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死神の奇想曲(カプリス)  作者: 奇想曲
14/24

第14話「黒き鋼の男」

更新します!


今回は本編に関係ありませんがレギュラーキャラクターとして出していきたいと考えている鉛銅黒護の話です。






鉛銅黒護は普通の高校の学生だった。


普通に学校に通い、普通に学校で授業を受け、普通に友達と馬鹿をやり、普通にしている生きている少年だった。


だが、少年は、黒護はいわゆる“虐め”を受けていた。


友達と遊んでいると悪態を突かれ、練習台と言って何度も何度も黒護を殴り蹴りの暴力を働き、教師の前では一切にして黒護と距離を置き、虐めをしていないような空気にする。


そんな黒護は何故、教師達に相談等をしなかったのか、そんな理由は簡単だった。


先生に相談すれば黒護がまた倍返しとして虐めがひどくなるからだった。



だが黒護はそれを“普通”と感じ取っていたのだ。


先生に言わなければまだ軽い虐めで終わる。

なら、このままで良いかと。


たとえ、筆箱をグチャグチャにされてたてしても、


たとえ、唾を顔に吹き付けられたとしても、


たとえ、勝手に弁当箱の中身に虫を入れられたとしても、



それは『普通』に感じ取ってしまう黒護だった。


だが黒護も人間だ、ストレスが溜まらないハズが無い。


ストレスの溜め過ぎで、頭痛、腹痛、胃痛等になって何度も早退した黒護だった。


そんな黒護に救いになった者が何人か居た。



まずは友達だ。


黒護と仲が良い友達が鼓枝飛久(こえだとびひさ)だった。


飛久はとても短気で怒りぽかったがとても友達想いの良い奴だった。


そしてもう一人。


それは、黒護が通う高校。東針(とうしん)高等学校の生徒会会長を務めている赤彦千水流(あかひこちつる)だ。


小学校からの付き合いでもあり、いわゆる幼馴染みでもある千水流はとても黒護の事を心配しており、幼い頃よりバカな事やアホな事をして怪我をしる黒護がとても心配していた。黒護はそんな心配性の千水流に『虐め』の事は話さなかった。

話せば生徒会長という権利を使い、黒護を虐めている奴らに何かと(おおやけ)には公表出来ない事をするかもしれないからである。


虐められた日などの黒護は千水流や飛久と三人で良く一緒に遊んだりする、黒護はその三人と一緒に居るだけでストレスが徐々に無くなりつつあること感じ取って居た。



そんなある日、黒護はよく虐めて来る奴らに呼びつけられ、ある提案を出された。


「おい、黒護、夜に帝黒町にある廃工場に行って写真とって来いよ、何でもそこの廃工場には夜な夜な女霊の笑い声や奇妙な音が鳴るんだってよ! だからお前がそれを確かめにカメラ持って写真撮って来いよ」


何とも面倒臭く、そしてくだらないと黒護は思ったがそんな事は言えず、言われた通りに夜に廃棄された帝黒町にある工場跡地に行った。


だが、そこには現実ではあり得ない太刀(モノ)を振り回している臼水色をした髪をポニーテールにしている女の子が二人の女の子と闘っていた場面があった。


臼水色の髪をした女の子は太刀を二人の女の子に向けて捕まえて行った。


「えええええ・・・えれぇモン見ちまったぁ〜」


黒護は茂みの中から廃工場の中の様子を伺っていた。黒い眼鏡を直しながら呟く。


「廃棄した工場跡に奇妙な音や女霊の笑い声を確かめて来いって言われて来てみれば・・・えええええれぇモン見ちまったぁ〜」



黒護は見た全部の事をよく虐めてくる奴らに報告した、だが虐めてくる奴らは黒護の言った事を全部嘘だと決めつけられその日は終わった。


黒護的には別に信じてもらわくとも良かった、被害が無くなるならそれで構わない。そんな考えだった。



そして黒護の身体の変化はその日に起きた。



「はぁ〜疲れたぁ、何で俺がワザワザあんな廃工場に行かないといけねぇのよ、しかもえれぇモン見ちまったしよ」


黒護は虐めてくる奴らと別れて家に戻り、自室でベッドに上に転がる。


「・・・しかし、ホントに凄いモンを見ちまった、あの制服は・・・・・・たしかこの帝黒町(まち)の有名な名門高《黒須学園》の制服だったな、あの黒一色はそうだ。」


黒護はさっき見たであろう少女達の戦闘場面(バトルシーン)を思い出しながら呟く。


「・・・・・・・・・・・・何でだろうなぁ〜・・・・・・ふぁぁあ〜」


黒護は何故あんな所で、しかも太刀なんて物騒なモノを使って闘っていたのか考えていると睡魔に襲われ、重い瞼を閉じて眠りに浸いた。









「・・・くぁっ!?」


黒護は苦痛を浴びた声を出して目を覚ました。


「な・・・なんだ、から・・・だが、軋むぅ!!」


黒護は体中にキシキシ、と何かに縛られている感じを受けていた、だが実際に身体には何も異変も無くただ身体の筋肉や骨などが軋むような痛さに襲われていた。


「・・・い・・・痛ぇよ」


黒護は両手で身体を抑えつけながらベッドから転がり落ちる。

尋常ではないこの痛さを黒護は身を削りながらも我慢していた。

すると数分後にその痛さは徐々に弱まっていった。


「ハァハァ・・・くっ、ハァハァ・・・・・・何だったんだよ、今の・・・」


黒護はあっちこっちの自分の身体に(ほぐ)すかのように身体をパンチしていった。



すると、



ゴキンッ!



「・・・ん?」


黒護は自分の身体から聞き覚えの無い音が聴こえた。

「な・・・なんだこりゃ!?」


黒護は解す為に殴っていた自分の身体の一部分を見ると、黒色に染まっていた。


───ツンツン



黒護は黒色化している自分の身体を触ると、



コンコンッ!



皮膚の音からかけ離れた音が鳴った。


「な、何だよコレ!? まるで鉄みたいに硬くなってる?」


黒護は意識を集中させてみると身体の異常に気付く、何故か感覚的にこの“硬化”出来るようになっていた。


「・・・す、すげぇ」


黒護はパッと硬化させたり普通の皮膚に戻したりと硬化を繰り返しやっていた。


「なんか鋼の錬金術師のグリードみてぇだ!!」


黒護は自分の変化を驚きつつも嬉しがっていた。


黒護は自分の能力を嬉しがっていたが疲れてた為、すぐに深い眠りへと潜った。








朝起きた黒護は一番に気になっていたのが、昨日発覚した“能力”だった。

すぐに黒護は意識を集中させて身体を硬化させると、



ピキピキピキィィ!!




胸から全体に拡がる黒色化した(くろがね)の身体を見る黒護、


夢じゃなかった・・・・・


黒護は改めて実感する自分の硬化能力。



「・・・・・・とりあえず学校か」


黒護は硬化を無くして元の皮膚に戻す、嫌々学校に行く為に準備をした。


黒護は東針高校指定の制服に着替えて重い足を歩かせていた。


「・・・・・・ふぁあ」


黒護は欠伸をしながら歩いていると、後ろから走ってくる人影があった。


「おはよう、黒ちゃん♪」


黒護に挨拶してきたのは、東針高等学校の生徒会会長でもあり、黒護の幼馴染みでもある赤彦千水流(あかひこちつる)だった。


「おはよー、(せん)


「ちょっと私の名前の頭文字だけで呼ばないでよ〜」


「じゃ俺の名前の頭文字だけで呼ぶなよな、高校生にもなって“ちゃん”付けはある意味悪口言われるよりもキツイ!!」



黒く綺麗な長い髪を(なび)かせながら千水流は黒護の言い分を聞いているがそれはその場しのぎ、黒護は何回、何十回、何千回と言っているが千水流は止めなかった。

千水流曰く「この呼び名が一番しっくりくるのよ♪」だそうだ。


「まぁ良いじゃない黒ちゃん、黒ちゃんって言うのが一番しっくり・・・・・・」


「あぁ〜ハイハイ、分かったよ分かりました」


黒護は溜め息混じりな声を吐きながら言うが千水流は「?」といった感じに首を傾げていた。


黒護と千水流は他愛のない会話をしながら高校に通う、それが日課だった。



黒護は朝からからかって来るハズであろう奴らは今日に限って何もして来なかった。

疑問に思った黒護だったが虐めて来ないならそれで良いと判断し、それ以上の詮索はしなかった。

一日の授業を終わらせた黒護は一日虐めてこなかった奴らを不気味ながら早々に帰る支度する。


「なぁ黒護、今日ちょっと美味しい食べ物が売っている店あるんだけど一緒に行こうぜ」


学校が終わった事を嬉しがっている飛久(とびひさ)はカバンを背負ぎながら黒護に聞いてきた。


「別に良いけど、千も連れて行かないと後で怒られる・・・」


「・・・? 千って・・・赤彦千水流か?」


黒護はコクコクと頷いてみせると飛久はニヤリッといった感じのニヤケ面になりながら、


「いやぁ〜大丈夫、大丈夫、ごめんねKYな事を言っちゃって〜俺は一人で行くから大丈夫だよ」


飛久はそれだけ言うとニヤけた面を浮かべたまま「頑張れよ〜♪」と言って教室から出て行った。


「・・・・・・? 何だ?」


飛久の言動を気にしながらカバンを持って生徒会室にへと向かおうとした瞬間、




パチンッ



何処から聞こえたのか、指を鳴らした音が黒護以外居ない教室に虚しく響く。


「やぁ新米異形者(ニューイレギラ)くん、初めましてだね」


教室の端にある窓の角から青い帽子を被った少年が居た。歳は小学六年生並だった。


「えっ・・・何で高校に小学生が?」


黒護は何で高校に小学生くらいの子供が居るのか疑問に思って声に出してしまう、青い帽子を被っている少年は不服そうな顔で黒護を見る。


「ざ・・・残念だけど僕は小学生じゃないんだよね、もうすぐ中学生になるんだからね」


青い帽子を被った少年はそんな風に言うと黒護は溜め息を吐いた。


「はぁ〜〜〜〜〜」


「あっ・・・あぁぁぁぁ! 溜め息を吐くなお前!!」


少年は面倒臭そうな表情しながら、溜め息を吐かれた事を不服に思った少年は黒護に突っ掛かる。


「どっかの弟かな、悪いけどお姉ちゃんやお兄ちゃんの名前言ってくれる? 名前を聞けば分かると思うから」


「ええぇ!? 捜してくれるのお兄ちゃん? ありがとう♪ うんとねぇ〜名前は確か・・・・・・・・・・・・って何やらしてんだアンタ!!?」


うぉっ! ノリツッコミとはやるな、と黒護が呟きながら教卓の中に閉まっているクラス名簿を見ながら、まだ聞いていないクラスメートの名前を探す。


「くっ! ふざけるのもいい加減にして欲しいモノだよ!」


青い帽子を被った少年がそう言うと黒護の背後から誰か居る感覚を感じ取り振り向いて見ると誰も居ない。


そう思った瞬間、




黒護の視界が半回転していた。


(えっ・・・なっ!!?)


黒護は急に起きた事態に理解出来ず、教室の床に転がる。


「・・・・・・・・・・」


黒護が誰に飛ばされたのか確認する為に投げ飛ばした相手を見てみると、今まで黒護を虐めていた奴らだった。


「なっ・・・・・・」


だが虐めてきた奴らの瞳には“自らの意思”のある瞳では無かった。

そう、まるで何かに操られているような、


「『操作粉砂(オペレッタ・パッダ)』・・・・・・僕が生み出した粉を吸い込んだ人間は、脳の指示を出す血管血液に混ざり込み多少だが操れる事が出来るんだ、それが僕の異能力『操作粉砂(オペレッタ・パッダ)』だ」


青い帽子を被った少年は愉快そうな笑みを浮かべながら黒護に語る。


「ねぇ新米異形者くん、コイツらに虐められてたんだよね? 今日は虐めが無くて良かったじゃないか」


「・・・・まさか、お前のその能力で今日は黙らせていたのか!?」


黒護は立ち上がり青い帽子を被った少年に聞く、少年は笑って返した、それだけで分かった。


「なんの目的でコイツらを使った」


黒護は掛けている黒い眼鏡を直しながら少年に問う。


「理由は簡単さ、僕らの仲間になって貰いたくて来たのさ」


少年は並べてあった机の上に行儀悪く座った。机の上に座っても黒護の背に勝てなくて悔しいのか、さっきまで笑っていた顔が今はいじけたような顔になっていた。


「・・・・・・仲間?」


黒護は意味が分からなそうな顔をしていると青い帽子を被った少年は淡々と呟き始めた。


「そう仲間だよ、僕ら『斬裂く白き(リッパー・ザ・チェーンズ)』の一員のね」

「斬裂く白き(リッパー・ザ・チェーンズ)だと?」


聞きなれない単語に黒護は聞き返す、少年は青い帽子を深く被り直す。


「そうさ、その『斬裂く白き(リッパー・ザ・チェーンズ)』の、つまり僕らのリーダーの斬崎鎖取(きりさきさとる)がアンタを勧誘をして来こいって言われた訳さ」




パチンッ!



少年はまた指を鳴らす、すると『操作粉砂(オペレッタ・パッダ)』で操られている生徒が黒護に迫り来る。


「なっ!?」


黒護は迫り来る生徒に驚き後ろに下がる、すると教室の入口から黒護を虐めている奴らの中心核、つまりクラスの(リーダー)が入って来た、リーダーと言っても「暴力」と言う名で勝ち取っただけの重圧で皆を黙らせていた奴だ。


「名乗るのが遅れました、僕の名前は筏井斗儁(いかだいとすぐ)って言う者です」


青い帽子を被った少年は顔を上げて筏井斗儁と名乗り黒護に近付く。


「仲間になってくれますよね?」


青い帽子を片手に付け、まるで挑発させるかのような笑みを浮かべながら筏井は言った。




───ヤバい




黒護は一瞬にして頭にそう浮かんだ、この子供は子供であって・・・子供ではない。その感覚に黒護は意識を駆り出される。




ばっ!!




ぞろぞろと教室に入って来たのは全員、黒護を虐めていた生徒達だった。筏井は虐めていた奴らだけ操っているらしい。




ガシャンガラン!!





「なっ!!?」



クラスのリーダーらしき生徒(結構体が大きい奴)が蹴った机が人間の脚力では到底あり得ない攻撃性のある蹴りで壁にぶち当たっていた。


「ど・・・どういう事だ! コイツの蹴りがこんなに強いハズ無いだろ!?」


黒護は高校生の蹴りとは思えない奴らを見て後方にズリズリと下がる。


「それはそうです、その人達には『操作粉砂(オペレッタ・パッダ)』を使っているのですから・・・」


「はぁ? ちょっと待てよ、お前さっき脳の血液に操作粉砂(オペレッタ・パッダ)を流し込み、多少なりとも操る事が出来るって言わなかったか!?」


「まぁ言いましたが、説明を省いておきましたからね。まぁ簡単に言うとですね・・・」


筏井は軽〜い感じで喋る瞬間、



ガンッッ!!



「いっ・・・がっ!!?」


操作粉砂(オペレッタ・パッダ)に操られている生徒がパイプ椅子を持って黒護の頭を思いっきりぶつけたのだ。


「がああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」


黒護は頭を抑えながら床に転がる。


「あぁすみません、操ると言っても命令を一定の衝波数として流しているだけなのでソレは私が命令した訳ではありませんよ?」


筏井はそう言いながらも笑みを決して崩さなかった。黒護は激痛を耐え、立ち上がるとすぐに次の生徒から反撃を受ける。


「がはっ!!」


黒護はなんとか防いでいる。だが、操られている生徒達は尋常じゃない一撃一撃を黒護に容赦無く振るう。


「あれぇ? おかしいですね、貴方も何かしらの能力(チカラ)があるのではありませんか? 幾ら貴方でも操作粉砂(オペレッタ・パッダ)で筋力を無理矢理張らせて強くしたコイツらの蹴りを受け続けたら死にますよ」


筏井は袋叩きにされている黒護が何故能力使わないのか疑問に思っているとある一つの仮設を思い浮かべる。


この目の前の男は能力をまだ使いこなしていないのではないかと。


「ふぅ〜斬崎さんも気が早い、まだ自分の能力(チカラ)さえも使いこなしていない奴を仲間に誘うだなんて」


筏井は溜め息を吐きながら指を鳴らす姿勢をとる。


「邪魔者が入って来てもただ邪魔になるだけ、それなら一層ここで殺しておけば後々楽になるでしょう。幸いこの鉛銅黒護と言う生徒は度々虐めを受けていたりしてます、もし・・・・・・その虐めていた生徒達が集団で“過激な虐め”をしてしまい“誤って殺して”しまっても斬裂く白き(ぼくら)の跡は残らない」


その喋りには一切の感情というものが抜けきっており、こんな冷たく、そして冷淡に聞く言葉は初めて、というような顔をする黒護には、もう普通の小学生とは思えなくなっていた筏井斗儁がさっきまでの笑みを消し、天井に目掛けて上げている片手の指を、鳴らす。



パチンッ!




自然と指パッチンの音を聞いた黒護は瞬間的に何かに刺された感覚に襲われた。


リーダーらしき男子生徒が銀色に輝く刃、サバイバルナイフで黒護の背中にブスリ、と刺していた。



だが同時に不可思議な音が聴こえた。




カキンッ!!




まるでナイフを鉄塊(てっかい)に刺して刃先が欠けたような音だった。


そして次に起きた事はもっとあり得ない事だった。



何人もの生徒達が一斉に吹き飛ばされた光景だった。







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ」




一瞬、




その一瞬で何人もの生徒、『操作粉砂(オペレッタ・パッダ)』で無理矢理筋力を強化された生徒達が吹き飛ばされたのだ。


筏井は少し離れた場所で見ていたのだが本当の一瞬の出来事で一言しか発っせなかった。


「・・・・・・暴力までならまだ我慢出来たけどさ、武器(それ)使うなら俺も硬化能力(ぶき)使って良いよな?」


黒護は身体の至る所からくる激痛を我慢しながらも口から溢れている血を手で擦る、口の中が切れてしまって錆びた鉄の味しかしなかった。

黒護は片手を黒色に染まり硬化した人差し指で筏井を指す。手はもう完全に尖った鉤爪のような形になっていた。


「・・・・・・身体能力が人とかけ離れ過ぎている、一秒でどれだけの動きをしたのですか貴方は!!」


筏井はブルブルと身体を震わせながらも怒りが積もった言葉を黒護に言い放つ、すると黒護は、




ドォッン!!!!




近くにあった机を木っ端微塵に殴り潰した。


「・・・あんま年上を舐めるな小学生ぃ、痛い目合うぞ」


かなりの怒気を含んだ言葉を筏井に言い返した。

さっきまでの冷淡な筏井は何処へやら、今の筏井は本当の小学生のように床にぺたりと座りビクビクしていた。


「・・・人を使わないで自分自身で戦えよ卑怯者、そんな少し離れた場所で観戦してやがって、しかも自分の犯した罪を能力で操っていた奴らに押し付ける? ふざけてんのもいい加減にしろ!!」


黒護はズンズンと激痛を感じながらも一つ一つ足を踏み出す、筏井は「うぅっ!?」と言いながら座りながら下がる。


「俺はな、そうやって安全地帯から命令下して紛争地帯に行け、とか抜かす野郎みたいな奴が嫌いなんだ!! まだ正面切って来る奴らの方がマシだ!!」


筏井の前まで来ると黒色に硬化した片手でズシッと筏井の胸ぐらを掴み上げる。


「う・・・うわぁ!!」


「その斬裂き白き(リッパー・ザ・チェーンズ)の頭に伝えろ!! 『死んでも仲間にならねぇ』ってなぁ!!」


黒護が叫び声に近い張り上げた声で筏井に言うと、涙目になる。

その涙目を見た黒護は一瞬にして頭に上がっていた血がササァーと下がって行くのが分かった。


片手で子供の胸ぐらを掴んで叫ぶ黒護。


あれっ?

オレ子供泣かした!?


黒護はすぐに筏井を床に下ろして硬化した片手を普通の手に戻し、ごめんね〜と筏井の頭を優しく撫でる。


「く・・・屈辱だ!!」


筏井はそう呟くと、




ゴチンッ!!




「ハギャアァッ!!!?」


黒護の金的を見事に蹴りあげてそそくさ教室から逃げて行った。

ぐわぁぁぁぁーと黒護は男の大切な場所を両手で押さえながら床を転がり回っていた。


「がぁクソ、ハァハァ・・・ヤ、ヤバい。今日最大の一撃を・・・受けた・・・やるじゃ・・・ねぇか・・・あの小学生」


黒護は涙を流しがら独り言を呟いていると、


「あれちょっと? 黒ちゃん何踞(うずくま)っての?」


タイミングを見計らったように生徒会の仕事を終えた千水流が教室にやって来た。


「・・・・・・・・・・・・」



「返事がない、ただの屍のようだ」


「ドラクエ!? 勝手に死なすな千!」


「千じゃなくて千水流って言ってるでしょう?」


千水流は長い黒髪を(なび)かせながら教室に入ると気絶している生徒達を見て驚愕の顔をした。


「えっ!? ど、どうしたのこの人たち!?」


黒護は溜め息を吐きながらその場に座り込んだ、千水流は光に照らされた黒護を見ると驚愕の顔から更に驚愕の顔へと変貌した。


「なっ!!? どうしのその怪我!? 頭から血が出てるよ、あぁ口からも!」


千水流は怪我しまくりの黒護に近寄りポケットに入れてあったハンカチを出して黒護の血を優しく拭いてあげる。黒護は遠慮、と言うか恥ずかしいので止めろと言ったが千水流は大人しく止めるハズも無く拭き続ける。




黒護はその後、千水流に病院に行くように何度も言われたが曖昧な返事だけを残して家に帰り寝た。




黒護はその数日、放火魔こと炎条騎烈に追い掛け回され、相手が殺しにやって来たので黒護は自己防衛と言う名で見事に返り討ちにし、その数日に他校の生徒達にまで手を出した『斬裂く白き(リッパー・ザ・チェーンズ)』に頭にきて殴り込みに向かい、手を出された女子生徒達を助けようとしたらその女子生徒達も異形者(のうりょくしゃ)で共闘して炎人間をぶっ飛ばす等、




波乱で万丈な数日間を経験をした鉛銅黒護だった。




如何でしか?


個人的に黒護の能力は硬化能力であり《鋼の錬金術師》に出てくるグリードをモデルとしています!



あぁ・・・また真似(パク)ってしまった。


でも個人的にグリード好きです♪




今後の話にじゃんじゃんと黒護や仲間達を入れて話を進めていきたいと考えております。



感想やコメントを受け付けております!


本当に気軽で良いのでください(涙)


てか本当にUTさんしかコメントが無いので悲しいですよ(T_T)




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