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77、誤飲の対処方法?

「ロイド、アレスが飲み込んじゃった!これ平気かな?」


 ロイドがちょっと遠い目をした。

え? なに? やっちまった的なこと!?

私がおろおろしていると、


「マルタ、彼は食事は要らないんだよ。ちゃんと説明をしなくてごめん。」


「ロイ……私何か失敗をしたのね?」


マルタも動揺し始めていた。


「いや、何も……君は優しいね。そうだ。せっかくだから一緒に温泉入り直してこようか」


マルタの腰に手を回しエスコートでもするかのように部屋を出ていく。


ドアを閉める前にロイドがひとこと言った。


「私は休憩に入ります。シーラ、レイラ、姫様の護衛を……」


「ちょっと待ってロイド! これ大丈夫?」


「姫様、私かなり消耗してます。休憩で、」


バタン


ドアが閉められた。


むきーーーーーーーーーーーーーーーー!!


逃げたな!?


私がロイドを追いかけようとすると、シーラとレイラが止めてくる。


酷くない!?


「姫様、ロイド様はかなり消耗されています!」

「休憩をさせてあげてください!」


シーラとレイラが口々に言う。


この二人が私に対してちゃんとしゃべるのは初めてかも?


それにしても何だこれ? 私がロイドをこき使っている風?

ブラックな雇用主的な?


「消耗って! だってあれ違うよ、絶対違うと思う。バカップルが貸し切り温泉でいちゃついてウハウハなやつだよ!!」


すると二人は、残念な子供を見る目を向ける。


「姫様、ロイド様は魔導の操作をされていたようです。魔法使いであってもかなり高度な技です。ロイド様は魔法使いでもないのにそれを施したのです。これがどんなに大変な事かお分かりですか?」


「かなりの集中力を必要とされ、精神を疲労させるのです。本来であればすぐに休みたい筈です。姫様の為にあのように元気に振る舞っているだけです。どうか御慈悲を!」


シーラとレイラが代わる代わる訴えてくる。

御慈悲をって何!?

どんだけ私ひどい姫様?


二人の中では私は無慈悲で我儘で冷酷な姫様か?

二人の勢いに負け、ロイドを追うのを諦める。


アレスを見た。


相変わらず虚ろで椅子に座っている。

こうしてみると、ただの具合が悪い人に見えなくもない。


 マルタが間違えて食べさせるのも無理はないのかもしれない。

お腹を空かせた少年に優しいお姉さんがご飯を食べさせようとしただけなのだ。


 そういえば私はロイドにアレスを治してくれたお礼さえちゃんと言ってないかもしれない。

 本当に大変な事をやってくれたのなら、私の態度はロイドを疑ってばかりの嫌な姫かもしれない。


ちょっと反省が入る。



アレス大丈夫かな?


ふと心配が込み上げる。


どうしよう!? 吐かせた方がいいの?

子供とかが誤飲した時の対処って聞いたことある気がする。気道に物が詰まると危ないとか、誤飲したものによっては吐かせてはダメとか。

今回はご飯だから吐かせてはいけない物ではない。

子供はうつ伏せにして、頭より胸を低く、もう片方の手の付け根で背中を叩く!? こんな感じだった? これは前世の保健体育の知識だろうか? それともテレビ?


そもそも飲み込むって出来るんだ?


いや、屍は飲み込むって出来ないよね?




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