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脱サラ異世界転生  作者: 天地無用
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第3話「はじめての戦闘」

 無事パーティを結成した俺達は、酒場を出て、まずクエストに必要なものを道具屋で調達した。

 ルーク曰く、ライラ山道まではそこそこの距離があり、途中でキャンプする必要があるそうだ。

 なので、まずは飯の『ライ麦パン』二個を100Gで購入。

 そして『回復薬』(使えばHP3回復)を三つ、900Gで購入。

 合計支出1000Gで、残りの手持ちが9000Gとなった。

 各自必要な買い物を済ませたあとは、すぐに出発。

 ルークを先頭に、俺達は仕事場であるライラ山道へ向かった。

 その途中の山道――、俺は気になっていたことを神様に聞いてみた。


『なあ神様』

『うん?』

『気になってたんだけど、パーティメンバーのステータスとかって見れるの?』

『見れるよ。特性だけはみれないけど』

『なんで?』

『一応眠れる才能という設定ですから……』


 思いの外メタい理由だった。


『で、どうする? 二人のステータス見る?』

『ああ。みせてくれ。幸運ロールがあれだったからあんま期待してないけど』

『じゃあ姉のリルルから表示するね』


 リルル 12才 女 種族:エルフ

 HP7/MP15

 ちから 1

 きようさ 4

 すばやさ 1

 かしこさ 8

 こううん 5

 かっこよさ 7


『TUEEEEEEEEEEEEEEEEEE!?!?!?

 いやいやいや、なんなんだよコイツ! 『かしこさ8』って絶対おかしいだろコレ! 大魔導師かよ!』

『私もびっくりしたよ。まさかリルルの能力値決定ロールだけで、『クリティカル』と『スーパークリティカル』が二つとも出るなんて。

 子供ハンターは心身共に未成熟ってことで、『こううん』と『かっこよさ』以外のステータス全部に『-1』の下方修正が入ってるんだけど、入っててこの数値だからね』

『もうコイツ一人でいいんじゃないかな……。この大魔導師さま差し置いて活躍出来る気がしないんですが』

『いやでもHPが7しかないからね。相手によっては一撃死もあり得るから、活躍のしどころはちゃんとあるよ。たぶん。おそらく。あわよくば。

 まあリルルはこんなところで、次はルークね』


 ルーク 12才 男 種族:エルフ

 HP9/MP9

 ちから 3

 きようさ 3

 すばやさ 1

 かしこさ 3

 こううん 5

 かっこよさ 5


『びみょー』

『顔が同じ姉と弟。何故差がついたのか。慢心、環境の違い……』

『つーかなんで双子で『かっこよさ』がちがうわけよ』

『自分に自信がある人とか、姿勢が綺麗な人とか、そういうのってかっこよく見えるじゃない? そういう感じじゃない?』


 なるほど。それは確かに。

 ルークも顔の作りはいいんだが、ああもオドオドしてるとそれも台無しだ。


『ああ、それから二人の装備ね。コレはもういっぺんにみせるよ』


 リルル

 武器:ルビースタッフ(習得魔法:フレイム、フォース、フォースソード)

 防具:マジックローブ(装甲値:4 魔法装甲値:8)


 ルーク

 武器:ホーリーランス(習得魔法:ヒール、バリア、キリエ)

 防具:マジックローブ(装甲値:4 魔法装甲値:8)


 …………えっと、ちょっと待て。なんだこれ。


『あの神様。装備品から漂うベテラン臭がすごいんですが……。これドラ○エだったら絶対後半戦の装備だよね?』

『ふふふ。どういうことだろうね。まあそのうちわかるかもね?』

『ずいぶんと含みのある言い方だな。……しかしルビーとか。売ったらものすごい高く売れるんじゃないか?』

『襲う? 身ぐるみ剥いじゃう?』

『剥がねえよッ!?』

『まあ第一印象ロール的に考えて、命令したら脱ぐと思うよ?』

『脱がすか! もうあのクリティカルは忘れろ! そんなことより聞きたいんだが、この武器の横の習得魔法ってなんだ?』

『ああこれね。これは装備することで使えるようになる魔法のことだよ。

 ロールワールドでは魔法は人が覚える物じゃなくて、装備品に着いてるものなんだ。

 杖系の武器には攻撃重視の黒魔術が、槍系の武器には回復・補助重視の白魔術が、それぞれ付属してるんだよ』

『つまりこのパーティだとリルルが攻撃魔法係で、ルークはヒーラーなんだな。

 あれ? ってことは勉強とかしなくても俺も装備するだけで魔法が使えるようになるってこと?』

『そういうこと。ただ魔法にはそれぞれ『目標値』が設定されていて、かしこさロールでこの目標値を上回らないと魔法は発動しない。

 不発の場合MPは減らないけど、ターンを一つ無駄にすることになるから、かなり痛いね。

 それを補って余りある力があるのが魔法なんだけど。――まあこの辺は実際に魔法を使ったときにでも説明するよ』

『ああ。そうしてくれ』


 実物を見た方がどんなものかわかりやすいだろう。

 それによっては魔法使いになるのも有りかも知れない。

 俺だってリルルほどじゃないが、『かしこさ』は6もあるからな。


「あ、あの……っ、レンヤ、さん!」


 ふと、突然俺は後ろからルークに呼び止められる。

 いかんいかん。神様との話に夢中になってる間に、ルークを追い抜いてしまったらしい。


「ああ、わるい。歩幅は俺の方があるんだったな」

「いえその、それはどうでもいいんですが、…………はぁ、はぁ。

 えっと、もうそろそろ、空も暗くなってきましたし、このへんでキャンプを張りませんか?」


 言われてみれば、確かにいつの間にか周りは茜色に染まり始めていた。

 そろそろキャンプを用意した方がいいだろう。

 夜の山道はさすがに危険過ぎる。それは日本生まれの俺にだってわかることだ。


「ああ。俺はいいぜ。リルルは?」

「ゼェ、ゼェ、……り、クエストリーダーの言うことに、逆らうわけ、ないでしょ…………」


 リルルはルーク以上に青息吐息だった。

 そういえばコイツHP7しかなかったっけ。


          ◆◇◆◇◆


 そして俺達はそれぞれに別れて、キャンプの準備を始めた。

 リルルは薪の確保。

 ルークは荷物番。

 俺はというと、近くの沢で人数分の飲み水を確保しに向かった。

 そして俺が飲み水を確保して帰ってくると――


「なにやってるのよ貴方はッッッ!!!!」


 尋常じゃないほどの怒気を孕んだリルルの怒鳴り声が聞こえてきた。

 それは酒場でルークの態度を注意したときとは比較にならない。

 流石に俺もただならぬ事態だとすぐに察して、駆け足でキャンプまで戻った。


「おい! どうしたんだ!?」

「ごめ、ごめんなざい! ごめんなさいぃぃ!!」


 ルークは顔をくしゃくしゃにして、ボロボロ涙を零しながらリルルに謝り続けている。


「なんだ? なにがあった?」

「……アレ」


 リルルが指さしたのは、一際高い木の枝の上。

 そこで頭に角を生やした猿が、パンを食っていた。

 見覚えのあるパンだった。っていうかあれ――


『俺らが晩飯に買ったパンじゃねえかあああああああああああああ!!!!』

『あーあ、やられたね。アレは『猿鬼』っていう魔物で、人間の食べ物が大好物なんだよ』

『あ! 逃げやがった! しかも逃げ足めっちゃはええ!』

『猿鬼は弱い魔物だからね。目的がすんだらすぐに森の中へ隠れるんだ。見つけ出すのはまず無理だよ』

『うぉぉぉ……、まじかよ…………』


 歩き通しで腹めちゃくちゃ減ってるのに……。

 なるほど。ルークが荷物番をちゃんとしてなかったからキレてたわけか。


「どうしてちゃんと荷物を見ておかないの! ルークは荷物番だって言ったでしょ!」

「ごめんなさいっ、ごめ、……ぐすっ。でも、すごく、おしっこしたくなって…………ちょっとだけなら、だいじょうぶかなって、思ったら……っ」

「まったく貴方って子はどうしてそう――」


 まあこれはルークが悪い。

 悪いんだが、もうルークは十分そのことを理解しているように思えた。

 だから、俺はリルルを宥めた。


「まあまあ、落ち着けリルル」

「レンヤ……! でも、」

「もう十分反省してる。このくらいでカンベンしてやれって」

「レンヤ、さん……、ボク…………ッ」

「なあルーク。お前、ハンターとしての仕事はコレが初めてなのか?」

「う、うん…………」

「俺もだ。俺だって初めてで、こんなところにあんな手癖の悪い猿が居るなんて知らなかった。

 だから俺が荷物番してても、お前と同じことをしただろうな」

「ぐす…………レンヤ、さんも?」

「ああ。でも、そういうのがダメだってのは今のでよくわかった。ルークもわかっただろ?」

「……うん」

「ならそれでいい。お互い一つずつ覚えていこうぜ。次は失敗しないように。な?」


 言って、俺はルークの頭をくしゃくしゃと撫でた。

 絹糸のように細い金髪が、指の間をくすぐってとてもさわり心地がいい。


「…………ぅぅ」


 ルークは俺の言葉に、こくこくと何度も頷く。

 きっともう二度と、ルークは同じミスをしないだろう。

 ならそれでいい。一回目は誰だって仕方がないんだから。

 リルルもそのあたりのことはわかってくれたのか、「しょうがないわね」と言わんばかりに鼻で息をつき、


「でもどうするの? ご飯、なくなっちゃったわよ」


 俺に問いかけてくる。

 まあ実際、そこは問題だった。

 なにも喰わないのはキツイ。

 たぶんTRPG的に考えれば空腹はダイスロールにペナルティが掛かるだろう。

 何とかしたいところだが…………ふむ。


『モンハンだとこういうときは現地調達なんだよなー。

 なあ神様。そのへんに食えそうな魔物なり動物なり居ないか? 果物とかでもいいぞ』

『なら幸運…………いやこういう場合は捜索ロールかな。

 能力値『きようさ』でダイスロール。目標値は6でいいかな。

 あとこのロールにはリルルとルークの二人も参加するよ』

『おっ。そりゃ心強いな。なんたって自分、不器用ですから』

『では全員ダイスロール――』


 判定:捜索ロール

 目標値:6


 ・レンヤ

 能力値:2

 実行値:『4,1,1』――出目『4』

 結果:『2+4=6』――成功!


 ・ルーク

 能力値:3

 実行値:『5,5,3』――出目『3』

 結果:『3+3=6』――成功!


 ・リルル

 能力値:4に特性『鷹の目』発動。2ポイントの上方修正で『6』

 結果:自動成功


『ああ。他人の特性ってこういう風に明らかになっていくわけか』

『そういうこと。えー、三人とも成功なので、三人は茂みの向こうに大きなイノシシを見つけます。もちろん食べられます』


 おお、ホントにでかいな。1メートル以上はありそうだ。

 ちょっと怖いが、でも食べられるとくりゃ、もうやることは一つだ。


「全員であのイノシシを捕まえるぞ! あいつが今日の晩飯だ!」

「仕方ないわね」

「ボ、ボク、がんばるよ!」


 そうして俺達は各々の武器を構え、イノシシの前に躍り出た。


『では、ロールワールド初の戦闘開始だよッ!』



 ◆◇◆◇◆――――戦闘開始――――◆◇◆◇◆



 敵:あばれイノシシ(一匹)

 HP:20

 ちから:4

 きようさ:1

 すばやさ:4

 装甲値:?


『コレが今回の敵、あばれイノシシのステータスだね。

 戦闘はターン制。『すばやさ』の能力値が高い者から行動できる。

 このメンバーの中で一番『すばやさ』が高いのはレンヤだね。じゃあ早速行動どうぞ!』

『どうぞっていわれてもな。具体的に戦闘での行動ってどんなことが出来るんだ?』

『レンヤの場合は、ザックリ言えば『攻撃』か『移動』もしくは『パス』のどれかだね。もちろんこれ以外の行動も相談してくれたら内容によっては許可するよ』

『移動ってのはどういうことだ?』

『そのままの意味さ。例えばHPの低いリルルの前に移動すれば、彼女に攻撃が来たときに『かばう』ことが出来たりする』

『おお、なるほどな。それは便利だ』


 リルルのHPの低さは正直かなり怖い水準だからな。

 これは覚えておいた方がいいだろう。


『でもまあここは普通に攻撃するぜ。攻撃がどういうものなのかも掴んでおきたいしな』

『オッケー。じゃあダメージロールだ。使用能力値は『ちから』。ダメージロールどうぞ!』


 ・レンヤ

 判定:ダメージロール

 能力値:5

 実行値:『5,4,5』――出目『4』

 結果:『(5+4)-?=7』――ダメージ『7』

 ※イノシシの装甲値が『2』と判明!


『しかしここでイノシシの回避ロールだ。回避ロールは攻撃されたときに受け手側が発動可能なロールで、似たようなものに防御ロールがある』

『その二つの違いは?』

『回避ロールは『すばやさ』で避ける。防御ロールは『きようさ』で受ける。

 攻撃側は受け手側が『すばやさ』か『きようさ』で出したロールの値を目標値として、『すばやさ』には『すばやさ』で、『きようさ』には『きようさ』でロールして、受け手側が出した数値以上を出さなければダメージは入らない。

 まあ実際やってみればわかるよ。あばれイノシシは『回避』を選択。回避ロール!』


 ・あばれイノシシ

 判定:回避ロール

 能力値:4

 実行値:『1,1,2』――出目『2』

 結果:『4+2=6』


『おっと、合計値は6だね。でもレンヤは能力値だけで『すばやさ』が6あるので、命中ロールは自動成功だ!

 レンヤの攻撃がヒット! あばれイノシシにダメージ7!』

 

「逃がすかよ! うらぁああ!!」

「ブギィィイィィィィイィィィ!!!!」


 あばれイノシシ:HP20→13


『なるほど。こういう風に攻撃したり回避したりするのか。そして回避するか防御するかを選ぶのは受け手側ってことだな』

『そういうこと。つまりレンヤの場合は『きようさ』より『すばやさ』の方がずっと高いから、回避したほうがお得だね。まあ相手の能力値にもよるけど。

 あと回避でも防御でも、1ターン以内に複数回使う場合は、そのぶんロールにマイナス補正が入るよ。

 つまり二回目の回避ロールで『7』を出した場合、その数値から『-1』して『6』になる。

 三回目の回避ロールの場合は補正値は『-2』で『5』にまでロール値は落ち込むね』

『そうそう避けてばっかりも居られないってことか』

『そゆこと。さあじゃあロールの説明もしたところで、次はレンヤにもダメージロールを受けて貰いましょうか!

 あばれイノシシの攻撃! レンヤに向かって猛烈な勢いで突進!』


 ・あばれイノシシ

 判定:ダメージロール

 能力値:4

 実行値:『1,2,3』――出目『ヒフミ』

 結果:ファンブル!


『ぎゃああああああああ!』

『よっしゃあああああああああ!!!!』

『うぐぐ。ここで初『ヒフミ』とは。えーじゃあイノシシは全く見当違いの方向に突進して木に激突。頭を強打し六面ダイス一つ分のダメージと、1ターン気絶で』

『うわ、ダメージの上に気絶かよ。ファンブルこえぇ……』


 判定:臨時ダメージロール

 1d6:出目『3』

 あばれイノシシ:HP13→10


『このダメージには装甲は機能しないのか』

『ファンブルの結果のペナルティだからね。装甲は無しで。

 じゃあ次はリルルかルークの番なんだけど、二人は『すばやさ』が同じなので、まずダイスを一つ振ってどっちが早いかを決めるよ。

 奇数ならリルル。偶数ならルーク。結果は、――奇数。リルルから行動だね。

 このロール結果はクエスト中ずっと適用するから、これからはリルルがルークより早く動くよ』

『たまにはルーク先生の活躍が見たいです』

『祈れ。――リルルは黒魔法『フォース』を選択。

 まずは『かしこさ』を使用能力値にしての発動ロールだ。

 フォースの目標値は7。あ、リルルは『かしこさ』が8あるから自動成功だね』

『さすが大魔導師さまやで』

『リルルはMP5を消費してフォース発動。構えた杖の先から魔力の砲弾が迸る!』


 黒魔法:フォース

 目標値『7』消費MP『5』

 ダメージ量:かしこさ+実行値


 ・リルル

 判定:フォースダメージロール

 能力値:8

 実行値:『3,4,5』――『目なし』


『おっと。戦闘中に初めて目なしがきたね』

『戦闘中も目なしは三回連続で出目『0』扱いなのか?』

『うん。だけど『ダメージロール』に限り、目なしには特別に『チャージ』という効果がつくよ。

 目なし一回で二回目のロール結果に1ポイントボーナス。

 目なし二回で三回目のロール結果に2ポイントボーナス。って感じにね。

 ただし三回目のロールでも目なしを出した場合は強制的に実行値『0』。

 当然、前二回のチャージ分の+もつかないからダメージは能力値ぶんだけになるよ。

 さて魔法ダメージロールの二回目だ』


 判定:フォースダメージロール二回目

 実行値:『1,4,5』――チャージ『次の出目に+2』

 

 判定:フォースダメージロール三回目

 実行値:『5,3,6』――三回連続目なしにつき出目『0』

 結果:『8+0=8』――ダメージ『8』


『今イノシシは気絶してるから防御も回避も出来ないんだよな?』

『出来ないね。でも魔法の場合は元々防御や回避は出来ない。気絶してなくても発動=命中だよ。

 そしてイノシシは魔法に対する装甲は持っていないのでダメージ『8』はそのままイノシシのHPを抉る!

 あばれイノシシの残りHPは『2』だ!』

『魔法ツエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!

 実行値ゼロで8ポイントもゴッソリ持って行くのかよ! しかも防御も回避も出来ないって!

 明らかにバランスブレイカーだろコレッ! 要修正箇所だろこれ!』

『いやいや。そのぶん消費MPが大きい上に、一度消費したMPは一日経たないと回復しないから、魔法も万能なわけじゃないよ。

 具体的に言えば、野宿で一泊して回復するMPは3。宿舎で一泊して回復するMPは6。

 それでフォース一発の消費MPは5だから、野宿じゃ足が出るわけさ』

『なるほどな、そういう方向の使いにくさがあるわけか。…………って、あれ?』


 そんなにMPが貴重ならイノシシが気絶してる今は使う必要がなかったんじゃ……。


『さあ次はルークの番だ! 張り切って行ってみよう!』


 お、おう。


「ルーク! イノシシはもう虫の息だ! とどめを刺してやれ!」

「う、うん!」


 ・ルーク

 判定:ダメージロール

 能力値:3

 実行値:『4,5,6』――出目『シゴロ』

 結果:クリティカル! 絶対命中&最大ダメージ『(3+6)-2=7』――ダメージ『7』

 あばれイノシシ:HP2→-5 HPマイナスのため死亡。


『戦闘終了! おめでとう! レンヤたちの勝利だ!』


「よしっ!」

「や、やったーーーー!!!!」

「まあ、このくらい敵じゃないわね」


『どう? 戦闘のやり方は大体わかった?』

『ああ。魔法がクソ強いことはよくわかった』

『じゃあこのクエストの報酬で魔法が使える装備を買うといいよ。

 マジックソードとか、剣でありながら魔法が使える装備もあるから』

『そうするよ。あと――』

『なに?』

『攻撃のクリティカル報酬は絶対命中なんだな』

『そうだよ。あと最大値ダメージ』

『イノシシ気絶してたし、残りHP2だったし、最後のクリティカル、かなり意味がなか――』

『それ以上いけない』

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