【35】polcadot119-6
その状況を前にしても千香子はめぐみに対して
「薬物なんかで私の事を変えられるだなんて思わないでね。」
「ぺチコさん貴女って。昔からお金持ちだったでしょ。生徒会長になり会社を経営するスーパー中学生として有名だったみたいね。そして今は幾つもの会社を経営しながら、大学で教授として勉学も続け人助けをする。そんな汚れを知らないお嬢様が違法薬物の虜になって汚れて行く姿を想像するだけでゾクゾクするわ。」
そう会話をすると。めぐみは注射器から血液を少し垂らしながら千香子へと近付き、ゆっくりと千香子の腕へ針を射し。違法薬物の混ざった血液をニヤニヤとしながら戻して行った。千香子の体内へゆっくりと入って行った血液は、徐々に体への感覚を奪い。視界は血液が脈打つ感覚で歪み身体が熱くなっていった。その神経が研ぎ澄まされる感覚に神経が付いていけずに精神が激しく回り始めた。めぐみは千香子の身体にローションを滴ながら
「あら。瞳孔が開き始めたわ。感覚に知覚が追い付いて行けない感じに襲われているでしょ。」
そう言いながら。めぐみは千香子の身体へローションを伸ばし始めた。千香子は深く静かに深呼吸をし
「貴女はとんだ勘違い女よ。ポルカドット119。私の心に薬物程度で何一つ傷を付ける事は無いわ。私は汚れ知らず処か、絶望の泥濘から這いずり上がったのよ。貴女の様に売春で稼いだお金をインサイダーで増やしたのとは訳が違うのよ。」
その言葉にめぐみは興奮し。千香子の頬を手で鷲掴みにすると
「あんたの命は私の手の中に有ることを理解出来てるのかしら?第2使徒よナイフを持ってきて。」
そう言い。千香子の頬を強く平手で打った。そしてナイフを受け取ると千香子の胸へ当てて引き。千香子の皮膚は切れ、血がうっすらと流れ出し。めぐみは笑いながら千香子へ
「あんたの白く柔らかい肌が傷物になったわね!キャハッ。」
「傷の1つや2つ。私は10歳の時に両親が自殺で死んだわ。収入の無い貧しい祖母に引き取られ身体の動かない祖母を介護しながら全てをやって来たにょよ。子供の時から捨て身で生きてきた私が揺らぐと思うにゃ...」
「アハハハッ。もう呂律もおかしくなってる。」
めぐみは千香子へローションを滴ながら。笑い声を上げている。千香子の身体を触りながら
「気持ち良いでしょ?この世界が溶けて行くようで。楽しいんだから良いじゃない。苦しい先に真理何かは無いわよ。」
「わたひは、自分の知覚が正常で無い状態をたのひいなんて思わにゃいわ。」
「キャハはッ。呂律が回らないのも可愛いわよ。ぺチコさん。」
「私はお金が無いから幼少から商売を覚え。生きるのに必要だから知識を積み上げ。死を選ぶ人達に選択肢の見直しを再確認して貰うために心理学を学んだの。この出鱈目で残酷な世界でも楽しく生きて行ける心を手にして行ける様に私は戦って生きてきたのだ!軽くなっただけの安っぽい魂で私の人生を動かせるなどと思うな!」
千香子はありったけの力でめぐみへと叫んだ。その迫力にめぐみは怖気付き。その事に劣等感を感じ
「ポルカドット611様に最高の手土産が出来たと思ったけど。あんたはもう必要無いわ。死になさいよ。殺してくださいって言うまで辱しめてあげるわ!カメラを回しなさい!」
そう言うと。第2使徒は部屋から出ていきカメラを探しに行った。めぐみは皮の鞭で千香子を叩き、千香子の肌はみみず腫れを起こし赤く痕を残しそれでも千香子はめぐみを見ながら
「貴女は気付いている。感情に任せて私を攻めているのに。自分の心に穴が空き続けている事を。埋めたいのに埋まらず。穴が空き続けて行くことに焦り。更に自分の心を見失う。楽しいの?それって。」
千香子はめぐみに問い掛ける。めぐみは答えを返そうとするが。自分の心が解らなく返す事が出来ずに皮の鞭を強く握り締めている。それは頼りない心と身体を支えるためにしがみつく様であった。




