


「ぺチコさんは無事なんでしょうね? 約束の品も渡した筈です。」


そんな事を言っている。千香子は必死に笑いをこらえて水谷と尚吾の目隠しを外すと、水谷と尚吾は呆気に取られ黙っていた。因みに千香子の要求は『ピンク色のセーター』に対して水谷は『桃』を大量に買ってきて。エミの要求『花束』に対して尚吾は『ルービックキューブ』を買ってきていた。


 そんな話しを酒のツマミにしながら、僕達はクリスマスパーティーを開催した。水谷と尚吾は『不謹慎だ。』や『こんな回りくどいことをしなくて良いのに。』と不貞腐れていたが、千香子からは新しい中折れ帽を、エミからはダウンジャケットを貰い機嫌を直してケーキを食べていた。何だかんだと園部千香子プロデュースのクリスマス事件は幕を閉じ。


 僕達はシャンパンを開けては飲み。料理やケーキを食べては水谷と尚吾をからかい笑い。そして皆でグラスを掲げて叫んだ。



『メリークリスマス! 』



メリークリスマス(*´∀`*)


読者のみなさんに幸せが訪れます様に(*´∀`*)

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― 新着の感想 ―
[一言] メリークリスマス! 素敵な、ポルカドットらしいストーリーでした。 水谷さんでも分からなかったんですねぇ。
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