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【59】Reptilian-4




▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 男はマスメディアや警察から『Reptilian(レプテリアン)』と呼ばれていた。


 しかしその様な事を本人は知らない。呼称など関係無いのだ。


 それどころか彼は自分が何を考えているかすら考えた事は無い。


 食えるか。食えないか。自分が自分の身体をどうしたいのかは下腹部の辺りから沸き起こっている。


 熱くなるのだ。身体の中心から下の辺りで。




 彼はとある国で生まれた。彼は名前も付けられずにこっそりと育てられた。その理由はこの国では一人目の子供以外を生むことは禁じられており。国からの補助を受けられなくなるからで、貧しい家庭であったが為に補助を打ち切られれば一族が死に絶える事となるからである。


 しかし彼の母親は自らの手で彼を殺すことは出来ずに、3年間は乳と食べ物を与えられ使われていない馬小屋で育てられていた。


 そんな有る日に母親へ子供を買い取りたいと持ち掛ける男が現れた。


 男は臓器売買を行うブローカーであったが。1ヶ月分の食料代を支払うとの事で、母親は彼を手離す事にした。


 男は彼を国境付近に在る。解体施設へ車に乗せて運んだ。


 その途中に険しい山道を通る所で激しい雨に見舞われて、然程高くは無い崖から車は落ちた。


 運転していた男は首に折れた木が突き刺さり絶命していたが。幸いにも彼は生きていた。


 4歳であった彼は洞窟を見付け雨を凌いだ。馬小屋に居た時も、母が来ない時に腹が空いたら食べていた虫を見付け彼は空腹を凌ぎ。草の葉に溜まった雨水を舐めて渇きを癒した。


 晴れた日には川を見付けて。そこで飲み水を確保すると。虫や魚を採る事を覚え。食べられる草や苦くて飲み込めない草を見分けられる様になっていた。


 そんな生活を繰り返して数年。川へ水を飲みに行くと自分と似たような形をした生き物に彼は出会った。


 その生き物は足を怪我していて動けずに、口や両手を必死に動かしている。しかしそれが何を意味するのかは彼には解らなかった。


 彼はその生き物が自分の食料と水を奪おうとしているのだと思った。しかしその生き物は自分よりも大きいので、足下に在る拳程の大きさの石を掴んでその生き物に投げた。


 1個や2個ではその生き物は水場から離れないので。彼はその生き物に石を投げ続けた。


 するとその生き物は動かなくなり。彼は恐る恐る近付くと『神様どうか助けてください。』と謎の鳴き声を小さく発したので。まだ生きていると思い大きい石を頭に落とすとやっと絶命した。


 その生き物は頭から白くて柔らかい肉がはみ出したので。彼は手で掬い口に運ぶと、これは栄養の有るものだと理解した。そして大きいので暫くは餌に困らない事も理解した。


 彼はその生き物は頭を攻撃すれば死ぬ事を覚えた。しかも山で見掛ける他の四本足の動物よりも動きが遅く捕まえやすい。


 その内、その動きの遅い動物がよく通る道を見付けて。彼はそこで自分に似たような形をした生き物を食料として捕獲する事を覚えた。


 しかしそんな生活もある日終わりを告げた。日照りが続き川の水が少なくなり、生き物の姿も減って来たからだ。彼は巣を離れる事を決めて山を歩き、木ノ実や草を噛り。時折見掛ける自分に似たような形をした生き物を捕まえて殺して食べながら移動した。


 やっと見付けた住みかでも。数年経つと餌が無くなり。その度に彼は次の巣を探しに移動した。


 そして彼は自分に似たような形をした生き物が沢山居る。そして沢山の巣が在る所を見付けた。彼は嬉しくなりその生き物を殺して食べた。


 しかし中には強いものや。激しい音を出す者も居て。捕まえるのが難しくなってきたので彼は必死にその生き物の捕まえ方を学んだ。


 暗闇の方が捕まえ易かったり。尖った物を使う事や激しい音を出す物は手から離れれば動かなくなる事を。山の中の獣に比べればその生き物を攻略する事など、彼に取っては容易かった。

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