始時の契り編 その9
すみません!出すのが大分遅れました!
俺が夢から覚めると、ベットのある部屋で寝ていた。おそらく金剛さんが運んでくれたんだろう。
「さて、どうしたものか」
ラトの記憶を探そうにも、がむしゃらに探しても見つからない、何か後ろ盾があれば、、、
コンコン
考えていると、部屋のドアがノックされた。
「はい、どうぞ」
「お、目が覚めたみたいだね。良かった」
入って来たのは猿飛さんだった。
「猿飛さん、どうも」
「ああ、怪我は大丈夫かい?」
「ええ、大丈夫ですよ。朝凪は?」
「あの子なら、別の所で寝てるよ。目立った怪我も無いし、明日には起きる」
「本当ですか、良かった」
「君も怪我がないようで安心したよ」
「何から何まで、ありがとうございます」
「いいっていいって。そうだ、君、今から少し時間いいかな?」
「?はい、いいですけど」
「なら一緒に来てくれないか?隊長が、、、金剛さんが呼んでる」
「金剛さんが?分かりました」
「じゃあ、付いてきてくれ」
俺はベットから起き、猿飛さんについて行った。
猿飛さんについて行くと、1つのドアの前で止まった。
「ここが俺たちの仕事場だよ」
そう言って、扉を開けた。入るとそこには、なんの変哲も無いただのオフィスだった。
「なんか、普通ですね」
「まぁね、自衛隊と言っても特別派遣所の仕事なほとんどは事務仕事と見回りだからね」
「そうなんですね」
「まぁ、それ以外にもう1つあるけどね、、、」
「え?」
「あーいや、なんでもない。じゃあ、そこに隊長がいるから、あとは1人でよろしく。少し仕事が溜まってて、早くやらなきゃいけないからね」
「はい、分かりました。色々とありがとうございました」
「いやいや、別にいいって。じゃ、頑張って」
そう言って、猿飛さんは仕事に戻った。
(ええと、、確かあっちだったな)
猿飛さんが示した所に行くと金剛さんがソファー座っていた。
「お、来たか。とりあえず座ってくれ」
「あ、はい」
そう言って、俺もソファーに座った。
「さて、まずは何から話したものか、、、」
俺が座ると金剛さんが話しを切り出した。
「その前に金剛さん、聞きたい事があります」
「なんだ?」
俺はすぐ聞きたいことがあった。
「あの男は、なんですか?」
そう、あの男の正体を真っ先に聞かずにはいられない
「ふーむ、その質問から来るか」
金剛は頭を抱えた。
「まず、あいつの正体を言う前に少し質問をさせてくれ」
「なんですか?」
「お前は小さい頃、今でもいい。何かを信じている、、、もしくは信じていたか?」
「?一体なんのことですか?」
意味が分からない。何を言っているんだ?金剛さんは。
「いいからいいから、で?どうなんだ?」
「まぁ、小さい頃ははいるって思ってましたよ今はただのオカルト話としか思えませんが」
実際俺は5歳まで神様とか信じていたし、ドラえ〇んもいると信じていた。
「なるほど、ではその神様とか悪魔とかが現実にいたとすれば?お前は信じるか?」
「え?」
ますます何を言ってるか分からない。
「金剛さん、本当に何を言ってるんですか?いると言うんですか?そう言う奴らが?」
金剛さんに少しきつく言ってみた。
「ああ、じゃないと説明がつかないだろ?いるか?世の中に触手生やした高速移動するスーツ着た男が」
確かに、どれだけあり得なくても信じるしかない。それが俺がやるべきことか。
「そうですね、もう信じるしかないですね」
「よし、信じてくれた所で話しを戻そう」
金剛は机にあった水を飲み、口を開いた。
「で、この世の中には人の様々な願いがある。そしてその願いってのは何も欲求だけじゃない。さっきも君が言った通り人間はこの世にいないものが、この世にいると信じる人もいる」
「確かに、一昔前のキリスト教とかがその例ですね」
キリスト教は昔は神は絶対いると信じていたらしいし。
「そう、そしてその結果、そいつらが生まれるんだよ。この世に存在しない、神様とか悪魔と呼ばれる奴らがな」
「なるほど、つまりあの男はいると信じられていたから、この世にいると。そう言う事ですか?」
「その通り、大方、悪魔とか都市伝説、、、いわゆるUMAかもしれないな」
「え?UMAも生まれるんですか?」
「ああ生まれる、確かにデマとかもあるが、いると信じるやつがいれば結果として生まれる」
「なるほど」
「で、俺たちはそいつら人ならざる異能的存在をこう呼んでいる」
金剛は一呼吸置いたあと、そいつらの名前を読んだ。
「アフター、、、とな」
アフター、、、直訳で『その後』という意味だ。なるほど、、、人が信じ、そしてその後、生まれたから、アフターと。だけど1つ疑問があった。
「でも金剛さん、なんでそんな詳しいんですか?まるでそのアフターと日常的に会っている、、、そんな感じにきこえるんですが?」
金剛さんが水を飲み干し、タバコを吸いながら口を開く。
「なるほど、お前勘が鋭いな。これなら大丈夫そうだ」
「?何を言っているんです?」
「さて、長かった前置きが終わって、
ここからが本題だ」
「本題?」
「ああ、これはお前が聞いた何故そんなに詳しいのかって言う問いの答えにもなる」
「それはなんですか?」
「まず、俺たちは自衛隊だが、他と違う特徴がある」
「ああ、たしか特別派遣所、、、でしたっけ?」
「そうだ、名目上は警察の手に負えない犯人の逮捕に協力する事だが、実際は違う」
「違う?」
特別派遣所はそのために作られたんじゃあ、、、
「ああ、どのくらい違うかと言うと、水とコーラくらい違う」
「大分、違いますね」
「ああ、で話しを戻すと。実はアフターの存在は秘密裏されてるだけで、ある有名な所が知ってる」
有名な所?は!まさか、、、!
「その顔を見ると察しがついたか?そう、防衛省、、、果ては日本政府がこのことを知っている」
「マジですか、、、!」
「ああ、大まじだ」
話しがでかくなってきたな
「で、そのアフター達を監視及び討伐をするための部隊、、、というより科だな、が自衛隊にある」
「なるほど、で?その科の名は?」
「自衛隊 対異能対策科、、、通称、異対科だ」
異対科、、、そんなものが自衛隊に。
「ん?でも待ってください。何故この話を俺に?言ったらダメなんじゃ」
「まぁ落ち着け。さて、お前には頼みというか提案がある」
「提案?」
俺がそう言うと金剛さんは俺の目を見た。
「青崎、お前、異対科に入らないか?」
色々予定が重なり、出すのが遅くなってしまいました。