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【23】rainman-2




 動画の確認を終えた水谷はコーヒーを飲みながら


「この水玉教徒rainmanと言うのは単独犯に見せ掛けた複数犯で。しかもこのrainmanと名乗っている人物は女性ですね。」


僕はその水谷の発言に疑問を持ち、もう一度動画を確認してみた。確かにrainmanの名前で男だと言う先入観が有ったがよく見てみれば仮面で顔を隠してはいるが。手や指先は女性の物で喉元に喉仏も見当たらず。何より磔にされているLinerに比べて随分と小柄である。その小柄な姿からLinerの中でもバターマンは格闘技経験も有り80キロを越える大柄だ。そのバターマンを小柄の女性が運び磔にするとなると、とても一人では不可能である事から複数。


 僕は水谷の発言からその事に辿り着き。動画を更に見ていた。そして僕は有ることに気付いて


「あっ。そんな事か。」


と呟いた。水谷はニヤリとしながらAkiraの撮影スタッフへと電話を入れた。そして僕達は喫茶店水玉を後にした。


 僕達は高級マンションの建ち並ぶ別の区へと到着した。そこでAkiraのスタッフと合流して。スタッフへ水谷は案内させて僕達はマンションの中へと入って行った。ある部屋の前へ到着すると水谷はバターマンの部屋へと到着した。そしてスタッフに鍵を開けさせて中へ入るとそのまま水谷は部屋の奥へと入って行った。


 水谷が部屋を開けると磔にされたTakeru工場長、Akira、モミタウロスがそこに居た。そして更に奥の部屋へと行くとそこにはバターマンと女性と男性の3人が座って。僕達が部屋に入ると3人は慌て出した。Akiraのスタッフの男は3人を指差して


「この女性は共演した女優で、この男はカメラマンです。何であんた達が!」


そう言うと。バターマンは


「何で解ったんだよ!」


と言うと。水谷は


「バターマンさんが磔にされている足元が浮いていたのでですね。運ぶのも大変な体重80キロ以上の男性を人目に付かず運ぶのも大変なので。バターマンさんの拠点から然程離れた場所でない事が想定できます。そして協力者を考えた際に磔にされる時に足を浮かせていると言う事は貴方が磔にされる事に協力したとしか考えられませんからね。後の動機には興味が無いので私達は帰ります。」


そう言って水谷と僕は部屋から出ると。鬼の形相をしたAkiraがバターマンと協力者を怒鳴り散らしながら磔にされていた。Takeru工場長やモミタウロスに謝罪をしている声が聴こえたが。水谷は本当に興味が無くさっさと僕達は帰って解散した。


 帰りに尚吾へメッセージを送ったが返事が無かったので、僕はそのまま家へと帰る事にした。結局何がやりたかったのか解らなかったがLinerも大変だなあ。と思いながら僕は暗く成りつつ有る空を眺めた。今回の事はどうやらポルカドット611とは関係無かったが、僕にはTube Lineの中でポルカドット611に繋がる何かは有るのでは無いか。そう思い帰りの電車の中でTube Lineの動画を観ていた。


 そして僕はアパートへと帰り着き。部屋の中へと入り、灯りを点けベッドへと腰を下ろした。


「むぎゃああ!」


「!?」


僕は布団をはぐると中にマリアが入っていた。そして周りを見てみると然り気無く片付けられていてギターやバッグ等の自分の荷物も置かれている。僕はマリアの顔を両手で挟み


「マリアちゃんはどうやって部屋に入ったのかな~?」


「あはのがいしゅしゅのほきにあいはぎをふくらへへほらいまひた...」


「お前何してんだよ。」


と僕がマリアの顔から手を離すと。マリアは狭い部屋の中で土下座をして


「アッシ。ネカフェ暮らしで電車移動してたらお金無くなって。住まわせてください!」


と言ってきた。何だか可哀相になってきた僕は部屋の中でちゃんと服を着る事と。お金が貯まったら部屋を出る事を約束させて、仕方無く住む事を許したのだった。






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