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胸にヲタクという誇りを掲げて  作者: ニムル
第二話 ぼっち部
12/12

第6節/ぼっち部は皆ヲタクにあらず

今回は、2話後半に入るための導入です。


珍生ゲーム続くと思っていた方はごめんなさい、いつか番外でフルバージョン書きます。

 あれから、泡沫さんと関わってからみんなの印象が変わっていった。


 いや、本当に僕の中だけの印象が変わったのだろうか?


 みんな、平たく全身に貼り付けていた嘘でできた幕を、泡沫さんの泡で剥がされたのではないだろうか。


 あの日を境に、ぼっち部は変わっていった。


 どうなったのか、それを自分の中で整理をつけるために、ぼっち部の面々の自分の中での印象をまとめて見ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 茣蓙川(ござがわ)紳士(しんし)先輩。


 三年男子、趣味はゲーム、アニメ鑑賞、キャンプ。


 身長は190程で体型は大柄で露骨に太っている。何なら実は鎧でも着込んでるんじゃないかというほど。


 いつもフードを深くかぶっているという見た目の印象にそぐわずに、やたらとアウトドアに詳しく、自身のキャンピングカーを所持しているという噂がある。(あくまで噂であるため事実かどうかはわからず)


 宗像(むなかた)鈴里(すずり)先輩。


 二年女子、趣味は運動。運動の中の何かが好きなどというものではなく、運動そのものが好きなのだという奇人。


 170近くの身長に茶髪のポニーテール。肌は色黒で胸元には大きくて邪魔そうな肉塊が二つついている。


 その性格は見た目通りに快活な少女だ。ちなみに中学の時に陸上女子の日本新記録をたたき出したという噂がある(あくまで噂であるため事実であるかどうかわからず)


 快活すぎるが故に周囲の人間から引かれ、「そんなところに痺れるあこがれるぅ」な男子達の告白も、自分と十種競技で勝てた男しか付き合わない、と突っぱねているらしい。


 正直いって不可能だろう。この間もルームランナーで自身の脚力だけで5時間走り続けていた。


 鎖屋(くさりや)愛留美(めるみ)先輩。


 三年女子。趣味はBL、主食、おかずもBL、日常的にBLブロマイドを自作して校内にばらまくという迷惑行為を行う奇人。しかし、何故か教師からの信頼は厚く、注意されることが一切ないのが現状。


 親が付けたその名の通り育つ、ことはなく、某テレビから出てくる女の幽霊のように髪を長く伸ばしている。


 身長は150くらいだろうか、小柄で髪が長く、痩せ型。恐怖の三拍子が綺麗に揃っている。


 完全に腐りきったその性格から、「BLハンターの腐リ矢」と陰で呼ばれ、書店等でBL書籍を漁る彼女の目撃情報は多々。


 過去になにか大きなショックがあったせいで現実のイケメンに心を開けなくなった、という噂がある。(あくまで噂であるため事実であるかどうかわからず)


 峯岸(みねぎし)碧華(あおか)


 一年女子。髪型はショートボブ。身長160そこそこで男子からの圧倒的人気を誇る。よく理事長室に出入りする姿が目撃されており、芸能界デビューが近いのではないかという噂が耐えない。(あくまで噂であるため事実であるかどうかわからず)


 こちらも男子からの告白はすべて断っており、女子との交友の話も一切聞かない。


 と、ここまで部員の面々のことを語ってきたわけだけれど……謎だらけで意味不明なこの面々の中でも最も謎なのがこの人。


 水無月(みなづき)桃花(とうか)


 三年女子。ただし、女子だという事実を知っているのはごく一部の人間で、彼女自身は自身のことを男と言い張っており、声も中性的なため見分けがつかない。


 僕が見分けをつけることが出来たのもほぼ奇跡的で、たまたま月一のちゃんと女子の制服で通っているところに遭遇したからである。


 普段は男子用の制服に身を包み、髪型も中性的に方に届くか届かないか程度の長さで通している。


 この人にはほかの部員にある(あくまで噂であるため事実であるかどうかわからず)というものはなく、その代わり存在そのものが謎、という特異なケースだった。


 彼女のことを知っている人間達は必ずこのように話す。


「彼がなぜ未だに学校に来れているのだろう」と。


 出席日数については足りているが、何分授業に参加しないために単位は確実に足りていないはずだ。


 そんな彼女が退学になっていないというこの事実は、真面目に学校に来ている他の人間を侮蔑する行為であり、真面目が損をするというのはこのようなことか、ということが伺える。


 兎にも角にも単位の足りないはずの彼女が部長を務めることが出来ている理由もわからず、イレギュラー度が極まりを知らなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 まだこの時の自分の中の彼らのイメージは可愛らしいものだっただろう。


 ぼっち部の何ふさわしい、元からぼっちの人間と、ぼっちにならざるをえなかった人間たちという印象しかなかったろう。


 彼らが、平凡である僕にはとてもついていけないくらいのイレギュラーであり、僕は完全に場違いなのだということを知るのは、もう少し先の話だ。

読んでくださりありがとうございます!


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