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引きこもり生活の日常~前川君の場合~

作者: ばる

ふと目が覚めた。

布団の中から手探りでスマホを探し出して電源ボタンを押す。

Twitterの通知が大量に来ているのが目に入り、そそくさと通知の内容を確認していく。

どうやら昨日の夜に投稿したツイートが伸びていたらしい。

ささやかな満足感を感じながらもはやルーチンワークと化した

タイムラインのチェックを終え、そういえば今何時だろう?と現在時刻を確認する。

[13:37]

いつの間にかお昼を過ぎていた。

一瞬だけもったいないなぁとも思ったが冷静に考えればいつものことだったのであまり気にしないことにした。

昨晩は深夜3時までゲームをしていたわけだし、こんなものだろう。

そんなことよりもおなかがすいて仕方がない。

まだ、頭は回っていないがひとまず布団からその体を起こしてキッチンへと向かう。

何か食べるものは無いかとゴソゴソとキッチン棚を漁る。

同居人の父親は今仕事で出張中の為、住人は自分一人だけである。

まるで家の主になったかのようなささやかな優越感を抱きながら、そこらへんにあったカップ麺を取り出し、

お湯を沸かしながらスマホでニュースを見る。

ニュースは最近世界的に流行しているウイルスの話題で持ちきりだった。

父親も本来、一週間程度の出張だったのだが、この騒動のおかげで帰るに帰れない状況らしい。

家に居座られてもうるさいだけなのでその連絡を受けたときは内心喜んでいたものだ。

とはいえ、まさかここまで大騒ぎになるとは予想もしていなかったのだが・・・。

一通りニュースを流し見終わるといつの間にかお湯が沸いていたらしい。

カップ麺にお湯を注ぎ、ついでにお菓子を適当に見繕って自室へと戻る。

アニメを見ながらカップ麺をすすり、今日の予定の確認も平行して行っていく。

今日は夜の20時から文明シュミレーショゲームのマルチをする予定が入っているが、それ以外の予定は特にない。

それまでのこの暇な時間をいかに過ごそうか?

とりあえずこのアニメ作品は完走するとしてもまだ2時間以上はある。

たまには読書でもとは思うもの、モチベーションが沸かない。

勉強?ナニソレオイシイノ?

昼寝してもいいけど、寝過ごしたら申し訳ないしなぁ・・・。

他のゲームをして潰す?

うーんそういう気分でもないしなぁ

まぁ後で考えればいいかぁとアニメの消化に取り掛かる。

少し外が暗くなってきた頃、とうとうアニメを見終わってしまった。

結局何するかは決まらなかった。

とりあえず、Twitterにアニメの感想を投稿してまだお風呂に入ってないことに気が付く。

別に外に出てるわけでも無いし服脱ぐのだるいしいいかな~と思ったが特にやることも無いので適当にお風呂に入る。

風呂から上がると不在通知が来ていた。

誰からだろう?とコールバックしてみると父親からであった。

どうやら一人で生活出来ているか心配していたらしい。

大丈夫と返事すると細かい小言を言ってきてイライラする。

このままではどうにかなりそうなので、話題変更もかねて向こうの状況について尋ねることにした。

どうやら職場の人間に感染者が出たらしく今は、出先のホテルで半ば軟禁状態にされているようだ。

感染拡大防止の為、最低でも2週間はその状態を維持しなければならないらしい。

おかげさまで仕事からは外されたようだが何もすることが無く退屈らしい。

一日3回出されるホテルの食事だけが楽しみだとか。

ああそうそう、スーパーで食料の買い占めが凄いらしから、今のうちに食料の買いだめをしていたほうがいいぞと教えてくれた。

そんなに酷い状況なのかと半信半疑なのだがニュースもTwitterもその話題ばっかりなのできっと皆大変なのだろう。

気が向いたら明日にでも買い出しに行ってやるかと冷蔵庫からコーラを取り出し自室へと戻る。

まだ約束の時間まで一時間以上あるのだが、やることも無くて暇だ。

とりあえず、お布団にダイブして今日のマルチの戦略構想を考えることにした。




突然、スマホから呼び出し音が鳴りふと我に返る。

慌てて出ると、時間過ぎてるよ!!はよこい!!という催促の電話であった。

相手に時間を尋ねるともう、約束の時間から30分も過ぎているらしい。

どうやら知らぬ間に寝てしまっていたようだ。

急いで謝罪して一旦通話を切ると、大慌てでパソコンを起動する。

わずかの待ち時間を利用して用を足し、イヤホンを装着して

ゲームとアプリを起動する。

通話アプリに接続すると、一斉に「おはようございます!!!」とうるさい声が。

一応寝起きなんだから少しは手加減してほしい。

おかげさまで眠気がどこかへ飛んで行ってしまったではないか。

適当に返事を返す。

「ういっす~どもども、お待たせしました~」

今夜もまた、いつもの遊び仲間との楽しい時間が始まる。

今日こそは科学勝利を決めるんだと心に決意を固めてゲームのスタートボタンを押すのであった。

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