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【39】Green Shark Challenge-8




 僕がそんな事を考えていると。尚吾はホットサンドを食べながら


「タケも温かい内に食えよ。」


と、僕にもホットサンドを差し出してきた。僕は尚吾の差し出したホットサンドを噛りながらエミの言葉を思い出し。マリアへとメッセージを送ってみた。すると直ぐにマリアから返信が有り、今日はアパートに居るとの事であった。


 僕は尚吾に、今日は水谷も居なくなったし帰る事を伝えてアパートへと帰る事にした。何故だか解らないが今はそうする事が正解の様に思えたのだ。



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



 尚吾は一人でGreen Shark Challengeとの接触した人物をリストアップしていると。水谷は事務所へ戻ってきた。


「幸島岳大君は居ないのですか?別に良いのですが。高城尚吾君。Green Shark Challengeの接触した人物では無く。Green Shark Challengeを開設している人間をリストアップする事は出来ますか?」


「こないだのS Endingの要領と一緒なんで、それは問題ないですよ。数が予想付かないので時間は想定出来ないけど。」


「急がなくて良いので宜しくお願いします。」


そう言うと。尚吾はまた暗幕を被りパソコンを弄り始め。水谷は煙草に火を点けて


「急に帰るなんて幸島岳大君らしくも無い。サンドイッチとホットサンドの出前は玉子サンドの卵サラダの中にハムが入っている事から『水玉』サンドイッチ。そして高城尚吾君が注文して川原エミさんが配達してきた。ははあ、幸島岳大君は何かに気付いたみたいですね。」


「タケの奴は俺に作業押し付けて......」


「何だかそれが盤面を変える気もします。そっとしておきましょう。」


水谷は煙草の煙で輪っかを作りながらソファーにもたれ掛かり天井を眺めた。



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 僕はアパートへ帰ると、マリアが中に居る筈なのにギターも歌声も聴こえないので。そっとドアを開けて入るとマリアは僕のパソコンを使い何か作業をしていた。パソコンデスクを取られて僕はベッドの上に寝転ぶとマリアは


「タケおかえりなさい。」


「ただいま。何やってんの?」


「ごめん!パソコン借りてるよ。」


「それは良いけど。」


「アッシ、ストリートライブやってんじゃん?その時に聴いてくれるお客さんって、歌を聞き取れない時も有ると思うんよ。だから歌詞カードとTube Lineチャンネルのアドレスとアッシのプロフィールを配ろうと思ってね。」


「紙やインクだってタダじゃないから。何千枚とかは止めてくれよ。」


僕がそう返すとマリアは振り向いて両手で一万円札を広げて


「じゃじゃーん!昨日、アッシの歌を聴いてOLのお姉さんがギターケースに入れてくれたんだ!これタケにあげる!」


「一万円なんてスゲーじゃん。」


「何かね。お姉さんは凄く会社や自分の周りの事で疲れてたけど。アッシの歌で元気が出たからお礼だってくれたの。何かアッシ凄い嬉しかった。売りやってりゃ何枚も貰えんだけど、そうじゃなくて。アッシの歌が人の役に立って貰えたってのが嬉しかったんよ。」


そう満面の笑みを浮かべるマリアを見て。僕は胸の内側がこそばゆい温かさに駆られ


「いいよ。僕も別にお金に困っている訳じゃないし。その一万円は大切に取って置きな。」


僕はそう言うと。試し刷りをしたマリアの歌詞カードを手に取りベッドに寝転がって目を通した。僕は歌詞の事なんかはよく解らないけれど寂しい虚しさの中でマリアの中で生きる力強さが芽生える事を感じとった。パソコンに入力作業を続けるマリアに夕陽が黄金色に射し込む姿を見て僕は


「夕飯の買い物一緒に行こうか。」


そう言うと。マリアは作業を止めて振り返り。寝転がっている僕の上に飛び掛かり


「行く!今日はスーパーで鶏もも肉が安かったから唐揚げしよ!唐揚げパーリー!」


そんなやり取りをして。僕とマリアは夕飯の買い物に出掛けた。



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