始時の契り編 その7
ようやく主人公が覚醒しました!そして、大変長らくお待たせいたしました!
青崎が夢の中にいた頃、現実では、、、
「どうした!その拳当ててみろよ!」
「だったら止まれよ!当ててやるからよ!」
金剛は戦っていた、しかしそれは戦いとは言えず、ただの蹂躙と言っても間違いは無かった。金剛の攻撃は当たらず、ただただ、男の攻撃が金剛を痛めるだけだった。
(くそ!やつの高速移動の仕掛けがわからねぇ!)
金剛は攻撃をくらいながらも、必死に敵の攻略を考えていた。
(どういう事だ?純粋な高速移動?それとも透明化?)
金剛は冷静に敵の情報を集める。
「そんなに考えても無駄だよ!」
男はそう言った後消えた。
「またか!だが!いつまでくらう俺と思うな!」
(落ち着け!相手は消えたあとすぐに後ろに回る!てことは今回も!)
金剛の予想通り、相手は後ろに現れた。
「そこだ!」
金剛は振り向きざま回し蹴りを放つ。
しかし、、、
「効かねぇよ!」
金剛蹴りを避け、逆にカウンターの回し蹴りをいれる。
「う!」
そのまま吹っ飛び、壁に叩きつけられ、そのまま頭を押さえ付けられた。
「ぐ、、、!」
「存外強かったが、悪いな、そのまま殺させてもらう」
「くそ、さすがに丸腰じゃ無理か」
「ふん、武器を持ってこなかったお前を恨むんだな」
「悪いが、俺は自分を恨んだ事なんて人生で1回しかないんでな」
「ほー?その1回を教えてくれれば殺すのは最後にするが?」
「悪いが、貴様のような屑に言う気にはならないな。ガ!」
男は金剛の頭を握った。
「は、勿体ないな。話せば殺すのは最後にしてやると言ったのに。生にもしがみつかないとはな」
「それが、、、俺、、、なんでな!」
金剛は相手の腕を握り返した。
「ほう?まだ抗うのか?」
「悪いが、、、抗わせてもらう!」
「そうか、では速やかに殺そう」
そう言って、男は触手を出した。
「遺言は?」
「俺が死んでも、ほかのやつがお前を殺すぞ、、、!」
「は、そんなベタな遺言は要らない」
男は触手を金剛に向けた。
そして
「さよならだ」
男は触手を金剛に向けて放った。
「させねぇ」
「!!?」
バゴ!!
「がァ!?」
金剛に向けて放った攻撃は当たらず、男は逆に攻撃をもらった。
その攻撃は、、、
「へ、ヒーローは遅れて来るものだ!」
青崎だった。
俺はラトと契約し、目覚めてみたら、いきなり金剛さんが殺されそうになっていた。まぁ、軽く救ったけど。
「ぐは!貴様!何故生きている!」
「知らねぇよ、勝手に殺すな」
「しかし!死んでいなかったとしても、あの傷じゃ動けないはず!何故!」
だから勝手に殺すなっての
「傷ならこの通り、完全に治った。原理は、、、お前なら分かるだろ?」
「ああ、お前、目覚めたな?」
「ああ、正解だ」
俺は金剛さんに顔を向けた。
「金剛さん、こいつは俺がやります。朝凪を守ってください」
「な、、、ああ分かった。気を付けろ、こいつの移動の軌道は訳分からん」
一瞬、止めようとしたものの、俺の違いを感じ取ったのか、すぐに援護に回った。
「分かりました。さぁ、戦おうか」
「ち、舐めやがって、、、!」
男は消えた。
「お前には分からない!」
確かに前の俺だったらやられてた。だが、、、
(行くぞ!ラト!)
(分かった!)
俺にはこいつがいる。
(相手は、、、そこか!)
シュ!
「な!」
「わりぃな!高速移動はお前の専売特許じゃないんだわ!」
俺は相手の前に現れた。ぶっちゃけ速さに振り回されたのは内緒。
「くらえ!」
俺は純粋な蹴りを放った。
「うぉ!」ドコ!
俺の蹴りは相手の防御した相手に当たり、、、
「ぐはぁ!」
そのまま、吹き飛ばした
「よっしゃあ!手応えありだな!」
「ふっざけるな!」
相手が蹴りを放ってきたが、
「ふん」
逆に足で迎撃する。
「なに!」
すげぇな、痛いと思ったけど全く痛くない。
(すげぇな、ラト?)
(でしょ?)
俺はラトに感謝した。
「これでもくらえ!」
相手は触手を出し、襲いかかってきた。
「わりぃが見えてるよ!はっきりとな!」
俺は触手を避けながら、相手に近づいた。
「何故だ!急に目覚めても、それほどの力は出ないはず!」
「さぁな!俺も知らん!」
さて、避けられると分かっても、この後どうする?
俺は考えた。
青崎に言われたあと、金剛はすぐに行動を開始した。
「にしてもあいつ、土壇場でよく覚醒したな、大したもんだ」
金剛は小声で呟いたあと、朝凪の所に駆け寄った。
「なるほど、怪我はなし、、、と。あいつが守ったおかげだな」
しかし、青崎は大丈夫か?そちらの方を見てみると、金剛は驚愕した。
(な!マジか!あいつの高速移動についていけるか)
「もしかすると、青崎は神をも、、、!」
そんな金剛をほっておいて、青崎はどう攻めるか考えた。
(どうしたものか?)
攻撃しようにも、近接じゃ倒せねえし、かといって距離をとるとあの野郎触手で攻撃してくるし、、、うーん、、、
悩んでいると、あいつから攻撃をしてきた。
「あぶね!」
「どうした!?攻撃してこないのか!?」
「くそ!」
(おいラト!何か策ねぇのか!)
(あるには、あるけど)
(よし!それやるぞ!)
(だけど、、、君の体が持たないかも)
(そんなのどうでもいい!今はこいつを倒す!)
(そんな!君はまだ僕と少ししか繋がってない!そんな状態でやったら!)
(そんなん、死ぬわけじゃないんだから問題ない!今は時間が惜しい!)
(、、、分かった。やろう)
ラトは少し考えたあと頷いてくれたり
(サンキュー!で!何をやればいい!)
(今君は、僕の力を借りてる状態だ。僕の力を借りるのでは無く、操ればいい)
(なるほど、だがどうやって?)
(大方の制御は僕がやる。君は僕の力を放つだけでいい)
(ほんとか?)
(うん、まだそんなに僕の力を使いこなしてないだろうし)
(分かった。それでいい)
(それじゃあ、少しあいつと距離をとって)
(了解!逃げ足は早いぜ!)
早速実行にうつし、男と距離をとった。が、、、
「逃がすかよ!」
ち!そう簡単にとらせてはくれないか!
「ふん!」
「ぐ!」
いきなり、横から蹴りが飛んできた。
「俺がこいつを引き止める!今のうちにやれ!」
金剛さんが助太刀に来てくれた。
「ありがとう!金剛さん!」
そう言ったあと、俺は後ろに下がった。
「さて、俺を忘れてもらっちゃ困るな?」
「くそ!この死に損ないが!」
そう言って、金剛と男の第2ラウンドが始まった。
俺は金剛さんに時間稼ぎを任せ、後ろに下がった。
(よし!これでいける!)
(時雨、大丈夫?)
(ああ、問題ない!やるぞ!)
(分かった)
(で?何をすれば?)
(まず、手を横に出して)
(こうか?)
俺は左手を横に出した。
(そう、そしてイメージするんだ、僕の姿を)
(分かった)
俺はラトが隣にいるイメージをした、すると今までよりも大きい力が溢れ、咄嗟に手を引いてしまった。
(怖がらないで!大丈夫、力の制御は僕がやるから)
(あ、ああ、分かった)
ビビるな、金剛さんを、、、朝凪を守ると決めたんだろ!
(そう、落ち着いて、、、よし大分力を出せるようになった)
確かにさっきとは比にならない。
(よし、ここまで溜めれば大丈夫だ)
(よし!行くぞ!)
(うん!)
その時、金剛さんから声が飛んできた。
「おい!まだか!」
「今行きます!」
俺の出した左手には、いつの間にかラトがいて手を握っていた。
「お前、実体化できたんだな」
「うん、君がいるおかげだよ」
俺は呼吸を整えて。
「行くぞ、ラト」
「うん、行こうか」
俺は右手を前にだした。
「やらせるかぁ!」
男がやらせまいと、攻撃をしてきた。
「叫んで!時雨!」
「くらえ屑野郎!!」
そう言って、右手に力をこめ
「ファイヤ!」
と言って放った。てか言ったらなんか出た
「え?」
「くばぁ!」
白い気功弾みたいなのをくらった男は声を上げ、そのまま吹っ飛んだ。
「え?なんか霊〇みたいなの出たんだけど」
「これが僕の、、、僕達の力だよ、時雨」
俺が困惑していると、ラトが説明してくれた。
「くそ、なんだその力、、、!」
「まじかよ、違うと思ったが本当だったとは、、、!」
男だけではなく、金剛も驚愕していた。
「しかし、さすがに倒せないか」
「ちょっとイメージが完全じゃなかったね」
「イメージ?」
「さっきも言ったけど、僕の力はイメージが大事なの。さっきの攻撃もしっかり形をイメージして」
「分かった」
「そうだ、あと君にプレゼント」
「え?うお!」
ラトがそう言うと、俺の体が変化した。
体が発光し体に幾何学模様にも似た文字のようなものが浮かび上がった。
「これがお前のプレゼント?」
「そう、でも気を付けて、身体能力もさっきの比じゃないけどその分制御が難しいし、負担もかなりかかってるから」
「そうか、分かった」
「ふざけやがって!どんな姿になろうと無駄だ!」
「それはどうかな!さて!ここから逆転劇だ!」
「やってみろ!」
俺はまず、槍をイメージした。すると、俺の手に幾何学模様の槍が現れた。
まずは小手調べだ!
「くらえ!」
俺は槍を放つ。
「そんな、やりあたるか!」
「ちっ!はやい!」
さすがに避けられるか。
なら!
「さすがに複数は当たるだろ!」
俺は槍を5本作り、放つ!
「舐めるな!」
今だ!
「くそ!な!?いない!」
「ここだよ!」
俺は後ろに回った
「な!?」
俺は剣を作り、それで男を刺した!
「はぁ!」
「がぁぁ!?」
男を刺し、そのまま相手を地面に叩きつけた。
「よし!いいの入った!」
「これでやったかな?」
「おいラト!フラグを建てるな!」
どこからともなく現れたラトがフラグを建てた。案の定、、、
「がは!くそ!舐めやがって、、、!」
「やっぱり殺れてないか!」
「大丈夫か!青崎!」
「金剛さん!」
今まで休んでいた金剛さんが参加した。
「朝凪は大丈夫ですか!」
「ああ、問題ない!」
「良かった、で?あいつどうします?」
「やるしかないだろうな」
「ですね、、、!」
「ふざけやがって!お前ら全員殺してやる!」
さて、槍の準備を!
「ちょいちょい!情けないっすね!隊長!」
「!?」
敵の攻撃に構えていると、場違いな程の軽い口調と声が聞こえてきた。
「誰だ!」
男が怒り混じりの声で叫ぶ。とは言っても俺も
「まじで誰だ?」
俺も困惑した。
「あいつ、、、!」
俺と男の反応とは逆に金剛さんは安堵の声を発した。
「金剛さん、あの人は?」
俺は問いかけた。
「ああ、言ったろ?直に俺の部下が来るって」
「え?てことはあの人は?」
「ああ、その通りだ」
「さて、カッコイイ〜登場も出来たことで名乗らせてもらうわ!」
「自衛隊特殊派遣所だ!神妙にお縄につきな!」
どうやら、俺の人生は助けられてばかりらしい、、、!