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死神の奇想曲(カプリス)  作者: 奇想曲
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第6話「妖刀師」

まず謝らせて下さい…




長い間放置してすみませんでしたぁぁぁぁ!!




12月からずっと放置してすみません、まさか携帯をいじっている程の暇がないとは自分も思わなかったです。




今回の話はかなり展開が激しくなってしまいました。


温かい目で見守って下さい…(T_T)

零は驚いていた、最近になって夜中、頭の中に響き渡る声の正体がこんな小さな女の子だったのに。


しかも斑備会長からの話だと少女は“妖刀”…つまり『武器』なんだと言う。


何故、少女なんだと言うと妖刀とは内なるもう一人の分身なんだと言っている、そうなりたい、そうでありたい、という願念(がんねん)から容姿(かたち)創られて人の容姿(かたち)になるケースが多いらしい。


そもそも妖刀には不明な点が多いらしく、黒須学園の『妖刀研究部』が地形に組み込まれた陣形型の魔法陣を探りながら日夜研究している


「つまる所に君はその娘と一緒に行動してもらわないとこっちが困るんだよね♪、妖刀育生計画(ブレイド・パーティ)は妖刀を育生して観察する計画なんだから」


斑備会長はケラケラと笑いながら零に言っている、当の零はカチカチに固まり、凪瀬姉妹は兄の部屋に同い年位の女の子が同棲になるのを酷く驚いている。

詠は相変わらず面白そうに微笑んでおり、雹華は瞳を閉じて黙っている。


「待って下さいよ会長!! そんな話信じるとでも思うんですか!?」


「ふ〜む、それならその娘が“妖刀”になればレイくんも納得すだろぅから黒斬(クロキリ)ちゃん、妖刀になったらどうだい?」


零が納得がいっていない様子で斑備会長に聞くがそれならと、斑備会長は妖刀である黒斬(クロキリ)に提案を出す。


すると黒斬は



「…それが…」


「んん…?」


黒斬はモジモジしながら言葉を詰まらせる、そんな様子を見た斑備会長は零を見る。


「レイくん、この娘とちゃんと“刀契約”したかい?」


「……とうけいやく?」


零は斑備会長から出てきた言葉を聞いてまた少し戸惑う。


「何か段々ファンタジーっぽくなってきてますよ、“とう”って“(かたな)”ですよね、つまり刀の契約?」


「その通り、文字通りの意味だね、誰が付けたのは知らないケド…で、刀契約したのかい?」


「………多分してないスよ、刀契約なんて」


「ふぅ〜ん、だからか〜」


斑備会長は何かに納得していた、零は相変わらず分からないままだ、会長の横にずっと立っていた詠が前に出て来て斑備会長を見る。


「つまりね、零くんにはまだその娘と刀契約をしない限り彼女は力を発揮出来ないんだよ、“妖刀”になるにも……エイちゃん〜、ちょっとレイくんに刀契約のしかた……」


斑備会長が詠に刀契約の仕方を教えあげて、と言おうとした瞬間……



ドガァァァァァァーン!!


校舎から随分と離れているグランドから爆発音が聞こえた。


「な…何だ!?」



零は爆発音が聞こえた方向を向く、火波もいきなりで驚いたのか、水波とくっつく、芦田も爆発音に驚きゴミ箱から転がり落ちた。


「ぎゃぁぁぁ、原爆じゃぁぁ、皆早く地下に潜るぞぉ!!」


「貴様は寝ていろ」


芦田が騒いでいると雹華が鬱陶しそうに芦田の首に手刀(チョップ)を繰り出す、芦田はガクッと気絶した


「会長……これはまさか、『妖刀師(ブレイドマスター)』の仕業じゃ……」


詠がそう言うと、斑備会長は小さく頷く、雹華は“裏”の仕事の報告も終え、すぐに爆発音が聞こえた現場に向かった。


「斑備会長!! これは…」


「おそらく、他に目覚めた妖刀師(ブレイドマスター)だろう。人は誰しもいきなり強大な妖刀(ちから)を手に入れれば自制が効かなくなり暴走する。良くあるパターンその一だね」


零が慌てて斑備会長に聞くと落ち着いた様子で説明する。


「雹華が出て行ったのは…」


「雹華ちゃんはその妖刀師を止めに行かせたのよ。ただし“妖刀師”だったらの話だけど…」


零は素早く出て行った雹華の事を聞くと会長の代わりに詠が答えた、だが話の中の内容に疑問を浮かべた。


「…ちょっと待って下さい、“妖刀師だったら”って…他にもなんか居るんですか!?」


「…居るよ」


零の問いに短く答えた斑備会長、詠も生徒会室から出て行った。職員室に向かったらしい。


「妖刀を手にした者につけられる名は『妖刀師(ブレイドマスター)』であり、異質な能力(ちから)や異常的な程の身体能力や身体変化をする者につけられた名は『異形者(イレギラ)』と名付けられた。もしかしたらこの爆発音は異形者(イレギラ)の仕業かもしれない」


「イレ…ギラですか? 何で会長はその…イレ…ギラなんて分かるんですか」


まだ続く爆発音が聞こえる中、零と斑備会長は静かに語る。


「分かるよ、異形者と妖刀師の違いなんて離れていても分かる、多分レイくんも分かるんじゃないかな〜、……ほら、感じるかい? この妖しい感じ。」


零は斑備会長の言っている事が本当なのかといった感じで瞼を閉じて神経に集中すると、


「………!?」


身体のあらゆる部分に鎖のようなものが縛り付けてきた


「…何だ…コレッ!!、何で鎖が!?…」


「それは今グランドで暴れている奴の“妖圧”ってヤツだよ、“妖圧”は妖刀の妖力が重圧的に押し寄せてくる現象だよ。それと妖刀師にも多少なりと妖力を持っている、妖刀を使用していると持ち主も妖力を持つようになるんだ、勿論君も段々と付いてくるよ♪」


会長はまた少し笑う、会長は笑ってばっかりだなと零が思っていると会長はいつの間にか真剣な顏になっていた。


「レイくん、さっきの妖圧で分かっただろう? あれほどの妖圧を持つ者が雹ちゃんが勝てると思うかい?、勝てない。殺されるよ」


会長はこれまでに無い満面な笑顔でそう告げた、零は一瞬で頭から血の気が引いていくのが分かった、零は会長は何を言っているのか分からなくなっていた。


「…確かに雹ちゃんは強い、だけどそれは所詮はたかが“普通”の人間に対してだよ、妖刀師は“化物”並の強さだ。そんな相手を雹ちゃんは無傷で帰ってこれると思うかい?」


斑備会長は話を続ける、満面な笑顔のままで。


「さぁて、君はどうするんだいレイくん? 雹ちゃんを放っておくかい」


「…………………」


斑備会長はまるで試してるような感じで零に聞く、すると零は迷いなくまっすぐな眼差しで斑備会長を見ながら言った


「行きますよ…雹華を助けに行きます!!」


「……良いのかい、君はわざわざ危険な場所に向かうんだよ、そして死ぬかもしれないよ? それでも向かうのかい?」


斑備会長は真剣な表情で零を見据える、零も真っ直ぐ会長を見る。


「たとえ此処で断った所で何の解決にもならない事くらい分かります。さっきから爆発が止まないのも警察が動いて無いからでしょ? 多分、黒須学園の理事長が何か絡んでいるでしょうけど…こんなふざけた計画で死人が出るなんて俺は…嫌です。バカげてるし、それに、ここで俺が黒斬(こいつ)を放置すれば処分が決定すんのも分かります」


「………なら君はどうする?」


「…俺も妖刀師(ばけもの)になってやりますよ、そうすりゃ俺も何らかの力が手に入るんでしょ? そして妖刀を育てて行けば良い、ただそれだけでしょ? ならなりますよ。そして…」


零は一度黒斬を見て優しい笑顔で微笑む、黒斬も笑みを返す。そして斑備会長に目を戻し、覚悟を伝える。


「…皆を(まも)る為に妖刀師になります」


零がそう言うと斑備会長はスッと立ち上がり、また満面な笑顔で零に言う。


「ならやることは決まったね。刀契約は……黒斬ちゃんが知ってるね。分かってるねレイくん、“君しか止められないんだ”」


斑備会長がそう言うと、零は小さく頷き、黒斬を連れてグランドに向かった。凪瀬姉妹も付いて行こうとしたがちょうどソコに茶色の短髪少女が生徒会室に入ってきた。


「会長!! 雹華がなんとか食い止めていますが時間の問題です、すぐに校舎の中に入ってきます」


灯璃(あかり)ちゃんか、やっぱり雹ちゃんじゃ荷が重すぎたね。大丈夫、今副会長を行かせたから安心だよ」


灯璃と言う茶髪の少女は驚いていた、同級生の黒神が妖刀師(ばけもの)を止めに行くなどどれ程無謀なことなのかと灯璃は思った。


「なんて無謀な!! ただの人間が妖刀師を相手に出来るハズが無いじゃないですか!!」


「そうだね、レイくんが“普通”の人間だったら妖刀師となんて戦えないよ。“普通”の人間だったらね」


斑備会長はクスクスと小さく笑うと真剣な面持ちになり灯璃に指示を出していると丁度、雹華から手刀(チョップ)を喰い、今まで気持良さそうに気絶していた芦田がフラフラしながら立ち上がる。すると斑備会長は芦田の両肩に手を乗せる

「ひっ!?」


何とも情けない声を出しながらビビる芦田。


「君にやってもらいたい仕事があるんだよ、峰春くん」



黒須学園のグランドには焼き焦げた茂みの草やゴムグランドのゴムの熔けた匂いがグランド周辺に充満していた。と、そこに…


「オラァ、もう終いにしましょうや嬢ちゃん!!」


「く…ハァハァ…」


そこには金髪の頭に口にピアスをつけている男が居る、その男の前には膝を地につけ荒息をたてている雹華の姿が居た。


どうやら雹華の前に居る男が爆発音の犯人らしい。


「クックック、本当にこんなに騒いでんのに警察やらは動かねぇのな、“アイツ”の言ったことは本当らしい」


雹華は金髪の男が口ずさんだ言葉に反応した。


「…“アイツ”だって…貴様まさか“斬崎鎖取”の手の者か!!」


雹華は金髪の男に叫ぶ、だが金髪の男は平然としながら雹華を見下す。


「知らねぇなぁ、知ってたとしても嬢ちゃんなんかに教えねーよ、俺は忙しいのよ。あの学校を破壊しねぇといけねぇからさ…」


金髪の男は片手に持っている刀らしき物を空に(かざ)すと刀は形を変えていく。


「死んでくれよ嬢ちゃん、行くぜ…爆花(ばくばな)


金髪の男がそう呟くと刀は…いや、妖刀は(おびただ)しい妖圧を纏い形を変えていく、変え終えた妖刀の形状は、刀身の両側から刃枝(じんし)が三本ずつ互い違いに出ていて柄や鍔は普通の刀と同じである。


妖刀の両側から出ている刃枝から火の球体が発火している。


「俺の妖刀の銘は「爆花(ばくばな)」、()の通り散りゆく花のように爆殺させる能力“爆散行刃(ばくさんゆきば)”がある、嬢ちゃんじゃ俺に勝てねぇよ…まぁ諦めてくれやぁ!!」


金髪の男は刃枝から発火した火球を雹華目掛けて放つ、雹華は荒息をたてながらもギリギリで避けた、だが

「ぐっ…あああああああああぁぁぁぁぁ!!」


避けた雹華の近くで爆発した、それもかなり強力な爆発だった。


雹華は受けた場所から数メートル先まで吹っ飛んだ、グランドにいるだけあって障害物にぶつからずに済んだが受けた衝撃はかなりものらしく雹華は立ち上がれない。


「死んだか? 爆花(コイツ)の使い方もだんだんと分かってきたぜ」


金髪の男は雹華が立ち上がれないのを確認すると学校に標的を変える。


「さぁてと、さっさと学校(ここ)を潰すか…」


金髪の男が爆花の切っ先を学校に向けると刃枝から発火した火球がドンドンと切っ先に集まっていく、おそらく一撃で爆破させるらしい。


「随分と日が登ってきたな、早く終らせねぇと…厄介にな………ん?」


金髪の男は何か近づいているのに気付いたその瞬間、何か黒い物が勢い良く金髪の男目掛けて飛んできた。

「ぐおぅ!! 何だ!?」


金髪の男目掛けて飛んできた物は漆黒一色の妖刀だった。


「おい、そこの金髪野郎、俺の大事な仲間に何しゃあがる」


金髪の男が後ろを振り向くとソコにな黒髪の青年が立っていた。


「誰だテメェは!!」


金髪の男はそう言うと黒髪の青年は大声で言う。


「…テメェを倒す妖刀師(ばけもの)だ」


零がそう言うと金髪の男の近くに刺さっていた黒刀が勢いよく零の方に弾く、すると上手い具合に零は掴み金髪の男を前に立ち尽くす。










もうすぐ聴こえてくるかもしれない。




あの奇想曲(カプリス)を。


どうでしたか、かなりぶっ飛んでいたでしょ?


頑張って設定を考えながら書いてはいますが…ちと辛いですね〜(T_T)




やっと戦う場面が書けます、個人的に初めて書くので可笑しいかもしれませんが次の話も読んでいって下さい〜。





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