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94、今までのお話

 お茶とお菓子を食べながらフェルに今までの事を話した。

 今回のスノウハイランドに行った事から始まり、

 シャーロット様の事、

 帰りに龍に遭遇した事、

 アレスが助けてくれたけど動けなくなってしまった事、

 フェンリルさんが現れた事、

 ロイドがアレスを運んでくれた事、

 温泉に行った事、

 ロイドが包帯を巻き直してくれた事、

 モーモ村で剣を抜いた事、

 それを秘密にする為に急いで帰った事、


わあすごいいっぱいある!


 時間はどれくらいたったのか。

しゃべりまくった事で、喉が痛くなったが途中でお茶をおかわりしたり、キャンディをもらって、全てを話終わった。


 フェルはひたすら頷きながら聞いていてくれた。


 そして空間魔法で着ぐるみウサギのぬいぐるみを出してきた。

あれ? そう言えば着ぐるみウサギを馬車に忘れて来たままだった。

寝込んでいてウサギの事忘れてるなんて、せっかくのフェルのお手製なのに……ごめんね。


「実はリリアがこの子をずっと持ち歩いてくれてたからほぼ見てたんだ~ただ、リリアがぬいぐるみを持たないでいる時の事とかは分からなかったから、今の話でフェンリルの事と勇者の剣の事がわかったよ~。勇者の剣は酷いな~ボクも見たかったのに~すごい残念~。」


ほぼ見ていたって?


「あ、ごめんね~。リリアが心配でこの子に覗き見機能を付けておいたの」


なに~!? じゃあ必ず持ち歩けって言うのはフェルが覗くため!?


フェルはニコニコしている。

この顔を見ていたら怒れないね。がくり


「それにしても驚いたよ~ロイくんが魔包衣の巻き直ししてくれるなんてやっぱり目がいいから羨ましいや~。彼はやっぱりボク以上の天才だね~あと一年ボクの所にいてくれたらボクの事なんて超えちゃったかもよ~。」


フェルが嬉しそうだ。


「ロイくん戻ってきてくれるといいな~」


え? 覗いていたのでしたらロイドの"危なくなったら裏切る"宣言を見てないの?


あ、大事なことを思い出す。


「フェル……アレスがお粥を食べちゃったの、知ってる?」


「うん、ロイくんのメモにちょこっと書いてあった。」


「それ大丈夫なの?」


「うーん……それね~本当なんだよね? アレスは何も飲み込んだりするはずないし、本当言うとフェンリルが来たって言うのもね……とても信じられないよ。でも、リリアが言うなら本当なんだろうね。」


「うん本当だよ!」


「リリアが寝込んでる間にアレスにいろいろ食べさせようとしてみたけどダメだったんだ。何かが変化してきてるのは間違いないんだけどね~。

ぼくね~アレスだったらきっと奇跡をおこしてくれるって思ってずっと待ってた。ずっと帰りを待っていた。ボク、フェンリルの事を探しに行ってみようかと思う。アレスが呼んだと言っているなら話を聞きたい。ボクももう一度アレスと話したい!」



「ほう……フェンリルですか……」


 いきなり声がした。


びっくりして声の方を見るとロイドが立っていた。

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