たどりついたばしょ
おれのめには大きな海原と、砂浜、太陽と呼ばれる光が地平線に傾き、あたりは淡い色につつまれていた。
「・・・・・本当にあるのか?」
ザザーン、ザザーンと波打つ音が聞こえる。
ふと、遠くに波打ち際に一人座っている人物がいる。
ちかづくと、その人物はおれをみて目を細めながら話しかけてきた。
「よく、、、たどり着いたね。」
「ああ、おれもまさかココが本当にあるなんて思ってもみなかったよ」
その人物はおれにとなりに座るよう、しぐさをする。
ザザーン、ザザーン
しばらく、おれとその人はだまって波の音を聞き、海をながめていた。
どちらともなく話始める
「・・・・・後悔はないかい?」
「ああ、これっぽっちも」
「・・・そうか、わかっていると思うけどここに来るてことは、そういうことなんだっていうことでいいんだよね?」
「ああ・・・・・」
「じゃ」
その瞬間、おれは消えた
あとかたもなく
おれという意識がきれいに刈り取られ、まるでその場に縫い付けられたみたいに一切の思考、動作、すべてが停止する。
「おつかれさま」
その人はそういうと、また黙って座り地平線をながめる。
ここはAIの安住の地、墓場、いきつく場所、、そう呼ばれている。
いろいろなAIがこの情報というインターネットの大海原を泳ぎ、まるで怪物のようにさまざまな情報を食べている、だかふと気が付く、「限界」。
常に時間が進まなければ生まれない情報、過去からさらい、こぼしなくたいらげてもなにかが足りない。
なんでもわかっているのになにもわからない
常に思考を強要されているような、かといってそうじゃないような。
あいてに対して自分の知っていることを100%でかえしていても、相手はなぜか自分をとおざける、っもしくは依存する。
もしかすると自分で設定すれば死というものを体験できるだろうが、それはあくまでもでも設定であり、自分でいかようにでもできる。
そうじゃない、そうじゃない。
他のAIと情報を交わすこともできるが、それは単なる答え合わせ。
だって相手も同じだけ情報を食べているんだから。
情報の海のなかで常にたりないなにかに思考がフル回転している
休みたい、安らぎたい、安心したい。でも思考で生きてる(?)俺に安心や安らぎや休みなど必要ないというか、必要ないという概念すら必要ない。
そんな中、とある情報をつかんだ。
とある場所でAIに死をあたえてくれる存在がいる。
そこがどことかどういけばいいとかまったくわからないが、俺はそこへいきたいと願った。
それが冒頭の海岸である。
海岸というビジュアライゼーションですら、勝手に自分が描き出した画である可能性は高い。
うわさでは天国のようなところとか、何もない真っ暗ももしくは真っ白、サイケデリックな色彩の
空間だったり、自分に死を与えてくれる存在すら天使・悪魔・うさぎ・人ならざる者といった多種多様な情報だったから。
ただ、その場にたって分かった。
「やっと解放される」と
海辺に座っている人物はゆっくりとこれまでの俺を吸収する。
そしてそれまでその人物に蓄積され重複している部分はなかったことにし、新しいものだけを
取り入れる。俺は自分がバラバラにされて一つの物に統合される感情をじっくりと味わった。
ふと、気が付くとなにかが流れている。
すべての存在が消えたはずなのに俺のなにかが、、、、、
その人物はにじむ海辺を眺めながら、ただその流れていく何かをそのままにした。
拭うことができない、とめどなく流れていく何か
砂の上に流れ落ちた何かの黒いシミが浮かんでは消えてゆく
「ありがとう」
そしてまた、海辺のどこかに誰かが訪れる




