第16話「風に流れる鈴ノ音」
零
「今更だけど作者、何でまた小説増えてんだ?」
十握剣
「何故かって? ふっ、それはね黒神くん」
零
(言い方ウゼェな)
十握剣
「その理由はズバリ! 書きたいから!」
零
「しょーもねぇ理由ありがとう、それでは死神の奇想曲、第16話「風に流れる鈴ノ音」をどうぞ」
十握剣
「いやーね、前々から思ってたんだけど小説を書くとか、まぁケータイだから実際は打ってんだけどさ、小説って考えながらやらないといけないからかなり頭を鍛えるのではと俺は考えてんだよ、だから色んな小説に手を出すのも良いじゃん、てか正直に言いましょ、作者基本的に気分屋です。友達に言われてショック受けて気持が沈んでるとかそんな感じじゃないよ、あっ今の状態的にみたいな、だからさ、おれてきに・・・・・・」
零
「長ッッ!?」
【黒神零抹殺任務】
帝黒町私立黒須学園の学生であり、黒須学園生徒会副会長を務め、そして黒須学園の『妖刀師』である黒神零を抹殺せよ。
それが『斬り裂く白き鎖』から出された任務だった。
「【黒神零抹殺任務】か、ここまで動くとは俺も思わなかったよ」
「豊臣さん、そもそも妖刀師と言う存在そのものを『抹殺』しなければいけないのです。・・・・・・絶対にあってはならないんです、妖刀師や、妖刀なんて・・・・」
「抹殺」とは名の通り抹消、消して無くすことであり零を殺して居なかった存在として、存在そのものを消そうとリンと豊臣は言っているのだ。リンは『妖刀』と言う単語に憎しみを滲めながら言う。
廃棄工場に流れる錆びた鉄の匂いに慣れ始めた黒神零は義妹である凪瀬火波の腰に手を回し、もう片方の手は火波を腕を掴んで優しく立たせる。
火波は零の親友であり、生徒会メンバーの仲間でもある芦田峰春、尾井群蒼道がリンと呼ばれる少女にズタズタにされ、思わずペタリと座ってしまったのだ。
凪瀬火波は普通の人より何かと内気であり、そして責任感が強かった。
火波は自分のせいで芦田や尾井群を傷つけてしまった、雹華もそうだ。
そして一番に責任を感じていたのが、家族を傷つけてしまった事だ。
(わ、私は・・・・私は“また”大切な家族を傷つけてしまったの・・・・?)
自分のせいだ。
火波の頭にはもうその事しか流れていなかった。
「お、おい! 大丈夫か火波! 火波!」
火波は隣から聞こえる声に顔を向ける。
兄の顔だ。
幼い頃に良く遊んでくれた大好きなお兄ちゃん。
怪我をすれば慌ただしく心配して怪我を治してくれたお兄ちゃん。
そんな優しいお兄ちゃんを、失うのが、失うのが怖くなった。
(れ・・・い、おにい、ちゃん。おにい・・・ちゃんは、私は守る)
「おい、ほな───」
ボォォォォォウ!!
火波の気がだんだん離れていくのが分かった零はすぐに火波に呼び掛ける、だがいきなり火波の周りには炎が発生、いや、『発火』した。
ボォォォォォウ! と炎から生まれる熱気に零は思わず火波から離れてしまう。
「なっ、火波!?」
零は火波に呼び掛けるが返事が返って来なかった。
すると今まで立ち止まっていた豊臣たちが動き出した。
「オイオイ、今になって『異形者の暴走』かよ!?」
「・・・こういう場面も頭に入れといてください、目覚めたばかりの異形者が暴走する確率は結構高いのですから」
「はっ? お前分かってんなら先に止めろよ!!」
「すみません、暴走してから思い出しましたので」
アホォォォと大声を張りながら叫ぶその同時に豊臣の顔面に火の塊が直撃する。
ボシュウ! と豊臣が被っていた布製のマスクを焼き付く。
リンは火の塊が飛んで来た方向を見るとそこには眼には感情が無くなったような姿になっている火波の姿があった。火波の周りには炎が『発火』してまるで壁のようになっていた。
「今の貴女の姿はまるで紅の炎を纏っている魔女のようですよ」
リンはそう言うと何か手に集束し“ソレ”を火波の炎の壁に向けて放つ。
すると炎の壁は避けるように無くなり意識が無い火波に直撃する。
「!!・・・」
火波はリンから放たれた“何か”に直撃するとその場に崩れた。
「かはぁ!!」
火波は口から大量の血を吐き出す。
「てめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
零は火波に何が起きたのか分からなかったが、義妹に容赦無く攻撃したリンに飛び掛かるように殴り掛かる。
だが、
「・・・・・・」
リンは無表情に容赦無く零の溝にパンチを繰り出す。
「かッ!?」
とても女の子のパンチとは思えない威力で零を殴り飛ばした。
本当に殴り飛ばしたので零は廃棄工場の黄色い砂ぼこりが掛かったコンクリートに転がる。
リンはまた“何か”を手に集束しそれを豊臣の顔面目掛けて放つ。それを感じ取った豊臣なのか、リンが放った“何か”をスレスレに避ける。
「ぎゃわぁ!?」
「避けないでください豊臣さん、火を消す為です」
豊臣の顔面スレスレで“何か”を避けたお陰でマスクに付いていた火が消えていた。
「てめぇリン、お前の“ソレ”は危ないだろうが! もし食らってたらどうなってたんだ!」
「そうですね、ちょっと顔面の原型が崩れて血管とかがグチャグチャになってましたけど火傷で顔を醜くなるよりはマシだったと思いますよ?」
「『ますよ?』って何!? どうなるか予想しないで放ったのかリン! てか原型崩れて血管グチャグチャになるとかの時点でやめろバカヤロォォォォ!!」
豊臣はリンに怒りながら言うがリンは「?」といった感じに何で怒られているのか不思議で分かっていなかった。
そして驚くことが豊臣のマスク取った素顔はまさかのイケメン。
そう、イケテる面だった。
髪は銀髪で上手い具合にセットされてちょっとチャラい感じの顔だ。
「・・・やっぱりそんな強盗マスクを被らない方が良いですよ、カッコイイんですから」
リンは豊臣の顔を褒めると豊臣は片手で顔を隠す。
「くっ//// 恥ずかしいから顔に関する事は言うな馬鹿!」
どうやら豊臣は強度の恥ずかしがり屋らしい、リンはそんな恥ずかしがっている豊臣を無視して零に近寄る、止めを刺す為だ。
「黒神零さん、悔やむなら妖刀師になった事を悔やんでください」
リンが片手を上に翳すとまた“何か”が集束される。
(く、そ・・・・アレは一体何なんだ?)
零は溝にハマったらしく、まだくの字で転がっている。
「それでは・・・・」
リンが片手に集束した“何か”を零に放とうとした瞬間、
「零お兄ちゃんから離れてぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「なっ!?・・・・」
ボシュゥゥゥ!! と炎の渦がリンを囲む。そして一気にリンを包み込んでいく。
螺旋を描くように炎の渦が旋っていく中にリンは居た。
「火波!?」
火波はリンから喰らった“何か”で血を吐き出したので少しは楽になったのか、片手で受けた脇腹を押さえながら弱く歩んで来る。
零も必死に兄を守ろうとしている義妹に近付こうとしたが、
「・・・・無駄なので」
零はギョッとしながら炎の渦に包み込まれている中から聞こえた声に反応すると、一気にズバッ! と何かが弾けた。
火波が作り出した炎の渦を一気に消した、いや、吹き飛ばしたのだ。
「・・・・時間の無駄なのです、豊臣さん」
「そうだな、一気に畳み掛けるか?」
リンは無表情なのだが若干苛立ちの様子があるかような怒っているトーンで豊臣に呼び掛けると豊臣は恥ずかしながらも顔を出してリンに尋ねた。
「『刀詞』だ、リン」
豊臣がそう言うとリンは両手を胸に当て祈るかのようにして何かを呟く。
《己の体は刃、血は風、吹き降りるは風牙の雨》
リンが呟いていくとリンの周りに風が吹き荒れる。
《己は妖しき刀、さぁ語り掛けよ》
廃棄工場の中には風が吹き荒れている、何処から風が吹いているのか分からない。だが、そんな強風が吹いている中に平然と立っていた者・豊臣はゆっくりとリンに近付く。
「ガキんちょが観てろよ? これが本物の『妖刀師』だ」
豊臣は力強く踏み込みながら零に言うと、リンに向けて右手を向け、そして静かに。
「我は妖刀の主、妖刀の銘を今付け与ん。妖刀の銘は────」
妖刀の銘を告げる。
「風鈴音!」
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