5話
「うまかったぁぁ」
「きゅぅぅぅぅぅ」
怒涛の屋台巡りを終え、今は少し高めの宿谷にいる凪月たち。昼を過ぎた時間くらいだったが、体が疲れていたので休むことにした
「腹いっぱいになったら、やっぱり眠くなるな。けどその前に...」
アイテムボックスという便利なスキルを使い、数年前に作ったお風呂と洗面道具を部屋の中に出す。ちなみにちゃんと排水機能(魔法を使った)は搭載している
「よし、シャワー浴びるか。お前もこっちこい」
パパっと服を脱ぎ子狐の元に向かうと、なぜか前足で目を隠していた
「........何してんだよお前」
「きゅ、きゅうきゅう!!!」
どうやら、こいつは水が苦手らしい。まあ、動物のほとんどは風呂が嫌いみたいだが
「せい!.......おい、暴れるな!!」
「きゅうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
必死に抵抗する子狐を何とか浴槽の中に入れる。そして、水と火の魔法を利用し、程よい温度のでかい水を頭上に浮かばせた。
あとはシャワーみたく、チロチロと降らせるだけだ
「よし、まずはお前から洗うか。結構毛も汚れているしな」
水に濡れたことで大人しくなった(諦めた)子狐を、シャンプーでわさわさ洗う。何故か洗う度、小刻みに体を震わせ、か細く鳴く子狐
全身洗い終わったらゆっくりと水を降らせておく。その間に自分自身をテキパキと洗う凪月
そして自分にも水を降らせ、狐と一緒に泡を洗い流す
最後にタオルで髪、体を拭き、狐は火と風の魔法で乾かした
「ふぅぅぅぅ、すっきりした」
アイテムボックスに浴槽等を仕舞い、ベットに座る凪月と子狐。子狐の方は若干ぐったりとしているが、綺麗になったことには喜んでいるみたいだ
「さてと、結構早いが疲れたし寝るか」
人間、お腹がいっぱいになったら眠くなるようにできている。それにちゃんとしたベットで寝るのは久しぶりだから、ぐっすりと熟睡できそうだ
布団をかぶり、体を脱力させる凪月。この瞬間がやはり一番幸せだ
子狐も疲れ果てているらしく、一緒にベットで寝るようだ。こうして、凪月と子狐はぐっすりと眠るのであった
この後に起きる信じられない事を知らないまま