第8話「戦いの後」
やっとテストが終わり小説に集中できる時が来ました。
零
「今更だがこの作品見てくれる人が少ないよな」
芦田
「作者が何も分かんねぇーからじゃねぇのかよ(笑)」
零
「(笑)って、ていうか消えてるぞお前…」
芦田
「ギャアァァァ!!、手が無くなってるゥゥゥゥ!!」
仕置きですよ明日くん。
明日
「字が違ぁぁぁぁぁぁう、そして今の俺の字も違う!!、えっ久々っ!?、久々にこれキタぞ」
という訳で第8話「戦いの後」どうぞ
零
(こういう事してるから見る人が少ないんじゃ…)
とある真夜中、
真っ暗な部屋の中、壁に手を当てながら移動するトゲトゲ頭の黒髪少年が居た。
「ふが、何故に鼻血が…」
つい先日、初めて『戦い』という高校生からかけ離れた経験をした少年、黒神零の姿があった。
話は遡る。
※
零が妖刀師のなる覚悟を決め、妖刀師であった金髪の男、金野と戦い見事勝利におさめた零だったが妖力と体力を使い果たしてしまいその場で倒れ込み寝てしまった。
黒須学園生徒会会長である斑備は零と妖刀師との戦いで傷付いた雹華を保健室へと運ぶよう生徒会書記の尾井群と斑備会長に頼まれ(半脅し)生徒会雑務となった芦田峰春は二人を保健室へと運んだ。
「クソッ、何で俺が零を運ばねーといけねぇんだよ」
芦田が何かグチグチと文句を言いながら零の片手を掴み首かたに掛ける、そんな芦田を水波は鋭い眼光を放ちながら睨むと芦田はビクッ、と怯える。
そして火波はそんな怯えている芦田に優しい言葉をかけてあげる
「芦田先輩、どうかそんな事を言わずにお兄ちゃんを保健室まで運んで下さい。“優しく”て“頼り”になる芦田先輩なら大丈夫ですよね?」
火波はそんな事を芦田に言うと、
「えぇ〜仕方ないないなぁもぉう♪」
芦田は零を背負い一気に保健室へと向かった。全力疾走してる為、零は顎を芦田の肩に何回もガクンガクンとぶつかっていた。
尾井群も雹華をあまり揺らさずに優しく運ぶ。
「…上手く芦田を利用してるな、火波は」
灯璃はと言うと上手く芦田を利用した凪瀬火波にホォ〜、感心しながら凪瀬姉妹と一緒に保健室へ向かった。
零と雹華の事が心配なのだろう。そんな所にとことこと生徒会顧問の教師がやってくる。
「終わったんかいな、妖刀師同士の戦いは」
生徒会顧問の教師、五条銀雲は知っていたかのような態度で斑備に聞いて来た、どうやらもう一人の生徒会副会長の大月詠が呼んでいたらしい。
「ええ、終わりましたよ五条先生」
斑備はメガネをクイッと上げながら銀雲に答えた、まるで業務報告をするような感じで答える。
「妖刀育生計画を監視する五条先生には迷惑をお掛けします。これで黒須理事長に報告が出来ますね…」
斑備はそう言いながら銀雲の横を通り過ぎる、銀雲はグランドを見てうわぁ〜こら酷いわ、と呟きながらしゃべる。
「…これも斬崎くんの差し金かもしれんね〜」
斑備はピクッと反応して動きを止める、詠も銀雲の言葉に両目を見開く。
「……なぜ鎖取の差し金だと分かるのですか?」
斑備は銀雲に向きはしないが聞き返した。
「いやな、そうかもって思っただけなんやけど…矢稲達からの情報だと近い頃に黒須学園を崩壊させる計画を立てといたみたいなんや。まぁまさかこんな速く仕掛けてくるなんて誰も予想出来んかったけどな」
銀雲はそれだけを二人に伝えると爆発跡となったグランドに向かって歩いて行った。
「………………」
詠は顔を俯いていた、そんな詠に斑備はソッと近付き優しく抱き寄せる。
「大丈夫だよ、鎖取はそんな事しないさ」
それは嘘の言葉だった、現に学園を壊す為に金野と言う男がやって来たのだから。
だが、その嘘の言葉によって本の少しだけ詠の気が軽くなったのは本当だった。
(…鎖取、まだお前は…)
斑備は悲しげに空を見上げながら思っていた。
かつての『友』の事を…
※
結局、零と雹華は保健室で一日中寝る羽目になった。だが、保健の先生である愛手は邪魔だから自宅に帰した方が良いと勝手に判断して教頭や学園長の許可も貰わず二人を送り帰した。
これが保健の先生の在り方で良いのか真剣に思う。
勿論、愛手はこの学園が行っている妖刀育生計画の事も知っている。
「お〜う、今日は家から一歩も出るんじゃねえぞ黒神、俺が怒られるんだからな」
「こんなズタボロの生徒を家に帰らせるアホな神経してる先公の言うことなんて聞けるかボケ、PTAに訴えんぞコラァ。楽勝に勝てるわ」
今は愛手の自動車で零を家まで送ってもらった。雹華も乗っているが助手席で寝ている。
愛手は運転席の窓から首を出して零に言う。
「バカ野郎、PTAの略も知らねーで言ってんじゃねぇよ。アーホ」
「…生徒になんつぅ言葉だよ、じゃあどういう略だよ」
零が愛手に質問するが、
「適当に何か食って寝てろ、そして明日は学園に元気にやって来い、もう自分が生まれてきた事を感謝しながら登校しやがれ」
「いや答えろよ!!、てかこんなボロボロの俺を明日早速登校させる気かアンタ!?、てか何で朝から、母ちゃん俺を生んでくれありがとォォォォ、って叫びながら学園入れってか?、完全にイカれてんじゃねえか」
ブルルブルン!!、と甲高いエンジンを響かせられ零の声が掻き消された、愛手は雹華を送りに行った。
「あんなにツッコんだのにスルーって…もう…良い…疲れた」
零はそう言って自分のアパートの部屋に入って行った。
※
そして現在に戻る。
「鼻血が…止まらね」
鼻を抑えながら零は洗面所で鼻にティッシュを詰め仕込んでいる。
「はぁ〜、何が何やらだったな今日は。水波も火波も学校から帰ってくるなり俺の部屋に泊まって世話をするわで騒ぐは…疲れた」
鼻にティッシュを詰め仕込んだ零は自分の寝床に戻ると真っ暗な部屋の中、零の布団の中でモゾモゾと何かが動いていた。
「……………」
零はそんな布団にチョンチョンと足で突っつくとピクッ!! っと過激に反応している。
零は布団を掴みガバッと引っくり返すとそこには真っ黒なヒラヒラパジャマを着ている黒斬が横になっていた。
「…何してんのこの娘は」
「わ…私はご主人さまの妖刀なのですから片時も離れる訳にはいきません!!」
「ちょ待って、だから『ご主人さま』って言うの止めてくれ、俺の事は名前で呼んで良いからさ」
「えっ…そ…そんな!! 私みたいな妖刀が主であるお方の名前を呼ぶなんてそんなご無礼は」
「良いから…名前で良いよ、俺も黒斬じゃ言いづらいから『キリ』って呼ぶからさ、相子だよ」
零は単純に黒斬の「斬」と言う漢字から抜き取った名を黒斬につけた。
本人も、ご主人さまが言うのであれば…良いですが、…あぁでもご主人さまから名を授かるなんてぇ〜、と身悶えしている。そして次に零は何故に俺の部屋にキリが居るんだと質問するとキリはさっき言ってた通り、片時も離れないと言うことで水波達の部屋から抜け出して来たらしい。
「はぁ〜勘弁してくれよ〜、今日は疲れたんだ。大人しく水波達の部屋に帰って…」
「嫌です!!」
「しかも…速答かよ〜」
断固部屋に戻る気配を微塵に見せないキリに困る零はある物を見つけた。
「…………何これ?」
キリの(零の)布団の横に何故か緑色のイモムシ寝袋があった、そして零は足でその緑色のイモムシ寝袋を転がしてみると丁度顔面だけを出している芦田峰春の姿があった。
「何やってんだテメェェェェェェェェェ!!」
零は生きの良い踵落としをお腹を空かせた芦田のお腹に喰らわせた。
「ガボオオオォォォ!!」
芦田は緑色のイモムシ寝袋を寝くるまったままゴロゴロと転がると零に胸ぐらを掴まれ宙ぶらりん状態になる。
「…お味は如何かな、不法侵入野郎」
「ご…ごちそうさまでした、てかちゃんとオマエの妹達から許可貰ったから不法侵入じゃねーよバカヤロウ」
「…ちょっと待て、お前ずっと俺の横で寝てたのか?」
「うふっ♪ 貴方の横顔を眺めながら寝れるなんて私はなんてシアワセ者なのかしら〜って、すみません、無言無表情で首締めるの止めて貰って良いッスか? マジ怖いからッ!!」
零は宙ぶらりん状態の芦田を力強く首を締め上げる、芦田は、ぐげげげげぇぇぐるじぃ、と唸りながらも寝袋から手も足も出していなく顔だけ出して苦しんでいた。
「クソッ、水波と火波も何故コイツを俺の部屋に、てか何でテメェは俺の家に居んだよ!!」
「はなぜないがだ、ぐびじめでるがらはなぜないがだ(略:話せないから、首締めてるから話せないから)」
ハァハァと相変わらず宙ぶらりん状態で首を締められてる芦田は訳を話しようにも話せない。
「ごしゅ…零さま、芦田さんが死んでしまいますぅ!!、離してやってくださいませんか?」
キリはあわあわと、白目を剥き出した芦田を心配して零に言うと、生ゴミが出ると腐臭が酷いからな、と言って止めた。
芦田は緑色のイモムシ寝袋にくるまりながらゲホゲホと咳をしている。
「…生ゴミって…ハァハァ酷過ぎるぅ…お前鬼か? 鬼だろ? 鬼はそとーって叫びながらお前に豆ぶつけたろか!!」
緑色のイモムシ寝袋に入ったままの芦田が目をクワッ、見開きがら零に噛みつく。だが零はやっと鼻血が止まった事を確認してゴミ箱に鼻に詰め仕込んでいたティッシュを捨てようとしていた。
そんな零が芦田に背後を見せた事を後悔しやがれと言わんばかりに芦田は零の寂しい背中に、
「そんな寂しい零ちゃんの背中に『明日に煌めけビーンズドロップキック』を喰らわせてやるよ!! ひゃはぁ♪」
芦田はぴょんぴょんと飛び跳ねながら勢い良く零の背中にドロップキックを放つ、零はティッシュをゴミ箱に捨ててる途中だったらしく中腰で芦田のドロップキックを喰いゴミ箱の向こうにあった壁に頭から凄い音を出しながらぶつかる。
そして仕上げと芦田はイモムシ寝袋から取り出した空豆を口の中で転がしている、カラカラと音を鳴りながら、そしてその豆を、
「やって…くれんじゃねぇのこのく……」
こっちを向いた零の顔面に勢い良くブッ、と吐き出し、零の頬にベト付いた。
唾液まみれの空豆が。
「……芦田よ、俺喉乾いたわ。だからさ…」
零が頬にベト付いた空豆を取って指の力だけで押し潰し。芦田の顔面に、
「三途の川の水持ってこいやァァァァ!!」
距離を取りながら勢いの良い頭突きを芦田の顔面にブチまける。
「ぶがぁぁ!! は…鼻がァァァァ!! ちと俺も途中から『やり過ぎた』と思ったわ」
芦田は流石にイモムシ寝袋から両手を出して鼻を抑える、かなりの鼻血だ。芦田が鼻にティッシュを押し込む。
というか零に豆を放った場面から芦田に物凄い目付きで睨んでいるキリが怖い。
「何でお前が此処に居んのか答えろ…」
零は芦田に不愉快極まりない事をされた為か物凄い嫌悪の目で芦田を睨むつける、まるでゴミを見るような目で。
そしてキリも、早く殺したい早く殺したい早く殺したい、と何度も呟いている姿はあまりにも怖かった。
「アハッハー♪ なら俺に跪いて足舐めやがれ〜って俺の足首があり得ない方向に回わってるゥゥゥゥ!!」
芦田は勇気があるのか、それともこの時代に生まれた最大の馬鹿なのか、零に足を突き出しながら半分ヤケになりながら言うと零は無表情で芦田の足を舐める変わりに足首をマッサージと言う名で足を思いっきり曲げようとする。
そしてキリはというと芦田の首を締めようとしていた。
「ちょっと待ってよキリちゃん、君何ご主人様と同じ事をしようとしてんの!?」
「違いますよ芦田さん、私は主様のような残酷な殺り方では無くて優しい殺り方で殺りますから」
「えっ『優しい殺り方』何っ!! 聞いたこと無いよ。てか怖い怖い怖いよ、怖いよキリちゃん、こわっ…グゲッガハッ…ぐるじっ…」
キリはやっぱり苦しい方の殺り方が良いですね、と良いながら笑顔で芦田の首を締める。
芦田はそ…そんなに多数存在するのか『殺り方』がァァァァ!! と叫びながらキリに首を締められている。
「はぁ〜馬鹿だろお前は、キリももう良いよ。いい加減訳を聞かないとコイツを生ゴミにして山に埋めてきそうになる衝動に走らされるから…」
零は片手を頭に当てながらキリに言うと素直に聞き入れ止めた、芦田は噎せながらあの娘怖いわぁ〜、
と涙目になりながら言ってやっとイモムシ寝袋から出る。
「会長から言われてるんだよ、新しい妖刀師の様子を見に行ってあげろってな」
(…だから水波や火波達も何の疑いも無しに入れたのか)
芦田は首と足首を摩りながら言うと零は芦田を入れた意味が分かった、だが、
「それで何で入って来て寝てんだテメェは、俺に直接聞いてりゃすぐに終わるだろーが」
「いや、そしたらつまらんだろ」
ドカッ!!
零は思いっきり芦田の溝にパンチを喰らわせた、芦田はいきなりは無ぇだろぅ〜、と言いながら倒れる。
「そうか、なら痛感から快感に変わるまで殴り潰してやるから待ってろ…」
倒れている芦田を馬乗りすると片手に握り拳を作り殴り掛かる準備をする、芦田から見ると鬼か死神にしか見えなかった。
だが零もあんなに疲れた戦いをやった夜にこんな芦田を相手にするとかなりキツかった。
「まぁ冗談はさて置き…だ…だから冗談はさて置きだぞ零!! その拳を下ろして下さい、そして馬乗り止めたげて!! 俺キリちゃんに殺されるから、あと痛感の意味違っ…すみません!!」
零はもう本当に体力的にも精神的にもかなりキツい常態の為に芦田の言うことを聞いて馬乗りを止めてフラフラ〜と危ない動きをして布団の方に向う、もう本人はコイツら部屋に居ても何でも良いから寝ようとしているらしい。
キリも零の疲れているのを知っているので零の腕を掴み布団の方に誘導して零が布団に潜ると掛け布団を掛けてあげている。
零はなんてええ娘やぁ〜、と感激していると芦田はもう朝なのに気付くと勝手に冷蔵庫を漁りまだ残っていた魚肉ソーセージを見つけ、ケッしけてんな、と呟きながらかじりつく。
そんな芦田を『殺そう』と衝動が起きそうになる寸前にキリは、それは私のギョニクそーせーじーですぅ!! とさっきまで母性能力をフル活動していたキリが芦田に飛び掛かった。
そしてさっきからこんなに騒いでいるのをいい加減我慢ならなくなったのか、零の義妹達まで入ってきた。
もう零の部屋はワーワーギャーギャー状態になったこの事態に零は掛け布団をゆっくりと返して言う。
「お前ら俺に何か恨みでもあるのかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
※
結局零は寝れずじまいで朝を迎え学校に行こうとしたが火波が、
「お兄ちゃん全然寝れてないじゃないですか、こんな常態で学校に行ったら倒れちゃいます」
そりゃそうだろう、と零は頭の中で思った。
「でも愛手に学校に来いよって言われたしなあ、あと生ゴミも捨てて来ないといけねーし」
そう言うと零の片手には顔面全体に青アザだらけ、いや恐らく身体中に出来ているのだろうと言った感じに服もボロボロの芦田が気絶していた、本当に生きているかは不明。
「愛手先生には私や水波ちゃんから説明しておきます、あと芦田先輩を虐めるのも大概にしてあげて下さいね、お兄ちゃん」
「分かったよ火波、優しいんだね」
零が火波の頭を撫でると火波はほわぁ〜、と顔を赤くしていると準備をして遅れていた水波が部屋から出て来た。
「ああぁー!!、火波ばっかりズルぃー、私にもやってよ零兄」
「ご…ごめんね水波ちゃん」
「お前は何年生だよ、まったく」
撫でている所を見た水波は私も私ー、言って来た。火波は何故か謝り、零は笑いながら水波の頭を撫でる。
とても良い絵面だと誰もが思うかもしれないがその場に合わない“者”があるために嫌な絵面になってしまう。
そんなやり取りをして二人を見送ると芦田の顔を軽く叩いて、早う学校行けと言って外に放り出し零は部屋に戻る。
零はやっと寝れるぅ〜、と言った感じに掛け布団を上げると芦田が零にベト付けた空豆の入った袋がぶちまけてあった、それはもう気持良いくらいに布団の中に散りばれている。
そして何故かキリもポリポリと空豆を熱心に拾って食べている、主である零の布団を綺麗にする為か、それとも只単に腹を空かして食べているか分からない。
そして今ピッタリの言葉を思い出し零はため息を吐きながら言った。
「…不幸だ、これは」
えっ?
何処かで聞いたですって?電撃的に気のせいです。
どうでしたか?
何と度々名前が出てくる『斬崎鎖取』の知り合いが斑備会長。そして詠が俯く理由とは!!
零
「…頑張って盛り上げようとしている所が悲しいな、作者よ」
芦田
「てか何で俺はこんな扱いな訳?、作者はこれで面白いと思ってんのかよ!!、誰がこんな
零
「あっ!!、芦田が消滅したぁぁ、喋っている途中で消すとは作者も酷いことをする」
尾井群
「……呼ばれたぞ」
零
「芦田の替わりと言う訳か、こんな作者が書いた小説を誰か読んでくれるのか心配だ」
尾井群
「次回は黒神の妹達が何かあるらしいぞ」
零
「な…なんだとっ!!」
では次回まで。
芦田
「………だから何この扱い」