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駅の中で、かくれんぼ 8


──*──*──*── 滞在3日目


 僕はリビングにて、お姉さんが一昨日おとつい買ってくれたアイスを食べながらテレビの画面に映っているニュースを見ていた。


 ニュースに移っている場所は、あの駅だった。


 “ あの駅 ” て言うのは、【 喫茶 えみゅ〜る 】の最寄り駅で、僕が怪奇に遭ってしまった駅だ。


 僕が怪奇に遭った翌日に、駅で身元不明の白骨化した死体が発見されたみたいで……。


 オグレ サヨコさんの白骨死体なのかな…。


 怪奇にされたサヨコさんは、どうしてるんだろう…。


 死体だけでもサヨコさんの家に帰れたらいいなぁ…。


 サヨコさんの白骨死体が発見された翌日には、 “ 神隠しに遭っていた ” って言われていた行方不明者達が、駅の中のから発見されたみたい。


 発見された人達は合計で64名もて、幼い子供からお年寄り迄幅広い世代の人達が被害に遭っていた。


 性別も年齢もバラバラで──、全員が死んでいる状態で発見されたみたい。


 身体からだにも異常は無くて、五体満足な身体からだのまま発見された。


 駅には発見された行方不明者達の遺族達がぞく(ぞく)ていたみたいで、昨日きのうの駅は死体発見と遺族集合で騒然としていたみたい。


 そして今日きょう、ニュースて報道されている。


 白骨化した死体が発見された日の夜から報道はされていたけど、まさか翌日に同じ駅のから64名の死体が発見される事になるなんて誰も思ってもみなかったんじゃないかな。


 “ かくれんぼ ” してまで見付けてほしかったコグレ サヨコさんが、怪奇界へ招いた64名の人達の身体からだだけは此方こちらの世界へ帰ってた。


 じゃあ、中身はどうなったんだろう??


 たましいは──、れいこんは──、こんぱくは??


 だ怪奇界にある……るのかな?


 64名のたましいは…どうなるんだろう……。


 64名の遺族は悲しんでいるだろうな…。


 帰ってたのは身体からだだけなんだもん……。


 サヨコさんは僕のお願いを聞いてくれた。


 だから怪奇界に招いた全員を僕と一緒に帰してくれた。


 だけど、僕はサヨコさんに “ 生きているままの状態で帰してほしい ” とは言ってない……。


 僕がちゃんと “ 生きているままの状態で帰してください ” ってサヨコさんにお願いしていたら、64名は今とは違う形で家族と再会が出来ていたかも知れない。


 僕の…所為だ……。


 僕がとサヨコさんにお願いしなかったからだ……。


 こんな結末を迎えてしまうなんて────。


「 ──あっ、ユタク君。

  お出掛けするわよ〜〜。

  準備して 」

「 お姉さん……。

  出掛けるってに行くんですか? 」

「 水族館よ。

  シャチショーが見れるチケットを貰ったの♥

  ほらほら、準備して 」

「 え…え…えぇ…… 」

「 ユタク君はシャチショー見たくないの? 」

「 …………見たい…です… 」

「 じゃあ、急いで準備して 」

「 は…はい… 」


 リビングのテレビを消した僕は、部屋へ戻って出掛ける準備をした。


 お姉さんと水族館デート(////)


 嬉しいけど…事件のあとでのデートだから、素直には喜べないけど……行かない選択肢はない。


 僕は手早く準備を済ませてから部屋を出た。


 お姉さんと一緒に水族館に行く為に、ドアから出て階段を降りて喫茶店から離れた。


 水族館に行く為には最寄り駅から地下鉄に乗って、とかさん駅に行かないといけないみたいだ。


 白骨化したサヨコさんの死体が見付かって、64名の死体が発見された駅を利用しないといけないのはつらいよ…。


 駅のところ(どころ)に英語で “ キープアウト ” の文字が書かれたイエローテープが貼られている。


 イエローテープの奥で死体が発見されたんだろうな…。


 なんか…いやな感じがするよぉ……。


「 お姉さん… 」

「 大丈夫よ、ユタク君。

  もう、サヨコは怪奇を起こさないわよ。

  怪奇を起こすなら別の怪奇だろうし 」

「 別の怪奇? 」

たましいが64体もあるし、当分は大人しいと思うわよ 」

「 ………… 」

「 地下鉄は此方こっちよ、ユタク君 」

「 は、はい… 」


 お姉さんと手を繋いだまま地下鉄へ続く階段を下りると、地下鉄にも “ キープアウト ” のイエローテープが貼られている。


 からも死体が発見されたんだ…。


「 ユタク君、どうしたの? 」

「 お姉さん……、からも死体が… 」

「 そうみたいね。

  でも、大丈夫。

  怖がる事はないわよ 」

「 お姉さん…… 」

「 ほら、電車がたわよ。

  乗っちゃいましょう 」


 僕はお姉さんに手を引かれれて電車に乗り込んだ。


 お姉さんがいている座席に僕を座らせてくれる。


 僕はまどぎわに座って、僕の左横にお姉さんが座った。


「 地下鉄で50分ぐらいよ。

  5分前にアラームが鳴るようにしとくから、ユタク君は眠ってもいわよ 」

「 うん…(////)」


 電車がガタゴト…と動き出した。


 僕は両目を閉じると、一眠りする事にした。


 お姉さんの右腕に身体からだもたれさせて────。

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