マチルダさん
無事に港に到着。
ちょっと怪しげな人は、警察官みたいな制服の人に職質みたいにされてるけど、もちろん無害っぽい私たちはスルーですよ。何ならウインクされましたよ。仕事シテクダサイ。
服装が気になったけど、旅行者や冒険者?の女性でスカートじゃない人もいて、悪目立ちしてなくて良かった。私たちより目立ってる民族衣装の人たち素敵です(笑)
港から真っ直ぐ延びる大通りの両サイドは、さまざまなあ店が並んでいて、ちょうどお昼時とあって人気のレストランには行列まで出来ている。
行列のお店とか気になるけど、通りの先の広場を目指す。
私の勘は当たるのだ(笑)
広場の中心には、噴水があって、子供たちが楽しそうに遊んでいた、ちょうど昼休憩のようで、木陰のベンチで、お弁当を食べている人、読書をしている人もいる。
「やっぱりあった!」
「ここって公衆トイレって書いてあるよね?」
「すごい、字も読めるね❗」
「でも、小銅貨 5って?」
「有料ってことか~」
「「・・・」」
「まずは金策ですね。」
「ハ~そうだね~」
「何かお困りですか?」
「旅行者の方は、この公衆トイレの利用方法が分からなくて、戸惑われる方も多いのですよ。」
「よろしければ、ご説明いたしましょうか?」
「申し遅れました、私はこちらの建物、商業ギルドで受付をしております、マチルダと申します。」
オオ~まさに ザ・受付嬢って感じの女性に話しかけられました。
「ありがとうございます。私たち、今持ち合わせがなくて。」
「そうでしたか。では、こちらをお使いください。」
と、何やらコイン10枚渡される・・
「いえいえ、見ず知らずの方に、お金をお借りする訳には!」
「? 困った方に親切にするのは当たり前ですよ?おこまりですよね?」
「・・・ありがとうございます?」
「え?桃花?」
「そろそろ限界(苦笑)」
私たちは、お言葉に甘え、利用方法の説明もお願いすることにしたのでした・・・お恥ずかしい・・・
「それでは、ご説明致します。まずは小銅貨をこちらの箱に入れ、女性はこちらの扉に進みます、未使用の札を使用中に裏返し、ご使用下さい。念のため、未使用でも一度ノックをお願いします。たまにお忘れになる方がみえますので(苦笑)、ご使用後は、レバーをお引き下さい。お帰りの際は、札を、未使用にお戻し下さい。
ご説明は以上です。ご不明な点はございますか?」
「「ございません」」
「では、失礼致します。」
「マチルダさん、完璧な説明だったね~って、それより!!これ、どう見ても和式トイレだよね?」
「うん、秘境温泉とかにあるの見たことある。」
「「・・・取り敢えず、後でね‼」」
無事に? トイレを済ませて、マチルダさんにお礼と、シャンパントリュフを1コ(12コ入りを、1コづつキッチンペーパーで巾着包みしたのが役に立ちました)お渡しして、外に出ると、木陰のベンチが空いていたので、ランチにすることにしました。
「マチルダさん、良い人だったね~」
「うん、仕事も完璧だしね~ってそれより!!何か、こんなところで和式トイレって!!」
「久しぶりにみたよね!新しくてキレイだったけど。」
「うん、秘境温泉よりキレイだった。」
「なぜ秘境温泉?」
「ちょっと似てたから?」
「まあ、考えても答え出そうにないし、ランチにしない?」
美味しいランチ(私は昨晩の残りのバケットに生ハムとチーズを挟んだサンドイッチと朝食用に用意していたベーグルにローストチキンを挟んだサンドイッチ、鈴は、ご飯のお供用に用意した鮭フレークのおにぎりと梅干しのおにぎり、慌てて飯盒炊飯の熱々ごはんでおにぎり握った掌をヒールで治してあげましたよ(笑)と玉子焼きとローストチキン、キラキラ光る噴水の水しぶきに、子供たちの笑い声、癒されるわ~
異世界ですよね?緊張感どこ行った?
お腹も満たされ、そろそろ金策をかんがえなくちゃ~
「そう言えば、品揃え豊富な香辛料のお店に、粒胡椒も並んでなっかた?」
「異世界もので、胡椒が高く売れるのよくあるんだけどな~」
「何か、お金になりそうなものね~」
「「・・・」」
「まずは、市場調査と行きますか。」
先ほど、足早に過ぎた大通りを、じっくり見て回ることにしました。
と、歩き始めて直ぐに、
「お待ち下さい!!」
マチルダさんに呼ばれたようです。
「まだこちらにいらしたのですね‼良かった。」
「どうかされましたか?」
「先ほどお礼に頂いた包みなのですが。何なんですか!!美味しすぎます‼あのような、高級な品は戴けませんと行っても既に食べてしまったのですが・・・」
「?何か不味かったですか?」
「いえ!そうではなくてですね。貰いすぎと言いますか、・・・・宜しければ、私に何かお手伝い出来ることがあればと思いまして・・・」
渡りに船とはこう言う時に使うのでは?
「「ありがとうございます‼」」
マチルダさんは良い人のようだし、この際ご厚意に甘える事にするのでした。