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霊感

退屈な日常に何かが起こって欲しいと思っている方は是非、気軽に読んでください。

どこからともなく声が聴こえる…。

明らかに怒っている女性の声だ。


なんで地鎮祭やってんだよ!

 どこまで霊感弱いんだよコイツら!

 この地中深くに骨があるんだよ!

 ピチピチの女子高生の骨が!

 ふざけんな!

 何幸せそうにしてんだよ妊婦!

 何満足そうにしてんだよ旦那!

 地鎮祭やってたさっきの神主の野郎なんかさっき手鏡なのか計算機なのかトランシーバーなのか電話なのかわからない何かでエッチな写真を見ていたんだぞ!

 こんな地鎮祭で

アタイの魂が浮かばれるかよ!

 ふざけんな!

 いい加減に気づけ!

 気づけ!

 気づけ!

 いつまでアタイは

ここにいなければいけないんだ!

もうやだ!

もうやだ!

誰か

誰か

誰か

誰かああああああああ!


………………


ほんのちょっとベットに横になっただけなのに、いつの間にか時刻は午前四時である。

 単なる居眠りのつもりだったので、今現在パジャマであるはずもなく、寝心地の最悪な、固いジーンズ、そして上はシャツ一枚である。

 机の蛍光灯がつけっぱなしであることに気付き、ため息をつく。

「…何をやってんだよ俺は…」

 開きっぱなしの参考書の脇には眠気覚ましのためのコーヒーが冷たくなり、虚しく放置されている。

 …一夜漬けなんてするもんじゃないな。

 俺はこの時点で、これから五時間後に行われる中間テストの数学の試験の赤点を覚悟する。

 ぼんやりしながら階段を降り、洗面所で顔を洗う。

 目を覚まさないと…。

 それにしてもさっきなんか変な夢を見たな。

あんまり気持ちのいい夢じゃないかった気がするけど。

 なんか女の子の声が延々と叫んでいたような気が…。

 まあいいや。

 勉強しないと…。

とにかく少しでも覚えていかないと下手したら0点という結果も充分にありえる。

その時、

「ん?」

 一瞬鏡を確認する。

 念の為に後ろを見る。

「……」

 そこには何もない。

 でもさっきなんとなく鏡に映る俺の背後に人がいたような感じがした。

 最近やたらとこういうことが多い…。

 蒸し暑い夜とはいえ、気味の悪い冷や汗は勘弁してもらいたい。

 念のため、恐る恐る後ろの和室や仏壇も確認する。

 誰もいない。

「気のせいか…」

 その後数学の参考書を見たのだが、今度は机で眠ってしまい、朝七時半の目覚ましに起こされて、自己嫌悪に陥る俺だった。



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