第1話「出会い」
「・・・・へ、あ、うぉ? おに・・・鬼ちゃん? 違うよな、お、え、お兄・・・へっ・・・・・・お兄ちゃんんんん!?」
――――― 平凡な高校生活を送ろうとしていた少年 ―――――
『 黒神零 』
朝5:00―起床
俺の朝は根本的に早い。昔から朝の早い祖母に起こされていたからか、しっかりと板についてしまい午前五時くらいには目が覚めてしまう。
「ふわぁ〜、寒っ」
俺はボサボサの頭を掻きながら台所に向かう、俺が住んでいるのは普通のアパートであり、なんの特徴もない寂しい所だ。良かったと言えばアパートの近くにスーパーや学校が近いだけ、少し遅れても余裕で間に合う。
「・・・朝飯食うか」
こんな朝早く朝食を取るのは可笑しいと思われるが俺は普通だ、普通の時間じゃないのは分かるがこうも腹が減っては一日のやる気が出ないと言うもの…。
その後は部屋で静かに食パン(賞味期限切れ間近)をちょびちょび食べながら呆けていたらドアの方から声が聞こえてきた。こんな早朝からなのにだ。
「・・・こんな朝早くに誰だ」
俺は食パンを口に加えたまま玄関にへと向かう、何やらドアの前で誰かと誰かが話しているらしい。応答を繰り返しを数分絶え間なく続いている。流石に文句の一つや二つを言おうと俺はドアを思いっきり開けてみるとそこには、
「こ、こんな朝早くに失礼だって水波ちゃん」
「大丈夫、大丈夫だって。叔父さんの話だと5時にはもう起きてるって言ってたし」
「だからってこんな朝早くからは失礼だよ~」
己の目を疑ってしまう程の『美』が付く少女が二人居た。
一人は綺麗な蒼色をした髪で後ろ一つに束ねている活発そうな女の子。
もう一人は暖かそうな雰囲気を醸し出している紅色のロングヘアーが良く似合う女の子が居た。そんな『美』が付く少女を目にした俺はと言うと、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
固まっていた、否、固まってしまった。
生まれてこの方こんな本物の『美少女』に会うのは初めてだし、何故に俺の家のドアの前にいるんだ?
俺の脳では理解出来なかった。
そんな俺と言う存在がドアを開けている事に気付く二人の美少女は、
「「あっ…」」
ハモった。可愛い。
「……あのぅ、俺に何か用ですか?」
俺は自分でも驚くくらい大変情けなさそうな声をだして二人に聞いてみた。かなり緊張してた。
俺を見て何か言いたそうな二人より先に俺が口を開いてしまったのだ。
「あっ、あの!! 朝早くすみません、その、あの、あああ貴方にって言うか貴方様にって言うかって、あぁもう何言ってるの!」
紅いロングヘアーの女の子は今にもパンクしそうな程に顔を赤くして何かを説明しようとしていたが、緊張して口が思うように動いていなかった。隣で俺をジーっと見ている蒼髪の女の子は俺を見て聞いてきた。
「貴方って…………黒神零さんですよね?」
蒼髪の女の子は真剣な顔で俺に聞いてきたのに対し、俺は限りなく顔が近くになって聞いてきた彼女から目が離せないくらい見惚れながら。
きっと馬鹿みたいに、阿呆みたいに声を震わせながら答えてしまったのだろう。芯ある声で返してみたかったと後になって後悔の念が波のように押し寄せてきたが、通った過去は変わらない。
「・・・そほぉだけど、何か用ふ?」
言った後に後悔する。加えていた食パンを食べきりながら情けなく答えた俺に対して、二人の美少女はパアッと花開くように顔が明るくなり、それだけでこちらは朝から幸せな気持ちになれたと言うのに、次に放たれた可憐な彼女らからの言葉によって、『幸せ』から『困惑』へと・・・・、
「久しぶりだよ零兄ぃぃぃぃぃぃ♪」
「零お兄ちゃん!!」
一気に変貌した。
「……へ、あ、うぉ? おに…鬼? 違うよな……、お、え、お兄…へっ…お兄ちゃんんんん!?」
“お兄ちゃん”と言う、高校生にへなった零に関わってこなかった単語に、ただただ動揺するしか無かった。
まだこの時……零は異形の力が既に動いているのを……知らなかった。
どうです?
何がなんやらでしょう。
初心者&文才が無くこんな感じになってしまいました
良ければ感想や指摘などコメントをどうぞよろしくお願いします(>д<)
2011/12/15/(木)文字訂正(´ω`)