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【61】Reptilian-6




 水谷と千香子は乙野の後を付いていき、U公園へと共に出向いた。U公園へと辿り着くと乙野はスンスンと鼻を鳴らして匂いを探っている。千香子はそんな乙野へ


「もしかして生理の女性を捜しているの?それだったら健康かどうかまでは判らないでしょ?」


「あっ。そうだった。」


と乙野は完全にその事が頭に無い様であった。水谷と千香子は首を傾げて呆れていると。乙野が真剣な顔をし小声で


「順番が代わった。激しい獣臭がする。僕の近くから離れないで。」


その言葉に水谷と千香子の血の気が引いた。そして乙野は


「ゆっくりとこの公園から去ろうか。」


「それだと他に被害者が出るでしょ。」


「乙野夜君。ぺチコさん。僕が残りますので二人は今朝寄った600メートル先のビルの屋上から狙ってください。あのビルは使用許可を取っています。」


水谷は二人に、そう指示を出すとその場に立ち止まり。人が隠れられる影を目で追いながら違和感を探した。その間に乙野と千香子は公園を離れてビルへと向かった。水谷はそのまま喫煙所へ向い煙草へ火を点け


「何も無ければ良いですが...」


そう呟きながらも周囲の警戒を怠らなかった。



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



 乙野と千香子はビルの屋上へと到着すると。乙野はライフルケースから双眼鏡を取り出して千香子へ渡し。


「確認お願いね。」


と言うとライフルを組み立て始めた。千香子は双眼鏡のピントを水谷へと合わせて


「呑気に煙草吸ってるわよ。」


「それは結構。」


乙野はライフルのセッティングを終えてスコープを覗き込み


「この日本で64以前モデルのウィンチェスターM70を撃てる日が来るとはねぇ。」


そうライフルの銃床を擦りながら水谷へと合わせた。乙野は千香子へ


「僕が傭兵時代にテロ組織の捕虜となったのを水谷くんが助けてくれた時を思い出すね。」


「あの7年前のヤツね。」


「国際テロ組織をイタズラで一陣営壊滅させてんだから。おかしいよあの人は。きっとあのコートの中はオモチャだらけなんだろうね。」


「乙野くん。珠樹の20メートル後方の木陰で不自然な葉の揺れが有ったわ。」


乙野はスコープを指示の有った付近に合わせ。しかしそれはカラスであり、乙野が照準をずらそうとした時に何者かの手がカラスを鷲掴みにしてカラスが消えた。そしてカラスの羽だけが木の下へと落ちる


「居る。」


しかし、木で覆われている為に姿は見えない。しかも水谷はそれに気付かずに2本目の煙草に火を点けている。乙野と千香子は息を飲んで水谷の周辺を見渡すがReptilianを視認出来ない。それから数分間経つが動きは無く。千香子は


「空腹も満たされて。ターゲットも来ないから諦めたのかしら?Reptilianの付近を数人通っても動きが無いし。珠樹に連絡してみようかしら。」


千香子は水谷へ電話を掛けると、水谷は


「今夜は諦めたみたいですね。帰りましょうか。しかし明らかにReptilianは近くに居ましたね。今日はおまじないをして帰ります。」


そう言うと水谷はコートから大きいサイズのペットボトルを取り出して。Reptilianが居た付近の通りの茂みに撒き始めた。そして乙野と千香子はU駅で水谷と合流した。千香子は水谷に


「さっきおまじない。って何を撒いていたの?」


そう訊ねると横から乙野が


「あれでしょ。鹿避けの狼の糞のヤツだよね。ここまで匂うよ。」


「本当に乙野夜君は鼻が良いですね。きっとReptilianは匂いで獲物を判断していますし。狂暴な肉食獣の香りが有れば迂闊に近寄れませんから。」


そう言うと3人は電車に乗り込み解散した。また明日の夜にU公園へと行く事にして、女性である千香子はターゲットに成りかねないので離れた位置でサポートする約束をして、新たに策を練る事にした。





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