表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/77

【47】dot monster-4




 水谷は窓から射し込む暗闇の中での不自然な明かりによって目を覚ました。時間を確認すると午前2時であり。陽の光りの筈も無く水谷は急いで起き上がり山小屋のドアを開けた。


 すると水谷の仕掛けた網トラップに掛り。身動き取れずにライトを持った男が網の中で唸っていた。


 水谷はゆっくりと煙草に火を点けて、煙を吐きながらトラップに近付きライターの灯りで見ると。捕らえられているのは若い男であり。幸島岳大達と変わらない位の歳であった。水谷は


「意外と逃げられないんですよね。全部ホームセンターで仕入れたんですけどね。」


「クソッこんな簡単なトラップに。」


「いや。この網トラップに掛かったなら優秀な方です。そこに来るまでに12のトラップが在ったのですから。」


そう言うと水谷は山小屋へ入り。バッグを掲げてdot monsterに近寄り


「それでは見付かってしまったので次の場所へ逃げるとします。」


「ふざけるな!殺せ!俺を殺せ!」


「漫画の様に一気には切れません。荷重が分散するように出来てますからね。しかし一本一本地道に切れば出られますよ。」


そう言うと水谷は歩いて山小屋から麓の町へと歩いて行った。水谷はスマートフォンで旅情報を調べながら


「次はご飯で選びますか。」


そう言ながら途中でタクシーを読んで。次の場所へ向かった。水谷はタクシーの中で色々なアプリを見ながら何かを思い付いたらしくニヤニヤとしながら次の隠れ先へと向かった。



◼️◻️◼️◻️◼️◻️◼️◻️◼️◻️◼️◻️◼️



10月30日



 水谷が逃走を始めて5日目になり。大きな変化が見られた。僕の元にMine noteからの通知があり。確認して見るとフォローが有ったとの事であった。僕はその相手を確認すると


『Tamaki Mizutani』


と書かれている。


「はっ!?えっ!?マジで?」


僕はそのアカウントのページを開いた。すると更に驚かされる事になっている。何と水谷が自撮りで風景が写る写真をアップして


『T県のT港に来ています。海の幸が最高です。』


等と載せている。僕は焦ったが最早この行動はあからさま過ぎて僕はソッとしておく事にした。そんな僕を見てマリアが下着姿のまま目を擦り


「どったの?」


「水谷さんがMine note始めて、自分の居場所を晒してめっちゃdot monsterを挑発してる。」


「えー。命狙われてるのに余裕だねー。大丈夫なんでしょ。珠樹っちだから。」


そう言ながら起き上がり歯磨きへと向かった。



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 水谷はT県のT港に到着して写真を撮り。Mine noteに投稿を終えると海を眺めながら海鳥にパンの切れ端を投げたりしていた。水谷は


「今投稿したらdot monsterはどのくらいで辿り着きますかね。フォローも入れてあげたので直ぐに気付くとは思いますが。」


そう呟くと。残ったパンを投げ、大きめの海鳥が咥えて沖へと飛んで行った。そこで水谷のスマートフォンが鳴り、相手は千香子からで。水谷は直ぐに応答した。


「どうもぺチコさん。」


「大丈夫なの?珠樹弱いのに。こんな接近戦に 持ち込むなんて珍しいじゃない。」


「ああ。何かですね。こないだのGreen Shark Challengeの時の幸島岳大君の事を考えてみたんですが。あのマリアさんの歌何かは全然解んないんですけど。何か凄く大切な事に思えてですね。」


「と言うと?」


「SNSなんかで人々は通信と言う速度と広がりを手に入れましたが。それで共有外の範囲が狭くなってしまい、地球と言う個室の中で人々はストックホルム症候群を起こしているのではないですかね?」


「加減の判らない力を手に入れて。狭く使ってしまっていると言う訳ね。」


「そんな感じですかね。とりあえず今回のdot monsterは心を折ってみようと思います。それがポルカドット611への近道かもしれません。仮定の試験的なものですが。」


「それは良いけど。無理しないでね。」


「ありがとうございます。では。」


水谷はスマートフォンの画面が切れるのを眺め。そして目の前の海を見た。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ