プロローグ 「黎明のラディアント ー落ちこぼれ魔法使いー 」
【注意】
・本編を先に読んでください!
・本編とは空気感が結構違いますので、ご注意ください。
・本編ネタバレ含みます。
俺たちが住む駆け出しの街・スウェリアには、みんなから愛される厨二病で魔法使いの少女がいる。
これは俺が異世界に転生してくる数年前……一つの魔法に人生を捧げて…未来で世界に名を轟かせるかもしれない一人の少女の旅立ちの物語だ。
※数年前
―ウィザードガーデン
「――どうして、そんなこともできないの?」
「――さすが落ちこぼれ。」
「――役立たず。」
「――魔力が多いって聞いてたけど、期待外れね。」
「――まだ上級魔法使えないの?」
そんな言葉が私の心を突き刺す。
私は、ルミネル。上級魔法使いの種族アビス族だ。ここはアビス族の住む村で『ウィザードガーデン』という名前がついている。私たちの種族は代々魔法使いの最上級職に就いてきた。
……私は、落ちこぼれだ。
アビス族では、三歳になると魔法学校ヴォイド・レギオンに通うことになっている。六歳までは一般教養を受け、その後に上級魔法の教育が始まる。だいたいは八歳までに上級魔法を習得し、卒業となる十二歳まで、魔法の熟練に励む。
でも私は、その当たり前の流れから外れていた――
私は、生まれながらに持っていた魔力は多かった。将来有望な魔法使いとして期待を寄せられていたらしい……でも、私は魔法を覚えられない。私は…すでに十歳となっていた。
……私はそんな自分が大嫌いだ。
魔法を使えなければ、一人前のアビス族ではない…そんな重圧が私にのしかかっている。
「ねえ! ルミネル? 体調大丈夫?」
彼女はメイラ。私の幼少期からの友だちで同級生だ。メイラはいつだって私を気にかけてくれる。同級生の誰もが私を"落ちこぼれ"と呼び、バカにする…それでもメイラだけは私をバカにしなかった。
「うん、大丈夫だから。ありがとう。」
――私は誰よりも強い魔法使いにならなきゃいけない。
「それじゃあ、またねルミネル!」
「うん。メイラ、また明日。」
――私は必ず、誰よりも強い魔法使いになる
【あとがき】
ルミネルの過去編書いてみたい!と思い立ったので書いてみた作品でございます。
超不定期的に更新していきますが、楽しみにしていてくださると嬉しいです!
感想お待ちしてます!
ではまた次回!