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色えんぴつ(実話)

作者: アムロ


大学2年生のころだったと思うのですが、そのころ同棲をしていた彼女がいました


ナンパで知り合った子で、かわいい子だったのですが、彼女も大学生


なにしろお金がお互い無く、同棲生活は極貧状態でした


だいたい一日、二人で千円くらいの食費でやりくりしていて、


ご飯も一緒に作ってできるだけ安く済ませていたし


外食もできるだけ控えて、ファミレスとかは半年に一回くらい、しかも高い肉はたのまなくて


ほんと貧乏な生活だったんですけど


お風呂は一緒に入ったり


一日中ふとんの中でセックスばかりしてたり


大学はほとんどさぼって二人で写真撮ったり、本を読んだり、DVDを借りてきて、一日中見ていたり


彼女の誕生日が9月で、


彼女はなにもいらないと言っていたんですが


ぼくはどうしてもなにか買ってあげたくて


そういうと


じゃあ、「色えんぴつがほしい」と彼女がいったわけです


色えんぴつ?


そんなものでいいの?


って思ったんですけど


そんなものすら厳しいような金銭状態のわけで


でもなんとかお金をためて買ったんです


2600円くらいだったかな?


24色の色えんぴつ


それを渡したとき、彼女が子供みたいに喜んだんです


いまでも覚えてます


ほんと子供みたいで


はしゃいで喜んで


ありがとう


嬉しい


って


それから夢中で彼女はその色えんぴつで絵を描いてくれました


とってもかわいい絵を




ぼくが大人になって


いろんな女の子と付き合って


お金もあって


いろんなものをあげました


ティファニーのネックレス


4℃の指輪


ダイヤのネックレス


ピンクゴールドの指輪


でもあのときのあの子が喜んだあの笑顔に


あの心から嬉しそうにしたあの瞬間は


あれ以来一度も経験してません



たとえお金がなくても幸せになれると思う


お金がなくても


いまお金はむかしよりたくさんもっているけど


あの時のあの彼女の笑顔は


あれ以来一度も経験していないんだから



貧乏だけど楽しかった


貧乏だけど幸せだった




もうその子とは連絡先もわからなくなってしまったけど


いまでも心の中にある大切な思い出

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