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素人はどこまで税について語れるのか聞いてみた:税理士法と税務相談

目次

1 はじめに

2 どこに聞いたの?

3 質疑応答の要旨

4 感想

1 はじめに

先日、税法に関するエッセイを書いたところ、それは税理士法違反ではないかとの指摘を受けました。


税務相談ができるのは税理士だけ。

と、税理士法に書かれています。

刑事罰もあります。


では、税務相談とは何か。

具体的な相談を受けなければ税務相談ではないのか。

少しでも税に関することであれば税務相談なのか。

税理士法の条文や通達を読んでもよくわかりませんでした。


そこで、餅は餅屋。

知ってる人に聞いてみることにしました。


2 どこに聞いたの?

国税局の代表電話にかけ、税理士法について質問したいと伝えたところ、総務課税理士係に案内されました(ご迷惑をおかけしないよう、どちらの国税局かは伏せさせていただきます)。

個別具体的な事例についてはケースバイケースとのことでしたので、一般論として回答できる範囲で、とお願いして、いくつか質問させていただきました。


3 質疑応答の要旨

以下の質問は、インターネットのブログ等に記載することを前提に行いました。


質問

架空の事例を用いて、税法に関するコラムを書くことは税理士法に抵触し得るか。

回答

内容によっては、抵触し得る。


質問

以前、国税局の職員が局の許可を取って、休暇等を用いて執筆した質疑応答集などの本を読んだことがあるが、これは税理士法には抵触しないという理解で良いか。

回答

以前はそのようなこともされていたが、今はそういったことはされていないはずである。

これは、最近変更されたことである。


質問

税理士法違反になるか否かを判断できるような指標となる通達や文書などはあるか。

回答

そういったものはない。

個別具体的に事例を見て判断することになる。


質問

では例えば、「サラリーマンが医療費の領収書を残しておくと税金の還付を受けられることがある」ということは一般的に言われていることだと思うが、これを記載することは税理士法に抵触するか。

回答

質問の内容程度の記載であれば、抵触しない。


質問

例えば、ある事柄について税法の条文や基本通達、タックスアンサーなどを紹介することは、税理士法違反になり得るか。

回答

公表されているものを案内するだけであれば、税理士法違反にはならない。


質問

例えば、税法についての検討や解釈を書くことは、税理士法違反になり得るか。

回答

内容によっては、なり得る。


質問

税理士以外の者が、税理士の監修を受けた文書を記載した場合、違法性は阻却されるか。

回答

されない。

例えば、税理士事務所で税法の検討を職員が行なった場合でも、最終的に検討結果を判断し、顧客に伝えるのは税理士である。

それと同様に、例え監修を受けていたとしても、記載する者が税理士でないなら、税理士法に抵触するか否か検討が必要になる。


(著者注:税理士事務所の職員が、税理士の指揮監督の下に、税理士の検討結果を顧客に伝えることが適法か否かは、質問していません。あくまでブログ等に記載できる範囲について確認したかったので、この例えについては、詳しく質問していません。)


質問

もしかして、このような質問をするのは、国税局ではなく税理士会の方が良いのか。

回答

いいえ、税理士会よりこちらの方が適切である。


3 長い三行で

架空の事例でも税理士法違反になり得る。

違反になるか否かの基準を示した文書はない。

条文や通達等を紹介することは大丈夫。


4 感想

正直、架空の事例でも税務相談に該当し得る、という回答には驚きました。


しかし、考えてもみると、架空の事例を何でもオッケーにすると、それを抜け穴にした事例が出てきかねません。

そういったことを踏まえて、あえてはっきりさせていないのかもしれません。


とはいえ、税理士業務を税理士でない者が行うことには、刑事罰があります。

罪刑法定主義の観点からすると、もう少し大丈夫な部分をはっきりして貰いたいと思いました。


最後に、貴重な時間を割いて対応いただいた国税局総務課税理士係の方に、謝意を示して、締めさせていただきます。

ありがとうございました。


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[一言] ためになりすぎてやばい。
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