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武芸百般~VRMMORPGの世界で武術という概念は通用するのか?~  作者: orion1196
第2話 駿河、レベリングに興じる
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ウロボロス戦 その二

ゼロ・ブレイドも書きたいし、こっちでもやりたいことあるし……誰か、俺に時間をくれぇ!!

 アガレスと斬月がウロボロスの傷口に止めを撃ち込んでかの大蛇を討伐すると、二人は揃って大蛇の腹の切り口を見て感嘆した。


「すげぇ、『割れて』る…… 」


「今度は『徹甲斬』か、ホントにスキル要らずな人だ…… 」


 驚きを隠せない二人を差し置いてリンは駿河の袖を引っ張った。


「今のどうやったんすか!? ねぇ!! 」


「リン、落ち着け」


「だってさあ〜 」


 ヴァルマに襟を掴まれてもなおリンは駿河の袖を離さない。

 

「何じゃ? 『押し斬り』が知りたいんか? 」


 そう言うと駿河は一度納刀した太刀を抜いて刃先を指差した。


「切っ先で相手を『押す』ことで楔を打ち込む要領で相手を『斬る』っちゅう切り方の一つよ。あまりに硬いものを斬らねばならんのならばこれが一番手っ取り早いわい」


 そう言うと刀を納めて次のウロボロスへの迎撃態勢を取り始める。駿河の態度を見て全員が戦闘モードに切り替わる。


「あ、先程入った経験値でレベルが上がって面白いスキルが手に入りましてな。少しだけ私一人で相手しても構わんかね? 」


「え? 」


 全員がその言葉を理解できなかった。ウロボロスはモンスター分類上『討伐対象系大型モンスター』に含まれており、このカテゴリーは『上位プレイヤー複数人による討伐が前提』なのだ。


「無謀過ぎますよ! 」


 ヴァルマとユーヤが制止するも駿河はそれを笑顔で受け流した。


「技を一発撃つだけじゃよ。もちろんその後は皆でやりますよ」


 流石にそこまではぶっ飛んでいなかったと全員が安堵したその瞬間、空が暗くなっていく。


「やっと来おったか、待たせおってからに…… 」


 駿河がゆっくりとウロボロスへ向かって歩き始めた。七つの首が同時に口を開いたその時、駿河がスキルを発動させる。


「どれ、いってみよう」


 そう言うと駿河は土埃だけを残してその場から消えた。次の刹那にはウロボロスの頭の一つが上に向かって突き上げられるように動き、頸部の甲殻に先程と同じようなヒビが入った。


「使える使える、これは便利だ」


 駿河が微笑む。斬月たちからは遠すぎて事の顛末が見えなかったが、ユーヤとヴァルマには一応の動きの流れが見えた。しかしそれはもはや別の世界のものに感じていた。


「柄頭で相手を突いた!? 」


「しかもその後二回も斬りつけている。2回目はさっきの『押し斬り』だ」


 バックステップでユーヤたちの元まで戻った後、駿河は二人の肩を叩いて念話を飛ばした。


「お付き合いあんがとさん! さぁさぁ楽しい狩りのじかんじゃよ!! 」


「よっしゃぁぁ!! 」とリンが全力でウロボロスに飛びかかり、右の拳をヒビの奥へと突き入れて叫んだ。


衝撃拳(インパクトナックル)ウゥゥ!! 」


 ヒビの隙間が赤く光り、大蛇が残りの首を一斉に動かして反撃しようとする。それを見越していたかの様にヴァルマがリンを庇うように飛び出して防御スキル『絶対領域(パーフェクトゾーン)』を起動させて全ての攻撃を受け止めた。


「ユーヤ!! 」


「ハアァァァァ!! 『全力一刀(バーストスラッシュ)』!!!! 」


 ユーヤが全力を込めて放った一撃は白い光りと共にウロボロスの首を弾き飛ばし、大蛇の態勢をよりアーチャーたちが狙いやすい状態へと押し崩した。


「斬月さん! 」


「あいよっ、『裁きの一矢ジャッジメント・アロー』!! 」


 傷口に直接最大火力攻撃を立て続けに食らい、ウロボロスは生気を失ってその場に崩れ落ちた。二体の大蛇の骸がポリゴンを纏いながら消失していくと、ガイドアナウンスの無機質な声がフィールドに響き渡った。


「クエストを達成しました」

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