ホント、訳がわからない
寝袋に入ったけど、眠れない私・・・
目は閉じてみたものの、やっぱり不安になる。鈴は?寝ちゃった?
珍しく張り切ってたし、酔っ払ってた?
そんな姿も素敵に見える美人さんですね~
ちょっと冷静になれましたよ?
どうしてこうなったのだろうか?
ことの始まりは1週間前、私が2年と1ヶ月付き合っていた彼氏と別れ、鈴を、二人のお気に入りのBARに呼び出し、ちょっとだけ愚痴でも聞いて貰おうと思ったのだけど・・・
何と、鈴も振られたらしく、二人とも何時もより呑むペースが早かった、私はシャンパン2杯、赤ワイン1本空け、グラッパを3杯、鈴はビール1本、日本酒720ml2本、芋焼酎をロックで5杯呑んで、お酒の強い私たちも、かなりご機嫌だった。
「桃花〰来週末どうする?クリスマスイブなのに、二人とも予定無いんだよ!」
「イヤ、私、引越先見つけたり、荷造りしたり忙しいよ。年末だしさ・・・」
実は、2年付き合って1ヶ月前一緒に住み始めて、今日お別れすることになったのだ(泣)
「え~引越先決まるまで家に来れば良いじゃん‼20代最後のクリスマスイブだよ‼寂しすぎること言わないでよ‼」
「うーん、そう?じゃあお言葉に甘えちゃおうかな?早くあの家出たいし、お世話になります‼」
「やったー!嬉しい!これでクリスマスイブは、一人じゃない!」
「マスターおかわり!」 「私もおかわり!」
「ハイハイって!!良い女二人が勿体無い!せっかくフリーになったんだから、家に閉じこもってクリスマスイブに引越の片付けとか?無いわ~。」
「でも、今からじゃどこも空いてなくない?」
早速検索する鈴、温泉旅行が趣味だけあって慣れてる‼「全部満室(泣)」ですよね〰
「じゃあ来週もここで。」
「ごめんね~その日は、カップル限定~。」
「そんな~マスター(泣)」
「「「・・・」」」
「そうだ!今流行りのキャンプなんてどう?オフシーズンで今から予約も出来るだろうし、森林浴、マイナスイオン、薪の炎を見つめるだけで癒されそう‼」
「森林浴、マイナスイオン、ブランデーを飲みながら薪の炎(悦)」
「森林浴、マイナスイオン、芋焼酎飲みながら薪の炎(悦)」
「善は急げって言うじゃない!3件隣アウトドアショップ、閉店までまだ1時間位あるはず!!」
マスターのお告げ?を、天の声の様に(笑)ありがたく頂いたてしまった酔っ払いの私たちは、
その勢いでアウトドアショップに駆け込み、年末の売り上げ目標達成に燃える?仕事熱心な素晴らしい接客に感動すら覚えつつ、最新キャンプ用品を始め、勧められるままにプロの意見を有難くご伝授頂き、貰ったばかりのボーナスを気持ち良く差し出させて頂き、閉店時間きっかり帰路に着いたのでした!?
多分、疲れていたのだと思う…
でも、楽しかったですよ?(笑)
フワフワ気分そのままに、翌日には引越完了(元カレが目が点になってて笑えた~)まあ1月前の引越しの時に荷物整理したばっかりだったし(苦笑)
クリスマスイブの出発まで、年末の仕事の忙しさよりも、キャンプ場の検索やら、アウトドア料理の検索やら、持って行く物の取捨選択やら、二人でグラス片手にメチャクチャ楽しく過ごして、1月分のモヤモヤもすっかり忘れ、スッキリした気分でクリスマスイブの朝を迎えた。
キャンプ場に向かいながら、予定したお店を数件廻って、鈴おススメの日帰り温泉でまったりランチをとって、3時過ぎにキャンプ場に到着。
可愛い受付で説明を聞いて(薪の購入はマストです)、キャリーワゴンの便利さをアウトドアショップの皆さんに感謝しつつ、
「受付のおじいちゃんお元気だったね~、かわいいワンちゃんたち、ここのマスコットかな?」
「優しそうなおじいちゃんとワンちゃんたちも可愛かったね~」
「セントバーナードだったよね?」
「犬種は詳しくないけど、ハナと2代目ハチって(笑)」
「ヨーゼフの見た目で、ハナと、2代目?ハチ(笑)」
12月だけど、最新防寒着は最強で、寒空の下、ちょっとだけ心配してたのも忘れハイテンションな二人(笑)
「空気もおいしい~~~マスクも要らないしねー」
「おじいちゃんのマスク、ワンちゃんの刺繍入りで可愛かったね(笑)」
と、既に癒しを頂き、ハイテンションなまま、
指定の場所にテントを無事設営、寝袋を広げてちょっと寝心地を二人で確かめていたら、
いきなり眩い光が???
「うそ!雷?晴天だったよね。」
「山の天気は変わりやすいって言うし?」
「何で疑問形?ここってそんなに標高高くないよね?」
「雷だと今外に出ない方が良い?」
「でも、もし雨が降り出したら、せっかくの薪が…」
「確かに!!」
二人で慌てて外に出ると…
何と言うことでしょう、そこは異世界???
先ほどの場所は、川辺だったはずが、森?うす暗く感じる夕暮れの空には、薄っすら2つの月、そう月が2つ???訳が分からなくて混乱する私たち…
「鈴、ここどこだと思う?」
「多分。異世界?」
「異世界???」
ホント、訳が分からない。
暫し見つめあう…
「桃花、何か波の音?みたいな音聞こえない?」
「桃花!?」
はっ!!暫し現実逃避していた私…
耳を澄ませてみると!!!
「ホント!波の音?ぽい?テントの後ろ側の方から聞こえる?」
音を頼りに歩くこと、5分程でキラキラ煌めく海辺に到着。ホント、訳が分からない(二度目)。
「埼玉県に海ってあったっけ?」
「海に面してない、8県に埼玉も入ってたはず…」
「「…」」
「ステータスオープン!!」
「え?」
「スゴーイ出た!!」
え?何がでたの??
混乱する私、なぜかテンションのたかい鈴、
ホント、訳がわからない・・・