12話.カッコつけたいお年頃
遅くなりました。12話です。
「並んでんなー」
ラウゼンについたのはいいが待っていたのは長蛇の列だった。
近くの人に話を聞くと、ここ最近入国審査が厳しいらしい。そのため入るのに4時間ほど待たなければならないという状況になっていた。
「しゃーねー、レイ、将棋でもしようぜ」
「おっ、将棋か。久しぶりだな。」
「ぼこしてやんよ。」
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「か、勝てない。」
2時間ほどで4試合したが、1回も勝てなかった…最後の1回なんて飛車角落ちなのに。
「俺ネット将棋で3段だから自信あったのになー。」
「あっ、俺アマチュア5段だよ。」
そりゃ勝てねーよ。5段って。プロでも少しは通用しそう…。
ちなみにカラは、将棋が大の苦手で昼寝。セーラとミーナは俺が上げた前世の記憶をもとにして書いた本をあげたら「面白い!」と言って読んでいた。
そんなことをして列を待っていると、
「逃げろ!ゴブリンの群れだ!」
声がした方向を見ると、4人組がこっちに向けて全力で逃げてきている。
「兵士の方助けてください!」
「いやさすがに40匹の群れは無理だって!」
並んでいた人はパニックになって散り散りに逃げ、逃げてきた4人組は俺たちに迫ってきている。
はぁ、めんどくさいけど助けてやるか。
《MAT戦闘隊員に告ぐ。剣状態での出動命令を発す。繰り返す。剣状態での出動命令を発す。》
「第一種戦闘配備!発射形態!目標、12時の方向ゴブリン43体!待機。」
俺の後ろに1000本ほどの剣が先をゴブリンたちに向けて停止した。
「な、何をする気ですかそこの坊ちゃん!?」
と聞かれるのを聞き流し、
「そこの4人頭を伏せろ!発射!!」
フィンガースナップをしながらその流れで人差し指で目標を指す。カッコつけました、はい。すると、
ズドドドッーーン!剣が一斉にゴブリンたちに向かって突撃した。大量の砂埃が上がり、晴れてから4人組が後ろを見ると、そこには大量のクレーターが残るだけで何もなかった…。
ウザいから雑魚のステータス簒奪の報告が来なくなるようにできる?
《了解しました。》
「おっ。誰も並んでないじゃん。ラッキー。」
「モンスターが来たから逃げたのね。倒したほうが楽なのに。」
「ソウ、かっこつけすぎじゃない?指パッチンしながら指さして技出すなんて…。」
「うるせー。やりたくなっちゃったんだもん。本気で戦うときはそんなことせずにノーモーションでするし。」
「それにしてもあの数の敵を一瞬で倒すなんて、ソウさんすごいです。」
「いいから早く入ろうよー、みんな!」
と言いながらぽかんとしている門番のそばに行き、フリーズしたまま動かない男を3回ほどゆすった。
「ラウゼンに入りたいんですけど。」
「ど、どちらからおこしで?」
「セーラ、あの山なんて言うんだっけ?」
「黒魔の大森林よ。」
「の山奥から来た。」
そんなたいそうな名前がついてたんかあの山…。名前負けしてね?
「そ、そんなところから来たんですか!?あそこは魔物が強くて人が立ち入れないって。」
「物心ついたころからいたけど命の危機を感じたのはこのセーラに首を絞められた時だけですよ。」
嘘は言っていない。ただ、物心ついたのが2か月前だけど。
「あら、もう一回あっち側に行きたいのかしら?」
「丁重にお断りします。」
「それとさっきは何をしたんだい?一瞬でゴブリンを倒したけど。」
「ヒ・ミ・ツ。」
「まあ言わなくてもいいです。入国を許可します。」
ソウ達は無事ラウゼンに入れたのだった。
「俺は今日何があってももう驚ける気がしないよ。」
「ああ、一瞬でゴブリン40体を倒したのが10歳くらいの男の子で、連れに美人が3人か。世の中って広いな。」
門番たちの意識は完全にソウ達にいってしまった。普通起こらない40匹近いゴブリンたちの襲撃の原因を考えず…。
「ソウ様、怪しいものが潜んでおりましたので捕獲しましたが、どうしましょう?」
ツクヨミは優秀だなあ。どこにいたんだ?
「ソウ様が戦っているとき、木の陰から見ておりました。」
「とりあえず、アイテムボックス内部基地で事情を聞いてくれるか?ツクヨミ。」
「御意。」
一方そのころ、
「どういうことだ?様子見ではあるがわざわざ狂暴化させたゴブリンを40匹も集めたのに、一瞬で全滅だと!様子を見に行った奴はどうした?」
「それがそれっきり音沙汰がなく…。敵の手に落ちたかもしれません。」
「敵?しかし我々はまだ表に出ていない。敵もいなかろう。」
「そのはずなんですが。噂によるとゴブリンたちを殺したのは10歳ぐらいの男の子だそうです。」
「笑わせるな。子供に何ができる?引き続き情報を集めろ。」
「了解。」
ラウゼンに黒い暗雲がかかろうとしていた。
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