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89、怪しいサクラコ

 やっと熱が下がり日常が戻ってくる。


 早くアレスを迎えに行きたい。


早く夜にならないかな……


 朝マルタが来て着替えさせてくれたあと、朝食を運んできてくれた。


朝食を食べているとロイドがやってきた。


ロイドは私を見て、


「おや、姫様まだお熱があるようですね。これは今日1日はまだ寝ていた方がよろしいでしょう。さあ、あちらで寝てください。邪魔しませんので、」


とか言ってきた。


 何だよ元気になったのに人を病人にしたいのかよ。と思ったらロイドの指先はベッドではなく、抜け道に向いていた。


え? 行ってもいいの?


ロイドが頷いた。


「眩しいでしょうからカーテンも閉めておきますね」


カーテンを閉めロイドが部屋から出る。


うっそ、親切。ホントに? 行っちゃうよ?


罠じゃないよね?


久しぶりのフェルの家。私は我慢できずに抜け道に入った。


抜けた!


と思ったら目の前に知らない女の人がいた。


え? 誰?


ここフェルの家であってるよね?

ちょっとキョロキョロしてしまう。


「お前は誰だ!」


女の人が言った。


そっちこそ誰だよ。


 その女の人は黒髪だった。

アレス以外の初めての黒髪。

顔の感じからして日本人ぽい……こっちの世界のジャパネオの人?


かといってのっぺりした顔をしているわけではなく、顔立ちははっきりしたオリエンタル美人だった。


 特徴的なのは、なんと手足や胸元から鎖帷子が見えている。クノイチ? 忍者?


ジャパネオに狙われた経験のある私はかなりビビる。


私、暗殺されるんじゃ……?


フェルとアレスがいない……?


まさか二人とも、もう……?


バタン


「ただいま~」


フェルだ! 玄関から帰って来た。無事だった!


ものすごいほっとした。


「あれ~? リリア~? 良くなったんだね~良かったあ」


相変わらずのフェルの、のんびりした話し方でかなりユルい空気になった。


「フェル良かった~。この人、誰?(怖いんですけど)」


「あ~この子はね~」

フェルが言いかけると……


「私はサクラコです。王宮に面接に来ました」


「面接!?」


「はい、王都の職業紹介所で紹介を受けたのですが、今募集をしていないと断られました。紹介所の手違いだそうです。せっかく来たので王宮をうろついていたところ、こちらのフェルさんにお茶に誘われましたが、フェルさんがお茶の葉を切らしていたと言うので留守番を任されたのです」


「リリアが来れないからちょっと退屈してたの~そしたらサクラコちゃんが困ってるみたいで~」


募集してなくて手違いなら王宮をウロついてちゃダメでしょう?


帰れよ。しかも屍兵がうろうろしている庭だぞ。



悪いけどこの人怪しすぎる。忍者だよね?








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