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【30】polcadot119-1




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9月28日



 ポルカドット611の同時連鎖殺人事件から1ヶ月経った。各々の事件を警察は関連付けず、容疑者逮捕の若しくは死亡の形で解決とし。それ以上のポルカドット611に触れる事は無かった。そしてポルカドット611も新しい動きを見せる事も無く1ヶ月が経っていた。


 僕達の方はと言うと。僕は水谷の猫の捜索や、迷子の捜索、浮気調査等の手伝いをしていた。そしてマリアは3つ程動画を追加した事と2日に1度の繁華街でのストリートライブで着実に登録者と再生回数を増やし。登録者2000人と再生回数はどれも3000回程となっていた。この数字は始めて1ヶ月では優秀な方で、マリアは応援してくれる人の多さに。更にヤル気を見せて新曲を作っていた。


 中でも、僕との出会いをモチーフにした曲。『君が居たから』は若い世代に人気が有り。その動画は6000回を越えていたので、マリアはそれを気に入り。いつもその動画を見て「おっし!」と気合いを入れてストリートライブに出掛けて。今朝もそんな感じでアパートを出て行った。


 そして僕はと言うと水谷に呼ばれて。探偵事務所のソファーで缶コーヒーを飲んでいる。ポルカドット611関連で変な者が現れたのだ。今回はその動画を水谷と僕で見ている。


 その動画にはゴシックロリータの格好でツインテールのピンク色の髪。可愛らしい顔立ちで有りながらベネチアンマスクで全体は出さず。背景と比べるに小柄な女性で有る事は判る。そして彼女は動画の中で『ポルカドット119』と名乗り。鞭を持ってパチンパチン鳴らしながらフーセンガムを噛んでいる。


 映像も特にチープで三脚を立てて一人で撮影し。一人で編集を行っている様でテロップも雰囲気にそぐわないポップな物を使用していた。そして一度コケてから画面の中央へ向かうとポルカドット119はフリップボードを持ってそこには『11.9にお祭りよ』と書いており


「ウチの使徒カモーン!」


と言うと口だけしか開いていない革のマスクを被った男が端から現れ。フンフンと鼻息を上げている。そしてポルカドット119は


「ウチの使徒1号機はこれから貴方達を囚われた価値観。囚われた精神から解放してくれるよーん。」


そう言いながらポルカドット911は鞭で覆面の男を叩くと覆面の男は覆面を剥ぎ。更に下から水玉模様の目と口が露出した覆面を被っており画面に向い中指を立てて


「お前達は自由だ!」


と脈絡もない事を口走り。ポルカドット119は


「今日はみんなでポルカドットドリンクで盛り上がりましょー!」


と叫びそこで動画は終わっていた。


 その動画を見て。水谷は


「猿真似とは言えポルカドット611を真似てやっている事には間違いが無いですね。しかし予告して今の顔認識技術が発達した時代に予告犯罪を行おうだなんて、薬物でハイになっちゃったんでしょうね。覆面の男は腕に無数の注射痕が有りましたし。」


そう言うとコーヒーを啜り。僕は動画をスマートフォンでもう一度再生して確認した。少ない情報の中でもヒントは有るはずだ。と細かい部分にも注目して何回も見た。しかし水谷は立ち上がり


「もう。この人達は犯行に及んでいますね。早く止めないと。ポルカドットドリンクはタピオカドリンクの事でしょうが何処のタピオカドリンクかは判りません。最悪な状況で考えれば全てのタピオカドリンクです。」


僕は精一杯順序を違えない様に考えた。場所の指定が不特定多数となる状況になるなら拠点からの分配と考えるのが妥当であり。僕は尚吾に電話して動画の投稿元に辿り着けないかと訊ねてみると


「そのぐらいだったらタケだって出来るだろ?と言い。まあ調べるから待ってて。」


そう言うと尚吾は電話を切り。僕は「そんな事尚吾にしか出来ないだろ。」と呟いて返事を待つことにした。








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