第1話.始まりの死
本編スタートです。
俺の名前は御剣創来。警視庁特殊部隊、いわゆるSATに所属する27歳だ。
彼女はいない。いた、という方が正しいか。その彼女とはもう2度と会えないだろう。今は独身貴族というやつだ。別にいなくてもいいもん。仕事は忙しいし。これは断じて言い訳しているわけではない。
そんなことを考えていると、
「次の方、番号札53番の方はどうぞ」
銀行員によばれた。番号がワッカとは運がいい。そして、今日は給料日。懐が寂しかったから、家から徒歩5分の銀行に来ていた。今日は寿司でも食おう。
そう思ったとき、
「動くな!!金を出せ!」
銀行員に突き付けられる黒く光る拳銃。
「「「キャーーーーーーー」」」
悲鳴、そして混乱。
非番の日なのに銀行強盗に出会うなんて、なんて運が悪いんだ。
溜息を吐きながら、強盗犯に背後からこっそり近づく。
「おりゃぁ!!」
強盗犯の手を蹴り上げる。そして、宙を回転した拳銃は、俺の手に吸い込まれ、
「そっちこそ動くな」
銃口を強盗犯に向ける。それにもかかわらず
「フンッ」
と笑う強盗犯。
「何が面白い?」
そう訊くも男は無視して素早く懐からボールのようなものを取り出しピンを抜く。
一瞬何かわからなかったがすぐに気づく。
「逃げろ!!手榴弾だ!!」
そう叫び、自分も逃げようと走り出そうとしたとき、
「クソが!!」
驚いて腰を抜かした子供が逃げられないでいる。
間に合うか?いや間に合わせる。
全速力で子供のもとに駆ける。
残り2秒。
子供まで1メートル。
残り1秒。
子供に覆いかぶさる。
0。
耳を轟音が貫ぬき、衝撃を感じる。
揺れるブラインドが、創来の最後に見た光景だった。
この子見たことがある気がする、と思いながら。
誤字脱字、こうしたほうがいいなどがあったら、気軽に教えてください。




