【33】polcadot119-4
僕と水谷は本原めぐみの従者の男に連れられマンションを出たのであるが。ポルカドット119を名乗る本原めぐみの本拠地へ一人千香子を残した事は不安でしかなかった。
水谷は千香子メッセージを送った所、既読は付いたが返事が帰ってくる事は無かったが。なす統べなく千香子の帰りを待つ事にした。いつもふざけた水谷が静かな事からも今の事態が宜しい事では無い事を理解できた。
「幸島岳大君。ここに居ても仕方ありません。喫煙の出来る喫茶店でも探しましょう。」
そう言うので僕は喫煙の出来る喫茶店を検索し。二人でその喫茶店で千香子の帰りを待つ事にした。
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千香子は本原めぐみの部屋へ入るとただっぴろいリビングへ通されると。肌を露出したラメの入ったピンクのドレスに身を包んだ本原めぐみがソファーに腰掛けていた。千香子は柔らかい絨毯の上をゆっくりと本原めぐみへ近付くと、めぐみは立ち上がり
「いらっしゃいませ。園部千香子様。お噂は予々聞いておりまして。是非お会いしたいと思っておりました。そちらのソファーにお掛けください。」
そう言い。千香子が腰を下ろすと、めぐみは
「飲み物をお持ちしますので、少々お待ちください。」
と言うと。別室のキッチンへと行き千香子は一人リビングでめぐみを待つ事となった。部屋は空調が利いてはいるが少し暑く。室内の温度は高めに設定されている様だった。めぐみは品の良い茶器を持ち戻ってき、ティーカップをソーサーの上に乗せ千香子と自分の前に置くと。そこへめぐみは自分のティーカップへ紅茶を注いだ後に続けて千香子のティーカップへと紅茶を注いだ。そして砂糖の入った容器を置くと、めぐみはソファーに座り
「どうぞ、お召し上がりください。ハロッズNo.43が好きで。お代わりも有りますのでどうぞ。」
そう言うと。めぐみはソーサーとカップを取り紅茶を柔らかい仕草で飲み始めた。千香子はめぐみが飲むのを見て自分も紅茶を飲むことにした。そしてめぐみは
「私は園部千香子さんの架空のお仕事のお話よりも。Yellow Submarineのぺチコさんのお話の方が興味が有ります。」
思いがけぬその言葉に千香子は
「それでは私が貴女をポルカドット119だと思い近付いたと?」
「はい。それは大変私としても思いがけない幸運でした。」
「名前からしてポルカドット611を信望する貴女が何故私に興味を?」
「そうですね。私の方からお話しましょう。ポルカドット611様は私に貴女の存在をお話になってくださいました。ポルカドット611様とYellow Submarineのぺチコ様は同じ誕生である。と。先ずGreen Shark Challengeと言う自殺ゲームの存在が二人を作る切っ掛けだ。そう仰ってました。」
「ポルカドット611もあの自殺ゲームと関わりが?確かに私はあのGreen Shark Challenge犠牲者を食い止めるため......」
そう言うと千香子は物凄い睡魔に襲われ。視界がグニャリと歪みを見せ、千香子は立ち上がろうとしたらそのまま膝から崩れ落ちた。めぐみは朦朧とする千香子に向かい
「やっとティーカップに塗ったお薬が利いて来ましたね。目を覚ましたらゆっくりお話しましょう。」
そこで千香子の意識は途切れてしまい。そのまま数時間が経過した。
――――――
千香子は頭痛と供に目を覚ますと身動きが出来ない事に気付いた。分厚い木造の頑丈な椅子に座らせられ足を革のベルトで固定され。肘掛けに肘と手首。背もたれに首と腰を革のベルトで固定され全く身体を動かせない状態であった。次第に千香子の意識は戻り出したが未だに少し朦朧とした意識で周囲を見渡すが。先程のリビングと違う個室へと運ばれて居る様であった。




