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死神の奇想曲(カプリス)  作者: 奇想曲
24/24

第24話「足掻く緻密な普通の答え」

「オヴェエエェエ!!!!」


―――――黒須学園生徒会副会長兼『妖刀育生計画(ブレイドパーティー)』の被害者にして『妖刀師(ブレイドマスター)』の少年―――――


 『黒神零(くろがみれい)



妖刀師(ブレイドマスター)だと? 異形者(イレギラ)だと? 何だその名前、漫画かよ・・・」


―――――黒須学園生徒会に所属している健全な『普通』の高校生男子―――――


 『芦田峰春(あしだ・みねはる)



「置いて行かないで下さい、父親」


―――――芦田の夢の中から出てきた金髪長髪の美少女―――――


 『謎の少女』


ズシィィィィーーンッ!




帝黒町の有名スポットでもある『侍鈴山(じれいざん)』からのいきなりの轟音。勿論街中はこの轟音に気付き、何だ何だ、と野次馬のように騒いでいた。


地震か?


爆発か?


だがそれを誰よりも驚いていたのはその侍鈴山中枢区に立派に建てられた『侍鈴神社』に住んでいる人達だった。


立派に建てられた神社の本殿には神体が安置されており、ゆらゆらと侍鈴山の轟音と共に揺らいでいた。


「フォフォフォッ、燈籠が揺らいでおるわ」


「お義父(とう)さん、燈籠の片付けは私がやりますので」


「フォフォ、儂を年寄り扱いするで無いわ。まだピチピチの70歳代じゃぞ」


「はぁ、そうなのですか・・・・(ピチピチの意味を分かっているのかしら)」


そしてその侍鈴神社本殿の前にある参道には白髪と腰まで伸びた長い白髭が特徴的な老人と長い黒髪を綺麗に切れ揃え、世間から見れば上位に食い込む程端麗な顔立ちをした女性は巫女装束とも言えよう緋袴(ひのはかま)を着てその老人と参道に居た。石燈籠の油を片付けている途中だったらしい。

そんな二人が急いで作業をしていると、




「また・・・・異端の者が暴れています」




ジャリ、と参道に敷き撒かれた石の上を歩きながらそう呟くように言ったのは、老人と共に石燈籠の油を片付けている緋袴を着ている少女だった。


「お義父さん、また娘が何かに気付いたようです」


「ふ~む・・・」


一旦作業を中断して、空を見上げながら何かを〝視ている〟娘を見て母親は片手を頬に添えて心配そうにする。老人はそんな孫娘に何かを思っているのか、顎に生えた綺麗な白髭を撫でる。


「・・・・・まぁ良いわ、あの子には手水舎(ちょうずや)の方の片付けを頼むとしようかの? ホレ、なんじゃったかのぅ? ひー、ひしぇ・・・・」


柄杓(ひしゃく)ですか、お義父さん?」


「おぉー・・・そうじゃったッ! かの?」


「そうですよ」


力強く肯定したか、と思えば疑問系に返され、嫁も驚きながらもに微笑んで応える。すると老人も納得したように孫娘に声を掛けて、その事を伝える。

孫娘もそれを拒む事無く、母親と同じ長く美しい黒い髪を靡くようにして手水舎に向かった。


そんな孫と娘を見ていた老人と嫁は、心配しながらもすぐにまた石燈籠の油片付けに取り掛かった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






ズシィィィィーーンッ!





ただいま芦田家は朝食を食べ終え、食器を片付けている最中だった芦田はいつの間にか居間に入り込み堂々と寝ている黒神零を跨ごうとした瞬間だった。


「おぎゃあああああっっ!?」


「えっ、んぁっ? 何っ、えっなに!?」


揺れた拍子に零の腰に躓いてしまい、派手に転ぶ芦田峰春。テレビを見ていた(ひさぎ)は驚いて持っていたお子様用のコップを震わす。(えのき)(かれる)は『あ~ぁ』といった感じに見ていた。

零も地震と芦田の声に驚いて寝惚けながらもむくっと起きる。

他にも家から繋がっている店の方からも『何だっ!』『ぁあぁ~・・・キモチわるウヴゥッ!!』とはっきり起きてる奴と起きて吐きそうになってる奴の声が聞こえた。

芦田も面倒臭そうな顔になるが食器を落とした事に関してでは無く単純にこの地震、というより轟音は、


(普通じゃ、ねぇ・・・・・)


芦田は直ぐに食器を拾うとするが零が気持ち悪そうにしている事に気付く。



芦田は思い出す、



(あれ? コイツそういや昨日・・・・“酒”飲んだよな・・・)


と来れば、今この黒神零が気持ち悪そうにしているのを見当する症状はちらほらと幾重となって浮かんでくるのだが、今目の前で口を大きく塞ぎ、青紫色をした顔を見てしまうと思い当たる節は一つしかなかった、いや、一つしか知らなかった。


「・・・うぅ、おぇ、おぇええええええええええええええええええええええええええ!!!」


「ぎぃぃゃああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




もしかしてもしなくても、『二日酔い』だった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





帝黒町の町境の橋の上に一人の学生が新聞紙を持って立っていた。橋の下から聞こえる川の音を楽しむ為にわざわざ来た訳でも無く、先程町中、いや、帝黒町広域を包み込むような『轟音』に気付いて町境(ここ)まで来たのだ。

その学生は蒼い髪をボサボサにして、高い身長をした少年、というより青年と言っても過言では無い彼はある山がある方向をただ無表情に見ていた。


「・・・侍鈴山」


ポツリと呟いた言葉に、呟いた自分に驚いていた。


何故、ピンポイントにその山だと分かった?


生憎と侍鈴山の他にも山は沢山、とも言えないがあるにはあるのだ。それなのに先程の『轟音』の源が何故か“侍鈴山”では? と直感的に思ってしまったのだ。


「おはよぅ~さ~ん。そうちゃん早いねぇ~? まぁさっきの音で起きちまったかいのぅ?」


声を掛けてきたのは白髪が目立つお婆さんだった。そしてたった今このお婆さんが“そうちゃん”と呼ばれたのは帝黒町立黒須学園の書記を務める尾井群蒼道(おいむら・そうどう)だった。


「・・・おはようございます」


尾井群は大きな長身で丁寧に挨拶すれはお婆さんもニコニコと微笑みながら杖をついて歩いて行く。

その歩いて行く後ろ姿を見ながら尾井群は再びどうするか思考を巡らせた。

巡らせながらも尾井群は我が家たるアパートに歩を進める、尾井群が住んでいるこのアパートは少し手の込んでいる洋風のアパートで、家賃が手軽でお店も近い。

とある家の事情で尾井群は弟と共に叔母にお世話になっているのだ。これを詳しく話せばまさかの主人公より濃い話になってしまいかねないのでまたの機会にする。

カタカタと尾井群は鉄の階段を音をたてながら二階に上がる、尾井群が住んでいる場所は二階の一番端の方だ。そしてドアを開け、中に入ろうとした瞬間だった。


蒼道(そうどう)っ!」


「・・・? 雹華(ひょうか)?」


騒がしく階段を上がってきた人物に尾井群は目を向けると、そこには薄水色の髪が片目を隠す程に長い前髪が特徴的でスタイルも今時の高校生にしては標準を軽く越している凹凸が目立ち、隠れていない目は相手を睨みつけるような厳しい目付き、そして何より『美人』の名が高校生に合う人物は目の前の少女しか知らないのを尾井群は分かっていた。

同じ学園に同じクラス、そして同じ生徒会の一員である帯刀少女の南郷雹華(なんごう・ひょうか)だった。


「何ボケッと突っ立っている! さっきのは間違いなく妖刀関連だ」


さっきのとは恐らくとも多分であるが『侍鈴山』からの轟音の事を雹華は言っているのだろう。若干焦燥に駆り立たされていた。


だが尾井群は自分でも驚くほどに落ち着いて雹華に向き合うと、手に持っていた新聞紙を広げる。


「お、おい? 蒼道?」


雹華も尾井群の突拍子の無い行動に呆気を取られ、一瞬にして自分が焦っていた事に気が付いた。


「あぁ・・・・すまない、焦っていたようだ。会長から話を前もって聞かされていたのだが、どうも、その、落ち着かなかった」


(・・・・“前もって聞かされていた”?)


新聞紙がピクリと反応したのを気付いた雹華は自分の口を咄嗟に片手で塞いでしまった。そしてその行動が何よりの証拠だというのに尾井群は寝惚けた脳みそでも気付いた。


ゆっくりとした動作で新聞紙を折りたたみ、部屋に入った。

雹華は慌てながら尾井群の後を追って尾井群家にあがる。

一見狭そうに見える玄関を上がって、奥に繋がる廊下を渡り居間に到着すれば尾井群は制服を脱いでいた。手軽な家賃の癖に結構な広さを持つ居間だ、初めて尾井群家を訪問した時、居間を見た時の零の顔が侘し過ぎたのを雹華はまだ覚えていた。


「おば様はどうしんだ?」


「・・・まだ夜勤で残業だろうな、いつも遅くまでありがたい」


淡々とした口調で話す尾井群は居間に畳んであった衣服に手を伸ばしながら雹華の問いに答える。


青利(しょうり)は?」


「・・・部屋で寝てるか、何かやってる」


雹華はそれを聞くや無断で奥にある部屋にへと入っていった。尾井群も咎めることもなく黙々と着替える。同年代の、しかも『美人』の名が似合う雹華が居てもお構い無しに着替える。

幼馴染み故の信頼だからか、それとも互いに鈍感と天然なのかは分からない。


そして雹華は尾井群蒼道の弟である尾井群青利(おいむら・しょうり)の部屋を問答無用に開けて入る。

部屋の中は帝黒町を含む地方全体を包み込む寒さで満たされていた。


ただ単に寒いだけだ。


雹華は意外に整理整頓が出来、尚も身の回りをきちんとこなすこの兄弟を世話好きの雹華にとって悔しく思いながら布団で寝ている青利の顔を静かに覗き込んだ。


尾井群に似た端麗な顔つきだ、髪の色も兄と一緒で綺麗な蒼色。

雹華はすらりと伸びた綺麗な指で自分の弟みたいに思いながら可愛がるように綺麗な蒼髪を梳す。


(ふふふ、よく寝ている・・・)


毛布を被っていても寒いのかもぞもぞとしながら奥へ奥へと入っていく尾井群弟の青利。

雹華は青利の毛布をきちんとかけ直し、ポンポンとふっくらと膨らんだ真ん中辺りを優しく叩いてから部屋から出ていった。


(あんな無防備な顔をして、可愛かったなぁ・・・)


さっきまで急いでいた事を完全に忘れている雹華だったが、居間に戻れば私服姿の尾井群が携帯で誰かと話している途中だった。


「・・・会長とは連絡つかないのか?・・・あぁ・・・・あぁ・・・・うん・・・・雹華も一緒だ・・・後輩は別に良いだろ、置いて行け。俺たちも今向かう」

ピッと通話を切る尾井群はすぐに雹華と向き合った。


「誰からだ?」


雹華はキリッと眉を寄せ再度緊張感を(よみがえ)らせる。


「・・・芦田からだ、どうやら家から近いらしい」


余り喋らない尾井群だが雹華は長年の付き合いで言葉数少なくても理解出来る。


「・・・俺たちも行こう」


尾井群がそれを告げた瞬間から雹華は玄関の外で待っていた。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



ピッと次々と新機種を続々と発売していく有名な携帯会社の、一年くらい前に発売した携帯の通話ボタンを切りにし、ポイッと唸り声を父と共に仰向けに寝てる親友に無造作に腹に投げる。


食器を片付け、店の中に向かえば客席にもたれ掛かる後輩。それを芦田は一瞥と共に後片付け。


そして放っとく事に何ら問題が無いと確認すると、結構な広さを誇る芦田家の茶の間に集まっていた妹達と金髪の美少女の前に立った。


「それじゃ、俺が見に行って来るからさ、留守番頼むぞ」


朝の寒さが廊下から伝わる肌を身に染みながら、私服に軽く上着を羽織りながら芦田は玄関に向かう。


「ね、ねぇ・・・、確かにさっきの地震と爆音は気になるけど、見に行くこと無いじゃん」


玄関で靴の紐を縛っていた芦田に双子の妹である芦田榎(あした・えのき)が珍しく兄の心配をしていた。

そして当の心配された本人である芦田峰春はギョッ、としたように榎を見て、


「な、なんだよ。エノキが心配してくれるなんて珍しいな」


芦田が微妙な顔で玄関先に立って、心配そうにしている妹たちを見る。


それに、と芦田は付け加える。


「侍鈴山にはお前らの同級生が住んでんだろ? しかもメールも返ってこないんだろ、何かあったって多分」


「携帯を忘れてるだけかも」


榎はいつもの兄に対する刺々しい、といえか生意気な対応では無く、純粋に芦田を心配していた。


「心配すんなって」


そう言って芦田は榎の後ろに目を向ける。榎も釣られて振り向くとそこには心配そうにしている榎の双子の妹の芦田嗄(あした・かれる)と芦田家の良識的で優しい三女の芦田楸(あした・ひさぎ)が立っていた。


─────そうだ、(わたし)が確りしなきゃ妹たちが不安になる!



妹たちの顔を見てすぐに榎は姉の顔にへと変化すれば、玄関にはもう芦田の姿は無かった。



心配すんなって。



兄がそう言って行ったのには多分、何か意味があるんだと思うが、やっぱりそれは余り信用ならない。


榎はそう思いながら妹たちに笑顔を見せて、店内で乱雑に寝転がる兄の後輩たちと、居間で唸り声を上げている兄と私たちの父、そしていつも笑いながら親友と言って話す黒神零の世話を焼けに一日が始まった。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




『御食事処・あした』がある店から侍鈴山までには複数の道がある。


それは道路で乱雑に敷かれた国道があれば、昔から通り継がれてきた草道やら砂利道がある。そして他にも多々侍鈴山に向かう道は沢山あるのだが、今向かうべく芦田峰春はと言うと、


「確か、ここから行けるよな」


近道、近い道と、独り言を呟きながら他人の敷地。つまりは不法侵入を朝っぱらから堂々と行う芦田だが、意外にもその動きには無駄が無く、どの通路を通れば早く行け、且つ誰にも見られなく通れるか芦田は十分に熟知しているのだ。


それもその筈で、芦田はこの通路を昔から通っているのだ。


兄妹と一緒に遊びに行く時に、『秘密の抜け道』と言っては他人の家の庭を勝手に横切ったり塀などをよじ登ったりと、結構元気に走り回っていた。


その昔の記憶を辿りに、古道を駆ける芦田。

高校生になった訳で体も成長して通れない通路もあったが、そこは堂々と突っ切る。


その間に寒風摩擦を元気にやっていた爺さんを見掛けては『うチッス!』と元気に挨拶すれば呆けてしまい、その間に抜け駆ける。

その繰り返しをしていけば、自然と侍鈴山の(ふもと)まで着いてしまった。


(さて、・・・・と)


芦田は生憎と携帯を今持っていない。

昨日まではあったのだが、芦田の親友(芦田が勝手に)である黒神零が逆パカ、要するに折られてしまい只今絶世音信不通である。


時間も分からないが取り敢えず早く向かった方が良いのかな? でもめちゃ怖い、と頭の中で考えていた芦田だったのだが、


ツガアアアアアアアアァァァァァァァンンン!!!! とまた何かが爆発したように轟音が帝黒町を包む。


芦田はいきなりの爆発音に本気で驚いて体を震わした。


(オイオイ! 本気か!? 真剣(マジ)で俺はこの山に向かわねぇといけねぇのか?)


芦田は普通の人間だ。


普通の人間でもこの爆発に違和感を覚えた。


何しろさっきの爆音が“この侍鈴山だけ”に聞こえたことに気付いてしまったからだ。

これは明らかに、山周辺に何かが施してある。その類いが何なのか理解出来ないし理解したいと思わない芦田は次第に足が震えてくる。


妖刀師(ブレイドマスター)だと? 異形者(イレギラ)だと? 何だその名前、漫画かよ・・・・)


芦田は実際に目の前で見た、あの異質過ぎる光景と戦闘を。


黒神零が黒刀を携えて戦う姿に疑問に思わない訳が無かった。


───何で高校生(コーコーセー)がこんな血生臭い事すんだ?


疑問に思わない訳が無い。



だが、親友は、黒神零は何故か“冷静”にそれを受け入れていた。


最初の襲撃者にして最初に戦う相手となった妖刀『爆花(ばくばな)』を携えた金野(こんの)という男。


零は初めての戦闘で勝利を納めている。


端から見ればとても零が“冷静”に妖刀師(ブレイドマスター)を受け入れたように見えないだろう、だが芦田には分かった。


「人間誰しも命一番だろうが・・・・・・・・・」


自分でも驚く程に声が震えていた。


何だコレ、と芦田は麓から見える侍鈴山の木々を見つめ、そしてその一つの木に向かって走り出す。


ガァンッ!! と生命の強さとも言える木に自分の無力さをぶつけた。


(無力・・・? 違うだろ、普通じゃねぇんだ)


芦田は妹たちに顔向け出来ない程に顔色を醜く歪ませた。


言いたくない、だが言わないとやってられない。


芦田は喉まで出かかっている言葉を必死に吐き出さないように口を閉じ、木を殴りつけた拳に目を向け、少し皮が剥けているのに気付く。


侍鈴山(ここ)に入ったら“皮が剥ける”くらいじゃ済まない)


人間これだけで怪我をする。


そんな人間があの爆音の元に行ってどうする?

情報収集か? 敵でも視察してくるか?


段々と芦田は『恐怖』で目的を忘れかけるようになっていた。


────良いじゃないか別に、きっと榎や嗄の同級生も無事だって。


脳内に響く悪魔の囁き、だがその囁きが天使の呟きにも聞こえる。


────行かなければ“死なないよ”?


ガツンッ!! とまた木を殴りつけた。



もう悪循環が延々と伸び巡る。


「こ・・・・・」


出かける、吐き出してしまう。


芦田はもう一歩も踏み出せない足を見ながら呟こうと、言おうとした。





その瞬間だった。




ドッッカンッ!! と芦田はくの字になるぐらいの曲がる衝撃を背中から受けた。


はっきり言って『くの字』は人間的にも常識に背中から出来ない。

いや、出来る人は居るかもしれないが少なくともこの芦田峰春はそんな妙技は出来ない。


「くふぅぅぅううううううううううううううううううううううううッッッ!!??」



バグンッベキンッドカァッ!! と吹き飛ばされながら侍鈴山の林の中にへと突っ込んで行く芦田、


「入っちゃったやべぇ!?」


芦田は襲撃された事よりも侍鈴山に入った方に焦っていた、だが直ぐに芦田も誰がタックルしてきたのか確かめる為に腰・・・では無く背辺りを器用に摩りながら振り向くと、そこには、




「置いて行かないで下さい、父親」





そう、そこには地に付いてしまうんじゃないかと言うほど長い金色の髪に、芦田をジッと見つめる漆黒の両目が捉えていた。

すっげ久々っつーか放置も甚だしいですね、すみません!!


放置マジすみません!

どうか読んでくださる方が居られれば感想やコメント、気軽に書いていって下さいΣ(ノд<)

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