第11話「妖刀師・勇美」
あぁ〜
やっぱり小説は難いです。
今回は短いです、スミマセン(-_-)
ホテル顔負けの豪華施設の食堂に、零は一人で食べている黒髪ポニーテールの少女に近付いて行った。
「・・・よぉ、土方、ここ座って良いか?」
零が土方と呼ぶ黒髪ポニーテールの少女に聞くと土方は零が居ることに気付いて零に頭を下げて謝ってきた。
「・・・・黒神副会長!、さっきは、その、すみませんでした・・・って、何ですかソレは?」
「ん〜?、これは食後のデザートだ、トロピカルだろ?」
謝っていた土方は零が持ってきたドデカイフルーツパフェを見て驚いた、零は土方と同じテーブルに座るとフルーツパフェを食べながら土方に聞いた。
「さっき聞いたんだけどよ、お前・・・コンドウって言う奴のせいで喧嘩してたんだじゃねーのか?」
「紺藤さんを知っているんですか?」
「ま・・・まぁ一応生徒会の副を務めてる身だからな、その紺藤っていう奴は・・・」
零がフルーツパフェのバナナを食べようとした瞬間に土方はテーブルを叩いて零に怒鳴る。
「紺藤さんを『紺藤の奴』と言わないで貰いたい!!」
土方が怒鳴ると辺りの生徒達は一気に零や土方たちに注目する。
「悪かった、悪かったからあんまり大声を出すな、俺は良いが周りが見てるぞ」
零はフルーツパフェを夢中に食べながら土方に言うと土方は顔を赤らめながら椅子に座る。
「こ・・・紺藤さんは関係ありません、それに失礼ですが、もしあったとしてもこちらの問題なので。黒神副会長には関係ありませんので・・・」
土方がそう言うと、さっきまで食べていた蕎麦を一気にたいらげ食器を片付ける為に椅子を立つ。すると零はフルーツパフェにスプーンをブスッ、と刺しながら静かに言った。
「確かにソッチの問題だったら口を出す必要なんて無ぇよ、でもよ」
そして零は刺したスプーンから綺麗にアイスをくりぬいて口に運ぶ。
「・・・何かあった後じゃ・・・どうにもなんねーぞ?」
零がそう言うと土方は無言で食器を片付けに行った。零は土方が居なくなると一気にフルーツパフェを食らい付いた、やはりチビチビ食べるよりガバッといった方が食べてる感じがしてるらしい。食べ終えた零は少し考え込む。
(火波が言った紺藤勇美っていう人物を調べた方が良さそうだな)
零は食べ終えた食器を返して、教室に戻ったのであった。
※
「そして私に聞きたいと言う訳?」
零はまだ終わっていない昼休みを同じ生徒会のメンバー、灯璃に会いに行った。
「灯璃なら何か知ってるかなと思ったんだけど・・・どうなのよ実際」
「う〜〜ん、余り知らないわねぇ」
「・・・チッ、役に立たねぇな・・・」
「ちょアンタ、何気に毒吐いた?、今毒吐いたわよね?」
零は言ってねーよ、と言った後に自分の教室に戻って行った、灯璃が零の背中を睨んでいる視線があったが気にしないで戻る・・・。
零は教室に戻ると同時に授業の始まるチャイムが鳴り、五時限目が始まる。零は授業を聞きながら窓の外を眺める。黒須学園の新しい妖刀師が居る事が気になって仕方なかった。
結局、一年生に居る妖刀師の事が気になり、授業に集中出来ず、授業を聞き流しながら五、六時限目があっという間に終わっていた。
(・・・取りあえず会長に聞くのが一番だな)
零はすぐに会長の居るであろう生徒会室に向かおうとすると教室の入口には黒髪ポニーテールの少女、土方歳絵が居た。二年生教室に一年生が居る事に驚いている出雲組の生徒一同、そして誰一人彼女が帯刀している事をツッコもうとはしなかった。怖いからツッコまないのもある。
(まぁ・・・余程の“馬鹿”じゃないと帯刀してる奴になんかツッコんだりは・・・)
そう零が思いながら土方に近付こうとした瞬間、
「何で学園に刀を腰に差してんだこの娘!?」
芦田がツッコんだ。
「あぁあ!!、そうだった、出雲組には芦田が居たんだった!!」
零が芦田を居ることを完全に忘れていた、だが土方は芦田のツッコミを可憐に完全無視して零の前まで近寄って来た。
「黒神副会長、話があります」
そう言って土方は零の腕を掴んで何処かに向かって行った。
丁度土方と零が教室から出て行った後に水波と火波が教室に入って来た。
「零兄ぃ〜♪、一緒に生徒会室にいこ・・・ってアレ?、何で零兄が居ないの?」
「よぉ水波ちゃんに火波ちゃん、零ならさっき拉致られたぞぉ」
芦田が入れ違いに、と水波達に説明すると水波と火波は慌てて教室に出て行って零の後を追った。
「ムフフフ、これはまた黒神くんに新たな恋の嵐が吹き荒れますなぁ〜♪」
「・・・芽実はこういうの好きだな」
水波達が出て行った後に芽実は満面な笑顔でそう言う、尾井群はサッサと零の後を追う、芦田は面倒臭そうなにダラダラと尾井群の後を付いていった。
※
場所は変わり曇り空の学園屋上、そこには土方と零、そして土方と言い争っていた冲多総沙も居た。
「・・・そんで、何か用か?」
来たは良いが、ずっと黙っている土方に痺れを切らして聞く零、だが尚も黙っている土方。冲多は何故か帯刀している柄を摩りながら微笑んでいる。
「お〜い、聞いてるか?」
再度聞いてみる、すると土方が最初に言葉を発した。
「黒神副会長は紺藤さんを探して居たんですよね、二年生の灯璃さんから聞きました」
何話してんだよアイツは、と零が内心思っていると土方は零に言う。
「黒神副会長、確かに生徒会に所属している貴方だからこそ生徒の問題を解決するのは仕事かもしれません、ですが・・・」
「土方さぁん、そんな回りくどい言い方しなくても良いじゃないですかぁ」
土方がそう言い掛けるが冲多がずんずんと零に近付いて行く。
「・・・殺しちゃいましょー♪」
腰に差していた刀を抜刀して・・・
ヒュン!!
「・・・!?」
零は降り下ろされた冲多の刀をギリギリで避ける、冲多は薄い笑みを浮かべながら刀を構える。
「止めろ、冲多!!、何をやっている!?」
土方も刀を抜き冲多を抑え込もうとするが冲多はそれでも零に切り掛かる。零はマジビビりながらもスラスラと避ける。何故か避けれる。
「ぬぁあ!?、マジでどうしちゃったのあの娘!?」
「す・・・すみません、黒神副会長、冲多はその・・・紺藤さん絡みになるといつも見境無く・・・」
「見境無く・・・?」
「切り刻んで突き刺して抉り取ってまた刻んで刺して、そして細かく刻んで最後に燃やします」
「ななな・・・なんじゃそりゃあ!?、怖過ぎだしそれただの殺人鬼だろ!!」
ヒュン!!
冲多の刀が零の首スレスレに振るわれた、耳に刀が空を切る音がした。その音を聞いた瞬間に血が逆流する感覚に襲われる。
「ギャアアアァァァァァァァァ!!、殺されるぅ!!」
零は急いで屋上の出入口に向かおうとするがすぐに冲多が前を立ち塞がる。
「ふふふ、貴方が紺藤さんをしつこく嗅ぎ回っているのは知っているんです」
冲多は相変わらず笑みを消さず斬りかかる。だが土方が冲多の刀を止める。
(オイオイ冗談だろ?、まさか一年生にこんな奴が居るなんて聞いてねーぞ!!)
零が腰を低くして少しづつ屋上の出入口に近付こうとするが冲多が零に斬りかかる。
「アハッ☆、余り避けないで下さいよぉ、斬れないじゃないですかぁ♪」
「いや満面な笑顔を作りながら何物騒な事を言っているんだこの娘は!!」
「そりゃ、死ね♪」
「ぬわっと!!」
ヒュン!!、と空を斬りながらも振り回す冲多の刀、たが見た目はただ振り回しているように見えるが確実に人間の急所を狙って斬りかかっている。頭、首、心臓等を的確に・・・。
必死に逃げている零は躓く、なんかもうピンポイントに躓いた。
「ぐぁっ!!、ハァハァ・・・ピンポイントに躓くなんて、最悪だ」
両手を地面に着けながら息を整える。そして冲多は笑顔を絶やさないで刀を翳す。零を斬首するような形になりながら。
「ふふふ、紺藤さんと私達に関わった事を海より深く後悔してくださぁい♪」
冲多が刀を降り下ろそうとした瞬間、
「駄目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
突如、何処からか声が聞こえ冲多はその声を聞いた瞬間、降り下ろした刀は零の首に当たる寸前に止まった。
「何してるの、総沙ちゃん!!」
声が聞こえた方向を見るとそこにはピンク色にロングヘアーの少女が居た。
「こ・・・紺藤さん・・・」
冲多は刀を背中に回して隠す仕草をするがそんな事をしたって意味が無い。
(あ・・・あの娘が紺藤勇美ちゃんか?)
零は冲多から離れ、首を摩りながら立ち上がる。チビる思いをした零は土方に話し掛けようとしたが土方も紺藤がいる事に驚いており零は三人の様子を見ることにした。
「・・・どうしてこんな事になってるの、総沙ちゃん、そして歳絵」
紺藤は辛そうな、そして悲しみに満ちた瞳で冲多と土方に聞く。冲多は刀を下ろして紺藤と向き合う。
「・・・すみません紺藤さん」
さっきの気迫なんて何処へやら、今の冲多はまるで飼い主に怒られてシュンとしている子犬のように落ち込んでいる。
「私は何でその人に斬りかかっていたのかを聞いているんだけど・・・総沙ちゃんは聞けないみたいね、教えて、歳絵」
「あ・・・あぁ、それは、この前のような奴のように紺藤さんが妖刀師であることを聞きつけ、仲間に入れさせるのでは無いかと思ってしまい此処で話をしようとしたのだが、な・・・」
「そっか・・・また“暴走”しちゃったんだ」
紺藤は土方の話を聞いて納得したのか、冲多に歩み寄り頭を軽く叩く。冲多は「あ痛っ」と言って冲多は頭を摩りながら紺藤の顔を見る。
「もう、総沙ちゃんは私や歳絵になると自制が効かなくなって暴走するんだから気を付けてって言ったでしょ?」
「うぅ・・・すみませぇん」
紺藤はよしよしと頭を撫でて冲多をあやしていると土方は零の所まで行くと、
「すみませんでした黒神副会長!!、食堂の時もそうでしたが失礼の数々、どんな体罰も受ける所存です」
何度も深く頭を下げる土方を零は静止させようとしたら、
「おわッ!?」
「きゃあ!!」
零は今更冲多の剣幕に腰が抜けて土方を押し倒すような形になってしまった。
「す・・・済まん、今更腰が抜けてしまった」
と、そこに丁度屋上に芦田達がやって来た。芦田と尾井群、二人は女の子を押し倒している友を見ると、
「ぬひょォォォォォォォォ♪♪、なにお前ToLOVEる的なことになっているんだぁ!!、ちょ待って、今写メすっから」
芦田が興奮しながら零に駆け寄ろうとしたがすぐに足が止まる、何故なら芦田達を鬼の形相で睨んでいる黄色い髪をした女の子が居たからだ。
この後に水波達がやってきて零が土方を押し倒している場面を目撃し、後にフルボッコにされたのは別の話。
何かもう変でしたね。
終わり方雑っ!!
取りあえず妖刀師・紺藤勇美を出しちゃいました。漢字以外なら完全に近藤勇をパクってます!
もっとシリアァスにそして面白味にぃ〜
いきたいです・・・