【14】S Ending-4
焼きそばを食べ終わると。僕達は一度予約していたビジネスホテルへと向かってタクシーに乗った。そして水谷は呑気に夜ご飯の事をタクシーの運転手さんに訊ねていた。僕達はビジネスホテルへ到着し10分後に水谷の部屋へと集まる事にした。僕は尚吾と同じ部屋で部屋に着くなり尚吾は何故か浴衣に着替えたが理解は出来なかった。
水谷の部屋に集まった僕達は簡単な指示を水谷から受けた。僕と水谷はレンタカーを借りに行く。尚吾はホテルに残りあのツインテールの女性の事や屍逝人の行動を調べて電話で水谷に送る。そのサポートを千香子が行う。の以上の簡単なものであった。
僕と水谷は二人でホテルを後にしてレンタカー店へと出掛けた。その間に僕はふと気になったことを口にした
「水谷さんは何で探偵になろうと思ったのですか?」
「ああ、おじさんも君と同じさ不思議に思った事。気になった事を調べて行くうちに迷子になった様なもんです。中学生の頃に『少年バラバラ連続殺人事件』ってのがあってね。」
「20年前の事件ですね。中学生が複数の小学生をバラバラに解体した殺人事件ですね。」
「そうそう。犯人は事件から1年後に捕まるんだけどね。その事件が起こってから、ニュースや世間の人々は『何でこんな残酷な事件を起こしたのでしょうか?』と口々にしているのを見て僕は思ったんだ。『何で僕は人を殺さないのだろうか?』そう心に湧いた僕はこの事件の犯人と話がしたい。そう思ったんだ。そして幸いにも事件は僕の家から近い所で起こったので僕は犯人捜しを始めた。当時は今ほどインターネットも普及して居なかったんでね。地道に捜したよ。警察も見付けて居ない『スクールキラー』を。」
「あれって警察に『スクールキラー』と名乗り挑戦状を送ったんですよね。」
「そうそう。そして半年後に僕はスクールキラーに辿り着いた。偶然同じ中学校に居た生徒だったんだけどね。しかし出会った彼は特に僕の中で答えをくれるものでなく僕が質問を繰り返すうちに逃げられない事を覚り自首しようとした所を警察に逮捕された。答えの出なかった僕はそれからも事件を追うようになって。気付いたら探偵になり、その流れでぺチコさんに出会ったのです。ぺチコさんは『何で僕は人を殺さないのだろうか?』と訊ねた時に何て言ったと思います?」
「何ですかね?法律の重要性を十分に理解していたから何かですかね。」
「いいや。彼女は澄んだ目で僕を見詰めてハッキリと言ったよ。『運が良かったからよ。』あんなハッキリと言われたら、言い返し様もなくてスッキリしましたよ。ハハッ」
そう言うと水谷はスッキリした顔で空を眺めた。僕達はそんな話をしているうちにレンタカー店へ到着して。何処にでも有りそうなセダンを借りて出発した。するとその時に水谷のスマートフォンが鳴り、近くの駐車場に停車して連絡を取ると相手は千香子であった。水谷は電話の内容をメモすると通話を終わり車を出した。
どうやら屍逝人こと白木望の住所が判り、そこへと向かいだした。車で15分の場所に白木の住むアパートは在り。くすんだ白壁のコンクリート性で特に目立つ建物では無かった。白木の部屋はカーテンが掛けられており中の様子は伺えず。特に周囲にも人気は無かった。
水谷はアパートの壁沿いに車を停車させると車の窓を開けスンスンと鼻を鳴らし。周辺や白木の部屋をスマートフォンで撮影すると車を移動した。そして白木のアパートの近くのコンビニの前に差し掛かった時にコンビニの駐車場に先程のツインテールの女性が目付きの悪い男と立ち話をしていた。少し離れた位置で車を停車させて水谷は車内からそのツインテールの女性と男を撮影した。そしてまた車を走らせると近所のホームセンターへと向かい水谷はそこで買い物をする為に僕を車内に残した。




