1話
大地が焦げ粉塵が舞い散る此処に、相対する2つの魂が、魔神と相対する
「もっと早く動けくそ勇者!」
「ノロマなくそ魔王に言われたくないよ!」
お互いを罵り合いながら、それでも何故か息ぴったりと共闘する2人
『グガァァァァァァァァァ!!!』
魔神が勇者と魔王の剣に苦しむ。舞い上がる岩等を足場にし、縦横無尽に飛躍する
「くたばれ勇者!」
「しねぇぇ魔王ぅぅぅ!!」
2人は魔神に光と闇の強烈な一撃を入れた。
『っっっガァァァァァァァ!!』
禍々しい黒き血を吹き散らし、その血が地面を蒸発させる
「やったか!?ぐげっ!」
「ばかそれフラグぅぅぅがはっ!!」
勇者がお決まりを口にしたおかげで、2人共仲良くぶっ飛ばされる
「ぎっ!.......ぎゃ!.......げぇ!!..........ごほっ、痛いんですけど!?」
「かはっ.......ぐぅ.......っっ!..........うぉぇっ、てめえが余計な事口にするからだろ!」
「はあぁ!?僕は悪くないから。てか喋りかけないでくれる?魔王のせいで空気が汚れる」
「お、お前本当に勇者か?口悪すぎだろ!て、てか、魔王ってだけで空気は汚してないから!」
自分が汚物化されてることに若干傷付きながら、再び立ち上がる魔王
【七つの大罪よ、再び我の刃となれ】
魔王の周囲に、それぞれ別な色に輝く刀が出現する。くるくると周りを飛ぶ刀は、まるで主に早く使って貰いたい子供のようだ
【聖剣よ、今こそ我に力を貸したまえ】
次に勇者も聖剣を胸元に構え、眩しい光が辺りを照らす
魔神は禍々しい大剣を顕現させ、こちらに爆ぜてきた
「っ!何目つぶって妄想してやがる!?てめぇも早く参戦しろ!」
魔神の攻撃を紙一重で刀で防ぎ、大罪の刀を自在に操り、応戦する
「っくそ!さっきよりも速いじゃねぇか!」
振り下ろされる大剣を魔眼の力で転移して躱し、背中に2振りの刀でXを刻む
続けざまに転移をして、神速の攻撃を叩き込もうとして
『グガァァァァァァァァァ!!!』
「ぐぅっっっ!!」
魔神は鬱陶しいとばかりに、大剣を地面に叩きつけ、魔王を吹っ飛ばした
【我は語ろう.......光よ集え....敵に今こそ我の光を刻もう】
『グガッ!??」
【エクスカリバァァァァァァァァァァ!!!!!】
光の一撃が世界を白く初める。冗談のような一撃に星が悲鳴を上げ、地面を灼熱とする
粉塵からぶっ飛ばされた魔神は体の至る所を欠損していた。しかし、魔神はその欠損を自らの事故治癒によってみるみる内に回復させて行った
勇者はと言うと肩で「はぁ....はぁ....げほっ!」っと息をして、顔を真っ青にしている。到底今すぐに動けないことは誰の目を見ても明らかだ
しかし、闇の王がまだいる
【星の輝き....一輪の花....煉獄に包まれたとしてもこの一撃を届かせよう.......懺悔は聞かぬ....どんな言葉も我には届かぬ....贖罪は揃った....罪を認め、地獄へと逝け】
魔王は駆ける。ありえないほどの魔力の渦が魔王を包み、右手に強大で漆黒の矢が出現してくる。矢は漆黒の雷を迸り、それだけで大地を削る
魔王は魔眼の転移によって、魔神の遥か頭上に顕現し、矢を構える。すると魔神目掛けて、いくつもの魔法陣が下にどんどん出現しだした
そして..........
【インドラの矢】
光の次に今度は闇が世界を支配する。続いて爆音
勇者が放ったエクスカリバーよりも高い攻撃力が星をまで貫こうとしている
粉塵が晴れた時には、地上に深い穴が空き、マグマが滲み出ていた