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【42】Green mile-1




 僕はそんなマリアを見守りながら。マリアのMine noteアカウントを見ていると。『Green mile』と言うアカウントからコメントが何回も入っていた。


『この世に必要の無い人間の死を邪魔するのならお前を殺す』


そう同じ文章をコピー&ペーストを繰り返して何回も。僕はマリアにこのコメントを見せる必要は無いとMine noteの運営に通報メッセージを送り削除依頼を出した。そして今の現状で出来る安全策を考えマリアの元へ近付き。1曲歌い終わったマリアが挨拶を終えると、僕はマリアに手を振った。するとマリアは僕に近付き


「タケ来てくれたんだ!アッシ嬉しいよ。これから休憩に入るからお昼ご飯一緒に食べよ!」


そうはしゃいで言ったので。僕は無邪気な姿に先程のGreen mileの事を忘れてマリアと近くのハンバーガーショップに向かう事にした。しかしマリアはストリートライブを観ていた観客に囲まれて、一緒に写真を撮ったり握手をしたりと。なかなか進めずに居たが僕達はハンバーガーショップに辿り着き二人で遅い昼食を取った。


 マリアがチーズバーガーに噛り付きながらスマートフォンを確認すると


「あっ。タケ電話をくれてたんだね。アッシもちゃんと携帯の契約しなくちゃだし。何かDMいっぱい来てる......」


そう言うと。マリアはチーズバーガーに噛り付いたまま固まっている。僕が削除依頼を出したのはコメントだったなのでDMは消されて居らず。Green mileと言うアカウントから大量のDMが届いて居たのである。僕はマリアをフォローしようと思ったがマリアはあっけらかんと


「ブロックっす!」


と着信を許否する設定にして、コーラでチーズバーガーを流し込むと。ギターケースを掲げ立ち上り


「アッシはギターと歌声でこの世界に希望の光を見せるんす!闇の脅しに屈する訳にはいかないんす!」


とヒーローの様なポーズを取った。周りからは冷たい視線や。クスクスとした笑い声。しかし何故だか拍手を送る人も居た。僕は恥ずかしかったが、こんな事は尚吾もよくやるので気にせず照焼きバーガーを噛った。すると一人の体格の良い男がマリアへ近付き。もしやGreen mileか?と僕の中で戦慄が走った。しかしとても僕に敵いそうな相手では無く逃げる方法を考えた。


 しかし、その男は笑顔でマリアに握手を求めて


「お嬢ちゃんはさっき駅で歌ってた子だね。良い歌だったよ!俺はS県で空手をやっていた経験を生かして。『カラテパン』ってパン屋をやってんだけど嬢ちゃんの歌を聴いてたら。俺は俺のパンで世界に希望の光を見せるぜ!って思ったよ!」


「そうっすか!これアッシの歌の歌詞カードっす!引き続きパンで平和にして欲しいっす!」


隣でマリアとカラテパンのお兄さんがそんなやり取りをやっているのを気にせず僕は食事を続けると。僕のスマートフォンに水谷から着信が入った。


「幸島岳大君。気を付けてください。きっとGreen mileと言う脅迫コメントを打った人物は近くに居ます。逆に言えばGreen Shark Challengeを終わらせるチャンスです。まず脅迫文を繰り返して送るのは、マリアさんからの反応が無い事への焦りです。そして直接危害を加える事に自信が無い現れです。きっとあまり家から出ずにネットを中心にやり取りをしているので色白で、対人のコミュニケーション能力は低く単体で居ると思います。きっと感情の抑制が余り効かないと思いますので表情に出ていると思います。」


そんな内容の電話であった。僕は水谷の話を聞いて隣に目をやるとカラテパンのお兄さんが目に入り。この人が近くに居ればGreen mileも迂闊に手を出せまい。と思い会話も盛り上がっているので相席を提案すると。お兄さんは快く受け入れてくれた。



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