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【43】Green mile-2




 僕達はテーブル席へと移動しながら。僕は周囲に居る人間を確認した。その中にマリアを凝視する人物が居るが女性であり隣に男を連れている。水谷のプロファイリングとは微妙に違う事に僕は少し考えた。僕はその事に違和感を覚えてマリアとカラテパンのお兄さんへ


「直ぐにこの店を出ましょう。今マリアが悪質なサイトの人間に狙われていて。どうもこの店内に居るのですが嫌な予感がするんです。」


そう言うと。素直に聞き入れてくれて僕達はハンバーガーショップの店外へと急ぎ出た。するとハンバーガーショップ内から悲鳴が聞こえ騒ぎが起こりだし。僕は知恵を借りたく急ぎ水谷に電話をした。


「水谷さん。マリアを狙う人間が二人で居て、違和感を感じたので店外へ出たら。ハンバーガーショップから悲鳴が聞こえて居るんですが。」


「それは危険ですね。Green Shark Challengeの模倣サイトは3つ有り開設者はそれぞれ違う人間でした。その3人が結託したと考えて良いですね。その内の一人は居住が離れた位置ですので直ぐに来る事は無いでしょう。しかし、被害の早さから神経ガスを使用した可能性が有るので風通しの良い通りを選び移動してください。」


その様に話していると。カラテパンのお兄さんが悲鳴の有る店内へ戻ろうとしたので、僕は


「お兄さん!中は神経ガスの可能性も有りますので待ってください!警察と救急に連絡しましょう。」


「そうか!判った!」


そして僕は警察と救急へ連絡を入れて。周囲に警戒をして到着を待った。マリアが不安そうにしているので手を握ろうとした時に、先程の店内に居た男女の二人がマリアの背後に立っていた。僕はマリアを突き飛ばして二人から距離を開けると、女はカッターナイフを振り回して襲ってきた。僕は腕を切られて血が流れ、それでもマリアを逃がそうとすると男の方がマリアを捕まえようと近付いた。


 しかしカラテパンのお兄さんが、その男の脇腹へ横から前蹴りを入れて男は吹っ飛ばされて壁へとぶつかり。男の手に持っていたビニール袋から透明の液体が出て男はもがき苦しみ始めた。


「サリンです!皆さん逃げてください!」


「落ち着いてこちらの広い道へ!」


その時に、水谷と尚吾が駆け付けて。周囲の人々を誘導し始めた。カラテパンのお兄さんもマリアもそれに従い逃げ。カッターナイフを振り回した女は慌てて男の方へ走り寄りそのまま倒れた。僕は突然の事に茫然としていると尚吾が僕の腕を引っ張り離れた広場へと移動し。その後に警察官と救急隊が駆け付けて、この事件は被疑者死亡と言う形で幕を閉じた。

 

 そして水谷は現場に居た警察官に、共犯者はもう一人居る事と。きっともう少しすると、その共犯者から電話が死亡した被疑者に掛かって来る事を忠告すると僕達はU駅の方へ向かって歩いた。


 カラテパンのお兄さんは数島 謙吾(かずしま けんご)と名乗り僕達と軽く挨拶を交わすと夕方にはS県へ帰らなくてはいけないと言う事であり。ここで別れたがマリアのファンになったと言う事でMine noteアカウントを交換していた。僕達は水谷へ付いて行き和菓子屋で羊羮を買うととりあえず水谷の事務所へと戻った。


 僕達は事務所でもう一度マリアのTube Lineを確認すると。今日ストリートライブで歌詞カードを渡したお客さんから沢山のコメントが来ており。マリアはヒーローの様なポーズを取り


「イェーイ!」


と叫んでいると。尚吾は


「これでマリアちゃんも収入の有る立派なLinerだな。」


そう言うと。水谷はコメントをスクロールし


「まだ気を付けてください。Green mileからコメントが来ていますよ。『今日の所は逮捕されてやる。しかし私達はポルカドット611様の下、再び現れる。』と書いています。幸島岳大君。テレビを点けてください。」


僕は水谷に言われてテレビの電源を点けると。先程のニュースが流れていた。U駅毒ガス事件の犯人は被疑者死亡となり。共犯者の男が違法薬物製造の疑いで逮捕されていた。どうやらこの男がGreen mileらしくマリアの安全が確定したのであった。





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