第13話「異形者」
またもやテスト期間中なのに携帯をいじっている十握剣でっす(涙)
何でかな〜?
テスト間近になるとすんげぇ小説に打ち込めんですよ。
あっ分かった( ̄▽ ̄)
集中力が無ぇんだ(-_-)
古い工場跡には暗い闇が支配していた、闇と言っても日が差していないだけで、目でハッキリとまでにはいかないがちゃんと見える。
そんな暗闇の工場跡に強盗に良く使われる目と口だけ穴が開いてあるマスクをしている男が居た。
「う〜〜ん、アイツ来るかなぁ。流石に見捨てるとまでにはいかないが・・・ガキだからな」
マスクの男はブラブラと工場跡の広場をウロウロしていた。
そしてそのマスクの男がウロウロしている場所には誘拐された黒須学園生徒会の女子一年生メンバーが居た。
「むぐぅーーー!!」
「う〜ん?、また頑張っちゃってるね青髪ちゃん」
マスクの男は口に布をくわえさせている水波にしゃがみ込んで微笑みながら言う。
「はぁ、俺もなるべく犯罪は犯したくないのよ?、でもさぁ、君のお兄様がちゃんと来ないとこっちが困っちゃうのよ」
マスクの男はケラケラと笑っていると、
「いつまでも遊んでんじゃねぇぞ、豊臣」
豊臣と呼ばれたマスクの男は背後から聞こえた方向を見るとそこにはオレンジ色のパーカーを着ている少年が居た。
「はんッ、何言ってんだ。てめぇが【任務】を失敗したから斬崎さんに殺されないようにしてるのを協力してやってんだぜ?、感謝こそすれその言い方はどうだかなぁ、炎条騎烈?」
「チッ・・・」
豊臣の背後に居たのは昨夜、町中を火事にした犯人の炎条騎烈が居た。炎条はバツの悪そうな顔をして舌打ちをする。
「たしか斬崎さんの命令は新しく能力に目覚めた新米の仲間勧誘じゃ・・・・・・」
「あぁ!?、あんな奴仲間に入れる気はねぇぞ!!」
「いや、それはお前が判断するなよ、斬崎さんに聞かないとどうしようも無い」
炎条は近くにあった錆びたパイプ椅子を蹴りあげる、水波達はビクッと怯えた。
「おいおい、イライラすんなよ。お前がその新米を甘く見てたから失敗したんじゃねぇか」
豊臣は古いソファーに座る、炎条は殺意を込めた瞳で豊臣を睨む。
「・・・つーかてめぇさっきからウゼェな、何様だ」
「えぇ〜そのイライラの矛先が俺に向けられんの〜」
※
豊臣と炎条がそんなやり取りをしている中、零たちはと言うと。
「あの〜リンさんとか言いましたっけ?」
「はい、リンとは私の事です」
茜色の長髪をした少女は素っ気なく返す、聞いた芦田も少したじたじになる。
「・・・貴女は俺らをさっきの男の場所に道案内してくれているのだろう?」
「はい、そうです」
芦田が聞くハズだったが尾井群が聞いた。またリンは素っ気なく返す。
「「だったら・・・」」
すると今までずって黙っていた二人が合わせて言い出す。
「「何で同じ場所を何度も通ってるんだぁぁぁーー!!」」
零と雹華は大声を上げながら叫ぶ。零は大事な妹達に危険が迫っている事によってイライラボルテージがMAXになり雹華も一年生が心配し過ぎで早く着かまいかと焦り苛立ちを出す。
「・・・おかしいですね、確か道はこっちで良かったハズ」
「そこはさっきも通って来た道だぞ」
「イライライライライラ」
「・・・む、いかん。黒神が余りにもイライラし過ぎて口に出し始めた」
「ぬがぁ止めろ零!!、余計に苛立ちを増す!!」
「そして雹華も何気苛立ってるってオイ!!、刀出して振りまわすな!!」
ぎょわぁー剣先が刺さるぅー、等と暴れている生徒会二年生一行、リンは携帯を取り出して泣き泣き豊臣に道なりを聞いていた。
そしてリンは豊臣に超もの細かく分かりやすく説明されたハズにも関わらず!、その後、帝黒町を二、三週歩き通した後に痺れを切らした豊臣から電話が掛かって来た。
『うぉぉぉぉぉぉぉい!!、テメェなに道迷ってんだバカ!!、なぁマジどんくらい時間食わせれば良い訳よ?、道案内が道分かんねぇなら道案内じゃねぇだろが!!』
「はい!!、確かにそうかもしれませんが、まだ私にはチャンス到来してくる確率方向に10円賭けます!!」
『アホォウ!!、もぉ無ぇよ、てか賭けるもん安っ!!、泣いて良い?、泣いて良いかぁぁ!?』
「いや、泣くとかちょっと引いちゃうって言うか・・・・・・」
『誰のせいで泣いてんじゃボケェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」
携帯からなのにこんなハッキリと声が聞こえるってどんだけデカイ声で喋ってんのよ、と雹華は思うしかなかった。
「(なぁ・・・このままコイツらの言いなりで良いのかよ、零)」
芦田はリンに聞き取れない程の小声で零に聞く、零もリンに聞こえないように小声で応える。
「(俺もさっきまでそう思ってた、逆にこのリンという女の子を捕まえて交渉とかで取引してやろうかなと思っていたが、相手がどう対応してくるか分からんし、逆に刺激を与えて水波達が危険な状態になってしまったら元の子も無い、だからその考えは捨てた)」
「(そんじゃどうすんだよこの状況、もしリンとか言う女の子が異形者だったらどうすんだ?)」
零はまだ豊臣と話しているリンを眺めながら考える。もし彼女が異形者だとしたら真っ先に零達を襲ってくるハズだ、なのにリンは襲って来る気配も無く、敵意があるのかさえ分からない。
「・・・・・・ふむふむ、すみません豊臣さん。すぐに行きますから待ってて下さい」
リンはそう言うと携帯を切る、まだ豊臣が何か叫んでいたがリンは聞き耳を立てずにしまった。
「ふぅ〜やっと道案内が出来るようになったのか?」
雹華が疲れきった声でリンに聞く、リンはコクコクと頷いてまた歩みだした。零達は本当に大丈夫なんだろうかと心配しながらもリンの後に付いて行くしか他無かった。
※
「ハァハァ・・・・・・ヒューヒュー、げほげほっ!」
豊臣は呼吸混乱が起こりそうな程に咳をしていた。
「・・・ふんッ、お前はリンに優し過ぎんだよ。少しは厳しく叱ってやれ」
炎条はポケットから取り出したタバコを口にくわえながら言う。
「ハァハァ、うるせぇ、アイツは俺のパートナーなんだからなんだって良いんだよ、・・・てか暑いわこのマスク!!」
豊臣は被っていたマスクを取って涼しそうにしていた。
「マスク取って良いのかよ!?」
炎条は当然のように驚いて口にくわえていたタバコを落としそうになったが、落ちる寸前に拾い上げた。
「あぁもう良いや、だって俺らの目的はアイツらを・・・・・・」
バァァン!!!!
豊臣が言い終わる寸前に工場の古びた扉が勢い良く吹っ飛んでいた。
「・・・ここに居たか」
扉を飛ばした者らしき少年が居た。
だがその少年は何処か普通で無い“何か”を感じさせる威圧感があった。
炎条はそんな少年を見た瞬間に総毛立つような顔立ちになり、くわえていたタバコに指パッチンで火をつけた。
炎条はタバコを一気に吸い終え、口の中に拡がった煙を吐き捨てる。残ったくわえ部分を吐き捨てると、片手に炎を灯らす。
「アーハッハッハッ!!、まさかそっちから来るとは思わなかったぜ、《鉄人》」
《鉄人》と呼ばれた少年は一切炎条に反応せずに立ち尽くす。そんな少年に怒りを燃やす炎条は今にも焼き殺そうと片手の炎が天井に届く程燃えてたぎっていた。
「わぁー待て待て、炎条! こんな所で能力を使うな、ここら一帯を燃やす気か!?」
豊臣は炎条の指摘でまたマスクを被ったのだが、炎条が《鉄人》に向かって喧嘩を吹っ掛けようとしている所を止めに入ろうとした、だが、突然と豊臣の“背後”から殺気を感じた、そして次の瞬間、
ドスッ!!!!!
「・・・・・・!?」
豊臣は“何か”に凪ぎ払われ、壁にブチ当たった。
「あぁ!?」
炎条は吹っ飛ばされた豊臣を見ながら吹っ飛ばした奴を見るとそこに居たのは、
「ハァハァ・・・・・・」
さっきまで縄で縛られて居た、水波達が居た。
「・・・テメェ、どうやって縄ほどいた? いやそれよりも“今の”はなんだ?」
炎条は視線を少年に向けているが、片目で水波を捉える。水波は自分でも何をしたのか分からない状態らしく自分の両手を見ながら立ち尽くしていた。
「ぁあ? そうか、もしかしてお前も《異形者》か?」
炎条が言い放った言葉に水波は体をビクリっと震わす、自分が『異形者』だと。
だが炎条はそんな硬直常態になっている水波を待つハズも無く容赦の無い眼光を放ちながら水波に近付く。
「まぁ俺的にそれはどうでも良いけどよ、厄介者が増えるのはよろしくねぇ、だから今の内に・・・潰す!」
「えっ・・・!?」
炎条は離れていた水波に近付く為に地面を蹴る上げて一気に近寄る、水波は一瞬何を見ているのか戸惑った。
それもそのハズ、人が“飛ぶ”なんてあり得ない、だが目の前の少年は地面から離れるとまるで豪速球のような速さで水波に近付く。
炎条の手は炎で纏っており掴まれば火傷以上に皮膚が溶けてしまう。そんな炎を纏っている手を水波の“顔面”向かって掴もうとしたのだ。
ボォウ!!!!
「な・・・がぁ・・・!?」
だが、炎条が水波の顔面に掴もうとした瞬間、炎条の体は一気に燃え出した。火だるま常態になっているのだ、水波は一体何が起きているのか理解出来ていなかったが、これだけは理解できた、
──この炎条はわざと火だるまになっているのでは無い、まるで誰かが放った火を受けたみたいになっている、と言う事を、
「・・・・・・貴方、今水波ちゃんに何をしようとしたんですか」
水波が火だるまになっている炎条をどうするか迷っていると、水波の後ろからとてつもなく冷たい声が聞こえた。
水波は後ろを振り返ると俯せになりがらも立っている双子の妹・火波が居た。
「オイオイ、異形者が二人も“目覚め”ちまったのかよ、斬崎が聞いたら怒りそうだな」
水波は混乱してある頭を必死に回転させている中に吹き飛ばしたハズの男、豊臣が背中を摩りながら近寄って来た。
だが水波は豊臣が言った言葉に驚いていた、今“二人”と言わなかったか、と。
「・・・チッ、魔法型の異形者か。しかも炎系」
聞こえて来たのは豊臣の声では無かった、突如燃え出し、火だるま常態になっても倒れていなかった炎条から放った声だった。
その声はまるでこれから燃え死んでしまう焦りと恐怖の声色ではなく、面倒臭い仕事が増えてしまったかのような気ダルさの声色だった。
「なっ・・・火だるま常態になってるのに生きてる!?」
水波は思わず声を出してしまった、だが炎条は興味が無さそうに身体に燃えている火を一気に“吸い上げた”のだった。
「・・・なっ!?」
「ぷはぁ、マジィなこの火は」
水波は今何を見ているのかさえも驚く、今この人は火を吸った!? 水波は混乱し過ぎで頭がショートしそうになったが火波が水波の前に立ち、まるで守るかのような体制になったのに気付いて正気に戻る。
「ちょ火波!?」
「・・・・・・」
「ほぉ〜〜一番大人しかった娘が炎条を焼き払ったのか、こりゃ凄いわ」
なっ!!
今なんて言った!?
水波はそう思った瞬間、火波は掌から火を生み出して炎条に放つ。
炎条はそれを難なく振り払った。
「・・・・・・」
火波は無言のまま炎条と豊臣を睨む。
「・・・能力に目覚めたからって良い気になってんじゃねぇぞ」
炎条は片手に炎を灯らす、手から腕に、腕から肩にまで燃え上がっていった。
「俺は体質型の異形者だ。しかも炎系のな。だから身体を自由に炎化出来るって訳だ・・・・・・」
「・・・・・・」
「つまりはだ・・・・・・俺はお前の攻撃は一切通じねぇって────」
炎条は片手、いや、片腕を炎化し、その炎腕を火波に向けて、
「───訳よ!!!!」
放つ。
ただそれだけの動作で火波や水波達が居た場所は焼き付くされた。
「なっ!? てめぇ何てことを!!」
それまでずっと固まっていた《鉄人》が動いた、だが、
「黙れ!!」
炎条は一気に《鉄人》の近くに瞬時に移動し炎拳を繰り出す。
「くっ!!」
だが鉄人は炎化した拳を素手で掴みガードした。
普通の素手ならば火傷してしまう炎条の炎拳だが、鉄人の手は黒色になっており炎条の拳を握り返した。
「チィ!! そうだ、その能力のせいで俺はお前を仕止め損ねた!! 何なんだお前の能力は」
炎条は吠えるように鉄人に聞くが鉄人は黒い眼鏡をかけ直すとすぐにもう片方の腕を黒色化し炎条に殴り掛かる。
炎条は下がろうとしたが、拳を鉄人に掴まれており避ける事が出来ず鉄人の拳を喰う。
ゴキンッ!!
まるで壁をハンマーで殴ったような音が廃工場に響く。
「ぐがぁっ!?」
炎条は鉄人に殴られ一気に意識が飛んで行きそうになりながらも止まらせる。
「俺は《鉄人》なんかじゃねぇ!! 鉛銅黒護っつう名前があるんだ、憶えてろ放火魔野郎」
黒護と名乗った少年は再び炎条に殴り掛かろうとしたが、炎条はすぐに黒護との距離をおいた。
「うわぁアイツも異形者かよ、しかもあの炎条を退けさせたよ」
豊臣はいつの間にか廃工場の二階へと移動していた。
「リンはまだ来ねぇのか、アイツら来ないと俺の仕事は始まらんのですけどねぇ」
豊臣は溜め息混じりに呟く、炎条一人であの黒護とか言う少年をどうにかするには難ありそうである事に気付く豊臣は先程、炎条が生徒会の一年生女子達に放った方を見てみると火波とか言う少女が炎条の炎を“掴んで”いる場面を目撃してしまう。
「うわちゃ〜炎条の相手が三人になっちまった、まぁこの三人は目覚めたばかりだし戦い馴れていなそうだけど・・・・・・こりゃキツイかもな」
そんな他人事のように豊臣は二階から眺めていた。
「・・・・・・っ!!」
「はぁ!? 炎を掴んでるだぁ!?」
炎条はさっき放った炎を掴んでいる火波に驚きながらも火波に炎拳を繰り出す。
だが、
ボォォォゥゥ!!!!
「何っ!!!?」
炎条が火波に間合いに入った瞬間、何か壁のようなものに当たる感触を覚える。
「許しません、貴方は水波ちゃんの綺麗な顔に一生消える事の無い火傷を負わせようとした!! 絶対に許しません!!」
火波はまるで何か取り憑かれたように掴んでいる炎を剣のようにして炎条に振るう。
「バカがぁ!! 効かねぇよ!!」
炎条は避ける事のなく火波の炎の剣を受ける、受けた場所から炎が溢れ出たが炎条は退屈そうな顔で火波の首を掴む。
「かはっ!?」
炎条は火波の首を掴むと人間離れした脚力で廃工場の壁に一気に押し付ける。
「魔法型は体質型に勝てねぇんだよ? 理由は分かるか?」
首を締め付けられている火波は呼吸をする事を許されなく、炎条は容赦無く締め付ける。
「教えてやっても良いが、もうすぐ死ぬから意味無ぇか、アハハハハ!!」
炎条は一気に火波を締め殺そうとしたが、
轟っ!!
その刹那、黒い何かが炎条をぶっ飛ばした。
「俺は最初からお前が嫌いだった」
黒護の一発のパンチだった。
炎条は炎を纏った多少強化された腕で防御したのだが、完全に片腕が言うことを利かなくなった。
その証拠に炎条の片腕は震えているだけで動こうとしなかった。
「・・・俺はお前に言いたい事があったんだ」
黒護は信じられない脚力で炎条に近付く。
「なっ・・・・・・!?」
「まず一つ目だが、俺はお前より年上だ。言葉遣いがなって・・・無い!!」
黒護は黒色に染まった腕で炎条に再びパンチを繰り出す。
「チィィィィ!!」
炎条は迫り来る黒護のパンチを僅かならずに反らす、ブォンと手加減など微塵もない音を出すパンチを繰り出す。
だが黒護の攻撃は終わっておらず、パンチを反らす為に片手を使った為、脇腹ががら空き状態になっている炎条に黒護はつかさず遠心力を働かせた回し蹴りを食らわせる。
「がはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
普通の蹴りならば炎条には効かない、だがそれは“普通の蹴り”ならではの話であり、黒護の蹴りは普通では無かった。
その証拠に脇腹に蹴りを受けた炎条は大量の唾を吐き出し尋常ではない叫び声を出しながら倒れる。
黒護が蹴った時に何かが折れた音がした。
「クソが、ク・・・ソが、ク・・ソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
炎条は腕を炎化し、黒護の首筋をわしづかみする。
ボォォォゥゥ!!
黒護の首から上に炎を燃え上がらせる炎条。
「ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
炎条は笑っていた、もう相手を殺したと判断したからだ、だがそれは大きな間違いである事に炎条は気付いていなかったのだ。
まず最初に疑問に思うべき所は、
何故、黒護は首から上を燃やされているのに“立って”いるのか、
という点だった。
「───そしてもう一つ」
「ハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・・・・・・・ハッ?」
炎条は一体何処から声が聞こえたのか分からなかった、さっきの赤髪の女は其処に居る。
だが、声は発していない。
明らかに女子の声色では無かった。
まるで軋む鉄に油を注さないといけない音。
まるで鉄と鉄が擦り合った無機物の音のような声色だ。
炎条は気づく。
握り燃やしている目の前の男の顔が“焼け溶けて”いない事に、
炎条は驚愕する。
目の前の男の顔が黒色に染まり、まるで仮面のような、まるで髑髏のような顔になっている黒護に。
そんな炎条はまた気づく、黒色化した目の前の男から発した、声なんだと。
「女に手を出す馬鹿野郎は地球最大史上最悪なクズだってなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
轟っ!!!!
まるでビルを壊す鉄球のような一撃を、黒護は炎条の腹部を容赦無く叩き込んだ。
ボキボキボキィィィ!!
「ぐ・・・がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
尋常では済まされない強烈な一撃を受けた炎条は廃工場の壁にぶち当たり、そして倒れた。
身体の何ヵ所の骨を砕かれた音と共に。
※
零達は走っていた。
リンという少女が案内をしてくれて、目的地の近くまで来た零達だったが見えてきた廃工場が燃えていることに気付くと猛ダッシュで駆けていた。
廃工場には大きな扉があったのか、片方の扉だけが吹き飛ばされていた。
(オイオイ・・・冗談じゃねぇぞ、まさか放火しやがったのかあのマスク野郎は!?)
零はマスクの男、つまり豊臣が言った最後の言葉を脳裏に浮かべさせながら廃工場に入る。
だが、そこにあった現状は誰も予想していなかったろう。
気絶している白亜と柱木、
呆然と立ち尽くす水波、
首を摩りながら座っている火波、
頭から皮膚が見える場所を全部黒色化している男。
せして放火魔らしき身体から炎を発している無惨に倒れている少年。
「なんだ・・・これは」
どうでしたでしょうか?
新しく登場した鉛銅黒護くんは(>д<)
名前の由来は国語からとりました!
なんかもう無茶苦茶ですね。
水波と火波は異形者になりましたね。
最初から異形者として登場をしたかったのですが、作者がどのタイミングで出すか迷ってしまい第13話でやっと出せました(汗)
感想やコメントをお待ちしております!!
本当に感想やコメントを下さい、コメントしてくれる人が少な過ぎて泣けてしまいます(ToT)
この作品の質問や何でも良いのでコメントして下さぁーい!
待ってます(°Д°)ゞ