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90、屍兵とおいかけっこ

 忍者っぽい女サクラコと何故か一緒にお茶を飲んでいた。


 私はアレスの事を聞きたいのを我慢していた。

早く茶を飲んで帰れよ、とサクラコの事を思っていた。


「リリアさんはお姫様ですか?」


!!

いきなり確信を……私が姫だとわかったら暗殺するつもりかも!?


「いや~私は……姫では無いです。ただの村人です!」

苦しい……。

もう冷や汗が出てきた。


「ぷっ、リリアったら~何言ってんの~? おもしろいこと言おうとしてるの~? リリアはお姫様だよ~」

あっさりフェルにばらされた。


ちょっとフェル! 警戒心無さすぎ!


今、アレスもいない、ロイド(お父さん)もいない。ヤバくない?


 冷や汗タラタラの私にサクラコは言った。


「お姫様なら私を王宮に雇って下さい!」


「いや~私はそんな権限ないんでね~。ムリですかねえ……あ、ちょっと用事思い出しちゃった。帰りまーす!」


そう言って立ち上がる。


え? もう? って顔でフェルが見てくるが、変な女を連れてきたあんたが悪いのよ!

私以外の女を部屋に入れないで! 腹立つわぁ……

何か彼女っぽいセリフになってしまう。


 アレスに会えなかった私の悲しみをどこにぶつければいいのか……!!


 来る時は抜け道を通って来たけど、どこから出てきたかわかってないだろうし、またサクラコに見られるのは駄目だ。仕方ない、玄関から出よう。


 玄関から出て足早に戻ろうとすると速攻彷徨いてる屍兵と目があった気がした。


追ってくる。追ってくる。

ぎゃーーーーーーーーーーーーーー

久々の屍兵への恐怖!!

私は走って玄関へ


だが私の走る先に別の屍兵いた。


屍兵がいた。

追ってくる。


屍兵がいた。

追ってくる。


屍兵だ。


追ってくる。


どんだけいるん!?


 方向を変えながらも玄関を目指す。

玄関が見えているのに屍兵が邪魔で近寄れない。


私はおうちに帰りたいだけなのに!


これ捕まったらどうなるの?


もう嫌な事ばかりだよ!!


アレスはいないしアレスはいないしアレスはいないしアレスはいないし!!


きーーーーーーーーーーーーーーーー!!


もうこの際ロイドでいいです。


「助けてーーーーお父さーーーーーーーーーーん!!」


「何してるんですか、姫様?」

ロイドが玄関を開けて出てきた。


 ロイドが手をかざすと屍兵が止まって、それぞれの持ち場に戻っていくようだ。

いいなーそれ、私も出来るようにしてくれ!

もうすごい恐怖でしたから……


はあはあ、はあはあ、はあはあ


もう全力疾走しちゃったよ。汗だく!!

サッカーのストライカーにでもなった気分だったよ。何人抜き出来たかな?



「姫様はお部屋で寝ていた筈なのに、屍兵とかけっことは、元気すぎますね」


そんな訳あるかい!! 腹の立つ!


「……で、そちらのお嬢さんは?」


振り返るとサクラコが着いてきていた。


ひーーーーーーーーーーーーーーーー!


別の恐怖!!





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