表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/77

【2】Green Shark Challenge -2



 

 世の中って言うものは何か一つの物事が起これば、それに相反する物も生まれる。そんなGSCに対してもそれは同じであった。そしてGSCに対抗するように、SNSである『mine note』で2つ代表的なものが現れた。


 1つはGreen Shark Challengeで、精神を深海深くに連れ去られた人達を掬い上げる意味を込めて『Yellow Submarine』と名付けられたアカウントで1年前から活動しており。こちらは管理人の『ぺチコ』と呼ばれる社会心理学博士の人物が管理を行い。毎日、幸せに向けての簡単な指示を出したり。日常のほのぼのとした小話を投稿したりとして柔らかい物であった。


 そしてもう1つは『ポルカドット611』と言うアカウントで有るが、こちらは謎が多過ぎて掴めない事が多かった。まず、このアカウントは2ヶ月前に開設されたにも関わらず。フォロワーが90万人も居る。普通は1年間活動しても500~600のフォロワーである。芸能人や有名人のアカウントであってもトップクラスで200~300万人程である。それにも関わらず無名で何の目的かも判らないこのポルカドット611は2ヶ月で90万人のフォロワーが居るのである。


 投稿している内容にも特に目立つ物も無く、それでもフォロワーから数々のコメントが入り。それに必ず返信しているが、内容も特に変わった物は無く。「そうだよねー。」や「何かわかるよー。」等の軽く肯定する返事ばかりであった。それでもポルカドット611へはGSCから流れてくるフォロワーが多数居た。


 僕は紅茶を飲みながら一連の流れを調べていた。それが仕事とかそう言う訳では無いが、大学で心理学を学んだ経歴からも興味本意で首を突っ込んだのである。


 そんな僕の名は『幸島岳大(こうじまたけひろ)』と言い大学四年生だ。身長は175センチメートルで痩せ型。mine note上のアカウントでは幸島の『幸』から取って『ラック』と名乗っている。僕は先ずはこの一連の流れの根幹であるGSCを調べる事にし。いきなりGSCへDMを送る事は避けて、周囲の情報サイトから調べた。検索サイトの入力フォームへ「greensharkchallenge」と入力してenterキーを押すと幾つかのGSCに関するサイトが出て来た。中にはGSCから出される1~50の指示をまとめているサイトも有り、僕はそれを1~50まで目を通した。


 その内容は最初は『石を投げる』『鏡に向かい微笑む』等の簡単な指示から始まり、途中から『自分の腕をカミソリで傷付ける』等の自傷行為へ向かわせる物も出て来て、中には『腕に刃物でgreenと書く』なんて物も有った。そして最後に『近くの高い所へ行き飛び降りる』と書かれており、注意書として「50に関しては状況により変更される事も有る。」と記されている。


 そんな単純な物に肩透かし感を持ちながらも、次のページを見ようとしていると。ベッドの上でスマートフォンが鳴り始めた。そこには同じ大学で同学年の『高城尚吾(たかぎしょうご)』からの着信音であった。僕は尚吾からの電話に出ると


「よっ!タケ。これから遊びに行かないか?バイトも休みだろ。」


「ああ、休みだけど。」


「じゃあ、大学前駅に11時な。飯行こうぜ。じゃ!」


そう言うと尚吾は電話を切った。僕はスマートフォンの画面を見ると尚吾からの通話は切れていた。とりあえず僕は紅茶を飲み干すと、流し台にカップを置いて顔を洗うとタオルで拭いて押し入れの衣裳棚から服を取り出して着替えた。僕は靴を履くとアパートを後にした。


 外は夏の陽射しが照り付けて僕は目を細めながら大学前駅へと歩いて行った。先程のGSCの事やyellow submarineの事やポルカドットの繋がりを考えながら照り付けられて輝く木の葉等を眺めながら。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ