そんなの選べるはずがない !
そういえば、まだ三次元に来ている理由を聞いてなかった。気まずい状況のなか、俺は思いきって聞いてみた。
「あのさ、結局どうして二人は三次元に来たんだ ? 」
俺が少し表情を強ばらせながらそう聞くと、リサリサはこう言った。
「あ、そうだった。まだ言ってなかったね ~ 結構長くなるけど、大丈夫 ? 」
「お、おう...」
いったい、どんな理由があるのだろうか...そわそわしながらも、リサリサの話に耳を傾けた。
「じゃあ、話すね。私たちは、あるプロジェクトによってこっちに来たの」
「プロジェクト... ? 」
どんなプロジェクトなんだろう...そう疑問に思っていたら、次はさくらたんが丁寧に説明してくれた。
「はい。3D嫁計画というものなのですが、近年の日本では二次元の依存で三次元で結婚をする男性が減ってきているんです。三次元での恋愛はめんどくさいから、二次元で充分。といった考えの方が増えているんです。」
う、まさしく俺だ...と思っていたところでリサリサが説明を付け加えた。
「そこで、日本のそういう男性を減らせるように、その人の二次元嫁を三次元嫁にしよう。っていうプロジェクトなんだ ~ そこでまずは実験っていうことで、サンプルとしてショウタが選ばれたって訳」
ということは、何百万人もいる男オタのなかで唯一俺が選ばれたってことか。それってものすごくラッキーなことだよな ? でも、まだ高校生なのになんで俺が選ばれたんだろう...
「でも、なんで俺が選ばれたんだ ? まだ高三なのに」
俺がそう聞くと、さくらたんが丁寧に教えてくれた。
「それは、最初は若い人からの方がやりやすい、とういことです。実際、笹原くんは私たちのことを信じてくれていますよね ? 」
「う、うん。そうだな」
「それに、笹原くんは、その...」
なんなんだろう。気になる。けど、なんか嫌な予感がするような気がする...
「そーれーはーショウタが恋愛経験ゼロ ! もちろん、彼女いない歴 = 年齢の童貞だからだよ ~ 一生そのまんまっていう人も多いから、今のうちに対策しようっていうことで、ショウタが選ばれましたー ! 」
リサリサはにやにやしながらそう言った。まぁ可愛いから許すが、そんなことまで知られてるとは...恥ずかしいな...
「そこで問題があって、笹原くんの場合は二次元嫁が二人もいるということなので、どちらと結婚するかを2019年3月31日つまり、笹原くんの18歳の誕生日までに決めてもらいたいんです」
とういことは、一年以内にこの二人から一人だけを選ばないといけないってことか...そんなことできるはずがない。でも、もし一人を選らんだとして、もう一人はどうなるんだろう...
「あのさ、もし仮に俺が二人のうちどっちかを選んだとしたら、もう一人はどうなるんだ ? それに選んだ方はアニメから消えちゃったり... ? 」
「選ばれなかった方は二次元に戻るよ。アニメはもうリサもさくらも無いから、それは安心して ~ 」
「え ! ラブアイ ! も魔法少女☆さくらも、もうアニメやんないの ! ? 」
「そうなんです。3D嫁計画はもう放送が終わったアニメのキャラクターから選ばれることになっていて。説明不足ですみませんでした」
「い、いや俺ももう続きは無さそうだなーって思ってたから、大丈夫 ! 」
俺は今、嘘をついた。実はまだ続編があるんじゃないかと先月の最終回からずっと期待していたのだ。
「じゃあ今日から、ショウタに選らんでもらえるように頑張るね ~ ! 」
「わ、私も笹原くんに選らんでもらえるように頑張ります ! 」
どっちもかわいすぎて選べないよー! ああ、もう、どっちにしようか俺の嫁 ! ?