食べてもらえることが嬉しい。煉夏を突き動かす理由。
いつもありがとうございます!
……昨日は3回投稿してすみませんでしたっ。
「いや、それは成長しなかったで済む問題じゃないだろ」
大人にしては小さすぎる。病気とかの線はないのだろうか? それだけが少しだけ心配になった。
……とりあえず、飯も食ったし風呂入るまではやることがない。
俺は膝の上に座ったままの煉夏の頭を撫で撫でしながら、趣味を聞いてみることにする。
「煉夏の趣味って何なの?」
「私の趣味ですかっ? そうですねぇ……料理、ですかね!」
「目玉焼きしか作れないのに?」
「ですですっ! でも、文句を言いながらも美味しいと言って食べてもらえるのが嬉しいんです!」
「まぁ自分が作った飯を美味しいと言ってもらえるのは嬉しいよな」
あの親父相手に飯を作ったときだって、美味いと言ってもらえて少しだけ心が揺れた。
「それに、会得したスキルを誰かに振る舞える環境があるって最高じゃないですかっ?」
「確かにな。自分は常にそのスキルの恩恵を受けているわけだけど、誰かに対して使ってやりたいし」
自分の思い通りに作れて、それが味わえるのは素直に嬉しい。けど、結局自分のためにだけ作ることになると、次第に「いいや」となってしまう。
「ですよねっ! ですから、煉夏は嬉しいのですっ! お兄ちゃんが美味しいと言って食べてもらえることが! なので、これからもいっぱい食べてくださいね!」
「任せとけ。それから俺も作るから、その時はよろしくな」
「はいですよ!」
そんな丁度いい感じに会話が終わった時、風呂が溜まったメロディが聞こえてきた。
俺の汁を堪能されても正直恥ずかしいので、煉夏に先に行くように言う。
「分かりましたっ!」と、思いの外素直に言ってくれたので、ひとまず安心。
彼女が入っている間に着替えの服を取りに戻ろうかと、階段の一段目に足をかけたところだった。
『おにいちゃーん!』
特別焦ったような声でもなかった。けど、少し気になって風呂場に行くと――――
「にゅふふっ、かかりましたね!」
「お――――」
おい、そう全て言い終える前に俺は風呂へと詰め込まれた。
この展開いつか体験したような? と、軽くデジャブってると、服を着ている俺に遠慮なくお湯をかけてくる煉夏。……正直服くらい脱がせてくれよ。
「一緒ですねっ! お背中お流しします!」
「あ、うん……まぁ頼むよ」
恥じらいなんかない。向こうから誘ってきたのだから、事案にはならないのだ。
おまけに彼女のロリボディは興奮する要素がないはずだ。強いてあげるなら、下の方のツルツル地帯だが、そこは幸い隠してくれているので問題ない。
「かゆいところはないですかっ?」
「おう。気持ちいいよ」
「じゃあそろそろ前を……ぬふふ」
「ああ頼むよ」
「えぇっ!? そこはダメとは言わないのですかっ?」
「だって煉夏から引っ張ったんじゃないか。やってくれないのか?」
頼むからそこで止まってほしい。じゃないと俺の息子が煉夏に対して御開帳されてしまう。
「わ、分かりましたっ! そもそも最初にそういうことを言ったのは煉夏ですもんねっ! や、やりますよ!」
そっと限りなくゆっくりなペースで、俺の前に移ってこようとする煉夏。だが、その煉夏の腕を俺は少し強い力で掴む。
「や、やっぱりいい。逆に俺が煉夏の体を洗ってやろう」
「本当ですかっ!? お願いしますっ!」
えぇ……。どうしてこうなったのだろう。
喜々として隣にあった風呂用の椅子に座った煉夏の後ろに移動して数秒固まる。
いつまでも手が伸びてこないことが不審に思ったのか、その状態で俺を見上げてきた。
「どうしたんですかっ?」
「あ、いや……さ、触ってもいいのか?」
「大丈夫です! さぁ、どうぞっ」
そうは言われてもなぁ……。素肌に直接触るなんて夏恋以外では体験したことのない俺には荷が重い。
本当のところは分からないけど、煉夏の肌は二十代とは思えなかった。
が、いつまでも躊躇している場合ではない。もしかしたらもう一度前を洗うと言われるかもしれないし。
俺は煉夏の柔らかいだろう肌にちょぴっと手を触れる。
その瞬間感じたのは男のようにゴツゴツではなく、ふにょんといった感じの手応え。
「く、くすぐったいですよっ」
「わ、悪い……」
無茶を言ってくれるな無茶を。大体どうして俺らは平然と一緒に風呂に入っているのだ。
恥じらいなんかないなんて嘘だ。俺は思い切り意識してしまっている。
「こ、こんな感じか?」
「はいっ。あっ……んっ……えへへ……少し変な声が出てしまいましたっ」
「……うん、そういう声を出すのは止めてくれな」
本格的にやばくなりそうだ。何がやばいって、俺の息子が今にも爆発しそうでやばかった。
いくらロリボディといってもその柔肌に触っているということや、喘ぎ声に近い吐息。
エロビデオなんかでは味わえないシチュエーションを、今こうして俺は体験している。
俺はひたすら無心を意識して、煉夏の体を洗い終えた。前? そんなん自分でやってもらったさ。
今はお互い湯船の中でゆっくりしてる最中。……出るべきだったのだろうが、煉夏に止められてしまえばどうしようもない。
「ふぅ~……お兄ちゃんと一緒にお風呂、色々ドキドキとしますが楽しいですねっ」
「俺は終始疲れたままだったよ……」
確かにドキドキはしたなうん。
俺が体操座りの崩れかけ状態みたいな感じで座っていて、その足と足の間に体をねじ込んでる煉夏は笑って言った。
「中々煉夏とお兄ちゃんの相性はいいんじゃないですかっ?」
「そうだな。普通初日でここまでできないだろうし、きっと煉夏の勢いがいいからかな」
「これからも煉夏はお兄ちゃんに遠慮しません! お兄ちゃんも煉夏に遠慮しないでくださいね!」
「おう。でも多少は遠慮してな。今回みたいなことはさ」
どうせならぎこちない状態で過ごしたくはない。
さっき自分で言ったように、俺と煉夏はきっと上手くやれるはずだ。
「あ!」
「な、何?」
「そういえば言い忘れていましたが、明後日から煉夏はお兄ちゃんのクラスに転入するのですっ」
「え? 二十なのに?」
転入なんかよりも驚いたことはそこだった。きっと俺でなくても同じことを聞くはずだろう。
「ですね! 歳なんて関係ありませんっ! 浪人の方だっているのですからっ」
「そりゃまぁそうだけど……俺の情報ってどこまで知ってる?」
「お兄ちゃんは星間学院にテスト生として転入しました!」
「おう、次は?」
「そこでアインツベルンさんのとっつきづらさを改善してあげましたねっ」
「お、おう……よく知ってるな」
情報が外部にダダ漏れだ。犯人は学院長と親父だろうか?
「そして、お兄ちゃんは異性から接近されまくりっ。これからハーレムが築かれるのか!? 乞うご期待ですっ」
「な、何で宣伝みたいになってんのさ……まぁ知ってるなら何より。でも、俺の実験が上手くいかなかったら無駄になるぞ?」
「お兄ちゃんと過ごす時間に無駄な時なんてありません!」
煉夏を突き動かすのは何なのだろう。
金だろうか? けど、金だけで全然知らない異性のためにここまで動けるのは何か理由がないと無理だ。そこら辺が煉夏の分からないところ。
初対面でも無条件で信頼を寄せてくれる相手だからすぐに忘れがちになるが、これが学院の女の子だったらこうはいかないだろう。
普通は一段一段積み重ねていくのが定跡だ。が、煉夏の場合はそれをすっ飛ばして、いきなり遥か上のレベルから始まっているので、終始疑問が尽きない。
だが、信頼を寄せてくれているならば問題はないはずだ。あのクラスは色々と気苦労する場面も多くあるような場所だし、煉夏にサポートを頼もう。
「じゃあ明後日から、学院でもよろしく頼むよ」
「はいっ! お任せあれっ、です!」
俺の言葉に煉夏は笑顔で頷いてくれたのだった。
煉夏が20って設定を変えようかなと思ってる次第ですが、ロリボディで20は面白い感じですのでそのままにします。




