第15話「敵と味方」
期末テストが終わり、あとはみんな大好き夏休みの時期ですね。
あっ、私の予定ですか?
アハッハッハ
赤点の補修ですが何か?
何かどっかの学園都市に住んでいる不幸少年と同じ感じで浮かれている駄目な学生、十握剣ですが、次話投稿しまっス(>д<)
「なんだ・・・これは」
黒神零は困惑していた。
義妹を助けに来た所に黒き鋼が光る体色をした一人の少年が居た。
「・・・・・・・・・・」
少年は黙っていた。
「お、お前は一体・・・・・・」
敵なのかと零は聞こうとしたが水波がペタリと座り込んでいたので零は急いで水波に近付いた。
「大丈夫か水波! どこか怪我とかしてないだろうな!?」
零が水波の肩に手を添うように置くと、
「ダイジョーブだぜぃ、炎条が放った炎の煙を少し吸って苦しがっているだけだからなぁ」
水波では無い声が水波の変わりに返ってきた。
零は声がする方向を見るとそこにはコンビニ強盗に良く使う目と鼻と口だけが穴が空いているマスクを被っている誘拐犯が廃棄工場の二階から零達を見下していた。
「たくよ〜、何勝手に暴れだしといて何負けてんだ炎条。お前そんなに弱かったか?」
「・・・・・・クハァ! ハァハァ・・・くそが、豊臣ぃぃ!」
炎条と呼ばれた少年は豊臣に向かって叫ぶ、だが、その叫びにも傷ついた痛々しい少年の声にしか聞こえなかった。
「安心しろよ、お前は斬崎鎖取の大切な仲間なんだからよ、後で回収して行く。だが、その前に・・・・」
豊臣と呼ばれた誘拐犯はかなり高い二階から零を見下ろしながら言う。
「アンタだろ? 金野を倒した妖刀師って?」
豊臣は薄ら笑いを浮かばせながら零に聞く。
「さぁな、知らねぇよ」
零は素っ気なく相手から受けた返事を返す。
「つれないねぇ、俺だって誘拐なんてしたくなかったのよ? したくなかったけど、そんな我が儘が言えないのが悲しい現実だね〜」
豊臣はふざけた感じで零と話す、だが零はそんなふざけている豊臣に苛立ちを浮かばせているが水波がゲホゲホッと咳をする。
零にとって一番気になるのは水波の体調だった。
(くっ! もしアイツが言った言葉が本当ならこのままじゃ水波が・・・・。
クソッ! 何が平気だ!)
零は優しく水波を抱き寄せながら豊臣を睨みつける。
「はははは、そんな睨むなよ」
豊臣は相変わらずふざけている調子だ。だが、零は睨みつけながらも・・・・薄い笑いを浮かべていた。
そう、この廃棄工場に入る前に『ある行動』に出て欲しいと友に、いや仲間に言ったからだ。
「まぁ金野を倒したのは間違いなくお前だ。『白仙女』から聞いたからな、まさかお前も妖刀師だとわな」
(な・・・・に・・・?)
零にとって聞き捨てならない言葉を豊臣から聞いた。
──今コイツ“お前も”って言わなかったか? と。
すると零は一気に豊臣の頭上を見上げる。
そう、豊臣を捕縛する為に廃棄工場の屋根に上がり、太刀を構える雹華の姿を。
バァァァァァン!
雹華は屋根を突き抜け豊臣の頭上に現らわる。
「止めろ雹華ぁ!! ソイツも“妖刀師”だぁぁ!!」
だが落ちてるくる雹華はどうしようもなく一気に仕留めるように太刀を豊臣の頭上を突き立てる。
だが、
がしゃぁぁーーん!!
と豊臣が立っていた二階が崩れて豊臣も地面に吸われるように落ちていく、勿論雹華の太刀も届かず一緒に落ちていく。
「なっ、二階が壊れた!?」
理由は分からない、だが落ちてくる下には義妹である火波が、そして黒色化している少年が立っていた。
「なっ! 危ないぞお前ら!」
零が叫ぶと火波はすぐに気付くが間に合わない。
「・・・クソッ!」
零は水波を床に起き、猛ダッシュで火波に近付くが間に合わないかもしれない。だが零は諦めずに駆けて火波目掛けて飛び込み、火波の肩を掴んで一緒に転がりながら二階の鉄柱や鉄屑を避ける。
ガシャガシャガラーンガシャァーン!
鉄の柱が火波の立っていた場所に突き刺さって居た。
「だ・・・・大丈夫か火波?」
転がる時に頭をぶつけさせないように頭に腕を回しているので怪我は無いハズなのだが一応聞いてみる。
「う、うん、大丈夫だよ。お兄ちゃん」
火波は若干頬が赤らめていたが零はすぐに違う方向に顔を向ける。
火波や水波達を恐らく助けた少年が居なかったからだ。
(まさか!?)
零は落ち崩れている二階の残骸を見ながら言うと、
「大丈夫でしょう、彼なら」
どうやってあの高い二階から降りたのか、声がする方向を見ると豊臣はパタパタと服に着いたホコリをはたき落としながら零達に近寄って来た。
「どうやらお前の妖刀は此処に無いようだね、黒須学園の妖刀師さんよ」
「・・・・てめぇ、どれだけ好き放題やりゃあ気が済むんだ」
零は怒りを隠し切れなくなっているのか、声には怒気が含んでいた。
「ん〜まぁ怒るのも仕方ないか、だがよぉ」
豊臣は怒っている零を軽く見ながら語り掛ける。
「あの綺麗な水色の髪をした女の子を俺に攻撃にしたのが失敗だったな」
すると豊臣は二階の鉄柱や落ちた弾みで床(コンクリートの地面)の砂ぼこりが舞い上がりその砂ぼこりが晴れるとそこには零にとって見覚えのある人物が掴まれていた。
「てめぇ、火波たちにまで手を出した挙げ句、今度は雹華に!」
「まぁ仕方ない仕方ない、リンが来ない以上俺はこうでもしないと直ぐに抑え込まれてしまうんでねぇ」
豊臣は雹華の首を掴んで持ち上げる。雹華は「うぐっ!」と声を漏らしながら苦しがっている。
それもそのハズだ、首を絞めながら持ち上げているのだから。
「クソッ! 雹華を離せ!」
零は豊臣に向かって叫ぶが豊臣は一向に止める気が無い。
するとバァン! と激しい音を鳴らしながら鉄の扉が開かれた。
そこに立っていたのは茜色の長髪に何処かの高校の制服を着ている少女が居た。
「すみません豊臣さん、ちょっと手間が掛かりまして」
そしてその少女の両手には、ボロボロになっている零の友、芦田と尾井群が引きずられていた。
「なっ!」
「芦田先輩!? 尾井群先輩!?」
零と火波はそんな二人を見て声を出す。
「死んではいませんので」
そして芦田や尾井群を引きずる少女は二人を軽く前に投げる。
あんなにもか弱く細い腕のどこにあんな腕力や筋力があるのか零は疑問に思いながら二人に呼び掛ける。
「おい、芦田! 尾井群!」
「気絶してますよ、それほどの事をしましたので」
芦田と尾井群に呼び掛けても返事が無いのに不安がり零は何回も呼び掛ける。
すると二人を引きずっていた少女・・・・道案内をしてくれた少女リンは気絶していると零に告げる。
(気絶? 気絶する程の何かをアイツは、リンがやったのか!?)
零は奥歯を噛みしみながらリンを睨むがリンも無表情のまま立っている。
「お〜ぅ、来るのがおせぇよ、炎条がやられちまった」
豊臣はリンが来た瞬間に掴んでいた雹華の首を離してトントーンとリンに近付く。
「・・・・・・まさか炎条さんがやられるとは思いませんでした、相手は例の取り逃がした異形者ですか?」
「あぁ、今はアソコで寝てるけどな」
豊臣は親指をクイッと二階の残骸を指差す。
「あぁ、そうですか」とリンも特に興味無く返す。
「あぁこれで第一の【任務】を失敗した、そして続いて第二の【任務】に移行するぞ」
すると豊臣とリンは零の前に立ち塞がるかのようにする。
そして告げる、第二の【任務】を。
「黒神零抹殺任務に移行だ」
お願いです(涙)
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